【天皇賞(秋)】3歳マスカレードボールとミュージアムマイルに明暗 ローテーションに見られる特徴は
SPAIA編集部

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宝塚記念組vs日本ダービー組
2日に東京競馬場で開催される天皇賞(秋)(GⅠ・芝2000m)。今年も総勢7頭のGⅠホースが集結したほか、GⅠ未勝利組もヴィクトリアマイル2着のクイーンズウォーク、同3着のシランケド、さらには皐月賞3着&日本ダービー2着のマスカレードボールなど、秋の中距離王決定戦にふさわしい好メンバーが揃った。
ここでは過去10年における前走レースやクラスなどに注目しながら、ローテーションに見られる特徴を探っていく。

まず前走クラスで比較してみると、前走国内GⅠ組が7勝に対してGⅡ組は3勝。GⅢ以下のクラスからは勝ち馬どころか好走馬も出ておらず、前走が海外のレースだった馬も【0-0-0-6】と全滅。3年前はシャフリヤール(2番人気)、2年前はドウデュース(2番人気)、そして昨年もリバティアイランド(1番人気)が馬券外に沈んでおり、今年唯一該当するタスティエーラにとっては逆風データとなる。
前走国内GⅠ組の内訳は宝塚記念3勝、安田記念2勝、日本ダービー2勝で“3強”の様相。宝塚記念組は【3-2-2-12】勝率15.8%、複勝率36.8%という成績。単勝回収率は43%に留まるが、複勝回収率は90%と悪くない。
今年は勝ち馬メイショウタバルを筆頭に5頭が参戦予定となっているが、勝ち馬は【1-1-1-1】勝率25.0%、複勝率75.0%と評価できる一方、2~3着馬は【0-1-0-3】複勝率25.0%と成績が落ちる。3着ジャスティンパレスは慎重に取り扱いたい。
むしろ見直したいのが6~9着【2-0-0-1】勝率・複勝率66.7%で、今年は6着ソールオリエンスが候補。昨年の天皇賞(秋)では7着に敗れたが、勝ち馬とは0秒4差で、過去には日本ダービーで2着に食い込んだ実績がある。巻き返しに注意が必要だ。
今年は安田記念からの臨戦となる馬は不在のため、残る勢力は3歳・日本ダービー組。過去10年の成績は【2-0-1-2】勝率40.0%、複勝率60.0%と優秀で、勝ち馬はエフフォーリアとイクイノックス。いずれもダービー2着からの臨戦だった。イクイノックスは皐月賞とダービーで連続2着からの戴冠。3着→2着と来たマスカレードボールもここで初GⅠ制覇となるだろうか。
ミュージアムマイルに黄信号
今年は3歳からもう一頭、皐月賞馬のミュージアムマイルが参戦する。前走セントライト記念は過去10年でサンプルなしだが、過去10年の3歳馬【2-0-1-7】のうち、日本ダービーで4着以下に敗れていた馬は【0-0-1-4】。ダノンベルーガの3着が唯一の好走で、2019年の皐月賞馬サートゥルナーリアも天皇賞(秋)では2番人気を裏切る6着に終わっている。
また、前走クラスに関わらず中8週以下で天皇賞(秋)に挑んだ馬は【2-1-5-68】勝率2.6%、複勝率10.5%であり、2020年以降に限れば【0-0-1-28】複勝率3.4%と壊滅的な成績。叩いた効果よりもできるだけフレッシュな状態で本番に臨む方が好ましく、9月のGⅡ戦を挟んだ点もデータ的にはプラスとは言えない。
最後に、シランケドやブレイディヴェーグといった有力牝馬が該当する前走新潟記念組は【0-0-0-7】で直近10年の好走馬はなし。ただし、新潟記念は今年から別定戦に変更となったことでメンバーレベルが急上昇。3着ディープモンスターが次走で京都大賞典を制し、2着エネルジコは先週の菊花賞を優勝した。
シランケドは春のヴィクトリアマイルで勝ち馬とタイム差なしの3着に好走した実績があり、2000m【4-1-1-0】に左回り【3-0-1-1】から東京芝2000mは今回が初出走ながらベスト舞台である可能性を秘めている。過去の傾向を一蹴するかもしれない。
また、ブレイディヴェーグも新潟記念では6着に敗れたものの勝ち馬とは0秒3差で、昨秋の府中牝馬ステークス0秒2差勝ちなど東京芝1800m以上は【3-0-0-0】と大得意。適条件で華麗な復活劇があっても驚けない。
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