【秋華賞】抜けた実力を持ち脚質もレース適性にマッチ 東大HCは二冠確実とみてカムニャック本命
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最後の一冠に好メンバー揃う
日曜日、京都競馬場でGⅠ・秋華賞が行われる。オークス制し、前走ローズSも快勝したカムニャックや桜花賞馬エンブロイダリー、紫苑Sを7番人気で制したケリフレッドアスク、中京記念で古馬相手に勝利したマピュースなどが揃った。
今年で30周年の節目を迎える秋華賞。二冠牝馬誕生か、それとも新たなヒロインが生まれるのか。過去10年のうち阪神開催の21、22年を除いた8年分のデータから検討する。
差し、追込み勢が好成績を残す
まず前提として秋華賞は後方脚質有利の傾向が見られる。逃げ【0-1-0-7】複勝率12.5%、先行【1-0-2-22】同12.0%、差し【7-4-6-49】同25.8%、追込【0-3-0-37】同7.5%。最も複勝率が高いのは差し馬で、逃げ先行馬は沈むケースが多い。
追込の数字も低く見えるが、これは後方待機のまま終わる人気薄の馬が多いのが原因。5番人気以内だと【0-2-0-1】と結果を残している。やはり後ろ有利のレースと言える。
これを踏まえ、過去レースの成績や脚質を手掛かりに好走傾向を探っていく。

<秋華賞 重賞実績別成績>
オークス出走【7-4-6-57】
勝率9.5%/連対率14.9%/複勝率23.0%
オークスで逃げ先行【0-1-1-17】
勝率0.0%/連対率5.3%/複勝率10.5%
オークスで上がり5位以内【6-4-4-11】
勝率24.0%/連対率40.0%/複勝率56.0%
オークス5着以内【7-3-3-12】
勝率28.0%/連対率40.0%/複勝率52.0%
桜花賞で逃げ先行【0-0-0-12】
勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%
※京都開催の直近8回
オークス出走馬の全体成績は【7-4-6-57】(取消を除く)で、16年以外は2頭以上が馬券圏内に入り、1~3着を独占した年も3回ある。
オークス時の脚質別に見ると、逃げ先行【0-1-1-17】複勝率10.5%に対し、差し追込【7-3-5-40】同27.3%で、オークス時点で後方から競馬をしていた馬が有利となっている。
また上がり3ハロン順位で見ても1位【6-0-1-0】、2~5位が【0-4-3-11】複勝率38.9%と上がり上位馬が結果を出している。今年はオークス上がり最速馬は不在(タガノアビー)も、カムニャックが2位、パラディレーヌが4位だった。
また、オークスの着順も信用でき、勝ち馬が【5-0-0-0】と全勝、2着【0-1-3-1】、3~5着【2-2-0-11】、6着以下【0-1-3-45】。オークス大敗馬の逆転は難しい。
次に桜花賞の出走馬だが、全体成績は【6-3-3-37】複勝率24.5%だった。こちらは後ろ有利の傾向が更に顕著に出ており、桜花賞で逃げ先行だった馬は【0-0-0-12】で全滅。当日5番人気以内も5頭いての成績でかなり強烈だ。
マイルで先行できる馬は2000mでも前の位置取りになり、秋華賞の傾向に反するということか。桜花賞で差し追込なら【6-3-3-25】複勝率32.4%だった。
桜花賞とオークスともに逃げたエリカエクスプレス、桜花賞は差して勝ったが、オークスで4角5番手、その前にマイルのクイーンCで同2番手から勝利したエンブロイダリーには大きな減点材料となる。
前哨戦についてはまずは紫苑S組から。全体成績は【2-4-0-34】複勝率15.0%で、その逃げ先行が【0-1-0-14】、差し追込【2-3-0-19】とこちらも差がついている。
また、1~2着が【2-0-0-12】、3~5着が【0-4-0-9】、6着以下が【0-0-0-13】。掲示板圏内であれば本番で逆転した例も多い。特に今年は勝ち馬ケリフレッドアスクが開幕週の恩恵を受けた逃げ切りで、2着以下との序列はまだついていないと見るべきだ。
ローズS(阪神芝1800m施行の6年)組の全体成績は【1-3-4-29】複勝率21.6%。こちらは逃げ【0-0-0-4】だが、先行【0-0-2-6】同25.0%と差し追込【1-3-2-19】同24.0%とでは差がない。
着順別でも1~2着が【1-1-1-7】複勝率30.0%、3~5着が【0-2-2-8】同33.3%と同じような成績。前哨戦は着順に囚われず、個々に判断する必要がありそうだ。
二冠に向けて死角なし
◎カムニャック
フローラS、オークス、ローズSと現在3連勝中。前走は4角でトラブルがある中でも勝利、初めて右回りで結果を残した。
オークスは差し有利の展開に恵まれた面はあるが、それでも3着と0秒2差、5着以下とは0秒5差の着差をつけて勝っている。今年はオークス2、3、5着馬が出走せず、例年よりもメンバーが落ち着いている印象。実力は3枚ほど抜けている。
◯パラディレーヌ
オークスは4着。今回のメンバーの中ではカムニャックに次ぐ着順だった。直線は馬群を縫う形で、着順以上の価値があったと見る。2月のつばき賞では、現在3勝クラスのローランドバローズ(若葉S2着馬)以下を0秒5差離して快勝している。
前走のローズSは散々で、スタートは出遅れ、最後の直線では詰まるなど力を発揮できなかった。フラワーCを上がり最速で差し届かなかったなど距離はあった方がよく、200mの距離延長もプラス。前走度外視で狙いたい。
▲セナスタイル
母はオークス馬で秋華賞2着のヌーヴォレコルト。デビューは3歳1月、2戦目は8月の1勝クラスと大事に使われ2連勝した。
そして前走ローズSは10番人気3着に好走。直線では馬群の中で内外に斜行しながらの上がり1位は価値がある。こちらも距離延長はプラスに働きそう。メンバーレベルは上がるが、無欲の追込みで連続好走してもおかしくない。
以下ジョスラン、ダノンフェアレディ、ブラウンラチェットまで印を回す。エンブロイダリー、エリカエクスプレスは先行脚質がやはりネックだ。
どちらかは来ても許容できる馬券を買うことで対応する。馬券は◎-◯のワイド、◎◯2頭軸の3連複で勝負する。
▽秋華賞予想▽
◎カムニャック
◯パラディレーヌ
▲セナスタイル
△ジョスラン
×ダノンフェアレディ
×ブラウンラチェット
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ京都大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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