【菊花賞】神戸新聞杯3着ジョバンニ、前走7馬身差勝ちマイユニバースは消し ハイブリッド式消去法

久保田大五郎

過去10年の菊花賞『前走が条件戦』かつ『前走が2200m以外』の成績,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

5つのデータから絞れた馬は?

今週のメインはクラシック最終戦・菊花賞。京都芝3000mの長丁場で3歳牡馬たちが最後の一冠を争う。今年は皐月賞の1~3着馬および日本ダービーの1、2着馬が不在で、例年以上に混戦のメンバー構成となった。

いつも通り過去10年のデータを用いて、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。当てはまった馬を消していく。現時点で6分の4抽選対象(*)となっている馬も含め、登録馬全20頭を対象とする。

『前走・条件戦』×『前走2200m以外』★0.0%★

いつもは前走の結果が悪かった馬を真っ先に削っていくが、今回は登録20頭のうち17頭が前走3着以内というメンバー構成となる。

そこで少し趣向を変え、条件戦組、セントライト記念組、神戸新聞杯組の順に、それぞれの「凡走データ」から絞り込みを図ることにする。

まず前走が条件戦だった馬から。過去10年の成績は【1-2-4-46】複勝率13.2%とやや苦戦気味だ。また、好走した7頭はいずれも前走「2200m」の「2~3勝クラス」で「1着」からの参戦だった。逆に言えば、前走2200m以外の条件戦だった馬は【0-0-0-39】。文句なしの消去でいい。

この項目でいきなり下記の8頭が消去となった。九十九里特別を7馬身差で圧勝したマイユニバースは穴人気しそうだが、自信を持って消しとする。

【今年の該当馬】
・エコロディノス*
・キングスコール*
・コーチェラバレー*
・マイユニバース
・ミラージュナイト
・ラーシャローム*
・レイヤードレッド*
・レクスノヴァス

『前走・セントライト記念』×『中山GⅠで5着以内歴なし』★3.4%★

続いてセントライト記念組【4-3-2-35】複勝率20.5%をふるいにかける。着順や人気を問わず好走馬を出しているが、馬券に絡んだ馬の内訳を見るとキタサンブラック、タイトルホルダー、アスクビクターモア、ソールオリエンスなど春GⅠで既に上位争いをしていた馬が目立つ。

データで言うと「中山GⅠで5着以内歴があった馬」が【4-2-2-7】複勝率53.3%、単勝回収率194%、複勝回収率162%の好成績。上記の実績がなかったセントライト記念組は【0-1-0-28】同3.4%と明暗がはっきり分かれていた。

今年はセントライト記念から3頭エントリーしてきたが、いずれも「中山GⅠで5着以内」の実績は持たない。バッサリ消去だ。

【今年の該当馬】
・ジーティーアダマン
・ヤマニンブークリエ
・レッドバンデ

『前走・神戸新聞杯』×『前走上がり4位以下』★0.0%★

今度は西のトライアル・神戸新聞杯組【4-3-4-52】複勝率17.5%が標的。こちらはセントライト記念と対照的で、上位着順、上位人気だった馬が菊花賞でもある程度順当に走っている。

データとしては「上がり3F順位」を採用する。神戸新聞杯で上がり3位以内だった馬は【4-3-4-14】同44.0%だが、同4位以下は【0-0-0-38】とキレイに仕分けられた。

神戸新聞杯組は4頭参戦するが、上がり4位以下だったのはジョバンニとライトトラック。この路線なら末脚で勝ったエリキングとショウヘイを優先する。

【今年の該当馬】
・ジョバンニ
・ライトトラック

『ノーザンF生産馬以外』×『騎手乗り替わり』★0.0%★

残りは前走情報以外の観点から切り込んでいく。まずは生産者について。クラシック路線でノーザンファーム生産馬が強いのは周知の事実だが、この菊花賞でも当然、その傾向が見られる。

ノーザンF生産馬は【5-8-8-52】複勝率28.8%で、それ以外【5-2-2-97】同8.5%を圧倒している。

押されている「非・ノーザンF生産馬」のうち、馬券に絡んだ9頭はいずれも騎手が継続騎乗していた。乗り替わりとなるケースは【0-0-0-37】と全滅だ。

ここでは新たに抽選対象のアロンディが消える。団野大成騎手を悪く言うわけではないが、さすがにモレイラ騎手からのスイッチはポジティブな材料と言い難い。

【今年の該当馬】
・アロンディ*
・(キングスコール*)
・(ジーティーアダマン)

『父サンデーサイレンス系以外』×『単勝8番人気以下』★2.5%★

4つの項目を終え、残っているのは6頭。最後は当日のオッズが絡むデータを使って仕上げる。

組み合わせるのは「血統」。父がサンデーサイレンス系以外の馬は【3-5-4-55】複勝率17.9%。近年はエピファネイア産駒、ドゥラメンテ産駒らの好走もあって、悪くない成績だ。

ところが当日の単勝オッズが8番人気以下だった馬に限ると【0-0-1-39】同2.5%。連対なし、3着が1回あるだけで、複勝回収率もわずか15%に留まっていた。

6頭のうち父が非サンデー系なのは下記の4頭。といってもエネルジコ、ゲルチュタール、ショウヘイの3頭は7番人気以内(=消去回避)が確実だろう。

ラジオNIKKEI賞勝ち馬、レイデオロ産駒のエキサイトバイオは各所想定オッズを見ると2桁人気が濃厚。消去となる可能性が極めて高い。

【今年の該当候補】
・エキサイトバイオ
・エネルジコ
・ゲルチュタール
・ショウヘイ

5つのデータを終えて、確実に残るのはアマキヒとエリキング。あとはエネルジコ、ゲルチュタール、ショウヘイの3頭も生き残りが確定的で、おそらくこの5頭での勝負となる。

おおむね人気どころが順当に残った形だが、唯一穴っぽいのはアマキヒ。青葉賞ではエネルジコと0.2秒差、3着ゲルチュタールから0.1秒差と好走しており、能力的には上位人気馬と差のない圏内にいる。

ちなみに「阿賀野川特別勝ちから参戦した金子真人HD所有馬」は17年ポポカテペトルが13番人気3着、18年ユーキャンスマイルが10番人気3着と穴を開けている。なかなか面白い存在だ。

勝負馬券は残った馬の3連複ボックスとする。5頭なら10点。シュアに仕留めたい。

《ライタープロフィール》
久保田大五郎
競馬歴14年目のアラサーおじさん。データを駆使した予想でロマン馬券を狙う。趣味は料理とプロ野球観戦。大のベイスターズファン。

《関連記事》
【菊花賞】過去10年のレースデータ
【菊花賞】“ダービー着順で明暗”神戸新聞杯組ショウヘイに好機 条件戦組は「2200m」がカギ握る
【菊花賞】ゲルチュタールの初GⅠ制覇に期待 2年連続連対中の大注目ローテに該当