【秋華賞】メンバー唯一の“割引ゼロ”ジョスランに託す 最多の好データ該当カムニャックも高評価
門田光生

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前走人気や着順が悪い馬は厳しい
2025年10月19日に京都競馬場で行われる第30回秋華賞。2000年代に入ってからスティルインラブ、アパパネ、ジェントルドンナ、アーモンドアイ、デアリングタクト、リバティアイランドと三冠牝馬が6頭出ていることもあって、設立初期ほど大荒れするイメージはない。
今年も実績馬が順当に勝つのか、それとも1999年ブゼンキャンドルや2008年ブラックエンブレムのような仰天配当が出るのか。ここからは過去10年の成績を基にして検証していく。
☆所属
美浦所属馬が3勝(7連対)、栗東所属馬が7勝(13連対)。勝率、連対率、複勝率においても栗東所属がリードしている。

☆キャリア
連対20頭中9頭を出すキャリア6戦組をプラスデータとする。一方、7、8戦組からは勝ち馬が出ていない。

☆前走クラス
勝ち馬はすべて重賞組から。なかでも、6勝を挙げているGⅠ組が圧倒的に強い。非重賞組で連対したのは2018年2着馬のミッキーチャーム(2勝クラス)だけ。

☆主な前走
GⅠ組で馬券に絡んだ10頭はすべてオークス組。前哨戦の紫苑Sについても2016年に重賞へ昇格してから8頭が連対と大躍進。一方、紫苑Sの割を食っているのが同じく前哨戦のローズS組で、2016年以降、連対したのは2017年2着のリスグラシューと、2023年2着のマスクトディーヴァだけ。
前哨戦2レースについては、傾向が変化した直近9年のデータを重視する。ここではローズSは「勝ち馬なし」のカテゴリとして扱う。

☆前走着順
最多となる勝ち馬6頭を出し、好走率も高い前走1着と、連対率が20%超えと優秀な前走3着をプラスデータにする。前走4、5着からは勝ち馬なし、6着以下だと連対馬すらいなくなる。

☆前走人気
好走馬の頭数、好走率ともに前走1番人気が断然。次いで前走2番人気も悪くない。前走4番人気以下は勝ち馬が出ておらず、10番人気以下は連対馬もいない。

☆その他
「前走逃げ」や「前走0.5秒以上負け」に該当する馬からは勝ち馬が出ていない。「前走中京」「前走1700m以下」「中2週以内」のいずれかに当てはまる馬からは連対馬が出ていない。

抽選対象馬たちも侮れない
秋華賞のデータをまとめてみよう。今回の登録馬に該当するデータは以下のようになった。
【好走率アップ】
A「栗東所属」
B「キャリア6戦」
C「前走オークス」
D「前走1着、3着」
E「前走1番人気、2番人気」
【勝ち馬なし】
F「キャリア7戦、8戦」
G「前走2勝クラス、ローズS」
H「前走4着」
I「前走4~9番人気」
J「前走逃げ」
K「前走0.5秒以上負け」
【連対馬なし】
L「前走6着以下」
M「前走10番人気以下」
N「前走中京」
O「前走1700m以下」
P「中2週以内」
最初に今回のプラスデータを勝率順に並べてみる。結果は以下の通り。

登録馬22頭のうちマイナスデータを持たない馬はジョスラン(E)だけになってしまった。プラスデータについては、勝率が上から3番目のE「前走2番人気」に該当していることから、合格として一番手評価とする。
続いて、相手探し。ここからは勝ち馬が出ていない「F~K」の該当馬も対象とする。プラスデータを連対率順に並べると、以下のようになる。

まず、連対率が最も高いC「前走オークス」についてだが、該当するエンブロイダリー、ブラウンラチェットの2頭とも連対馬が出ていないL「前走6着以下」に引っかかるので、出番なし。
今回、最多のプラスデータを持つのはインヴォーグ、カムニャック、そしてグローリーリンクの3頭。いずれも「ABDE」の4データに該当する。2番目に連対率が高いE「前走1番人気」にはカムニャックとグローリーリンクの2頭が該当しており、こちらを上にとってインヴォーグは4番手とする。
残る2頭はプラスデータが全く同じなので、前走レースで比較する。ローズS組(カムニャック)、2勝クラス組(グローリーリンク)は前記のようにいずれも不振だが、連対馬の数ではローズS組の方が上。さらに、2勝クラス組で最後に連対馬が出たのは旧1000万クラス時代と古い。よって、ローズS組を上に取り、カムニャックが2番手、グローリーリンクが3番手とする。
プラスデータ3つを持つ候補馬はいないので、思い切って4頭勝負でもよかったが、インヴォーグ、グローリーリンクは登録時点で4分の1の抽選対象。よって、5番手以下も探していく。
プラスデータ2つを持つ候補馬の中で連対率上位のE「前走1番人気」に該当するのはカネフィラーナとジョイフルニュースの2頭。もう1つのプラスデータも同じものなので、キャリア別の連対率で比較した結果、キャリア4戦(22.2%)のジョイフルニュースが5番手、キャリア5戦(15.4%)のカネラフィーナを6番手とする。
ただ、上記2頭も抽選対象のため、最後に連対率が上から3番目のD「前走3着馬」を持つダノンフェアレディを押さえておく。
◎ジョスラン
◯カムニャック
▲グローリーリンク※
△インヴォーグ※
×カネラフィーナ※
×ジョイフルニュース※
×ダノンフェアレディ
「※」は抽選対象馬(4分の1抽選)
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
第1回秋華賞が行われた年にこの業界に入ったので、秋華賞の回数=自分のキャリアだったりします。そういう意味で思い入れのあるレースのはずですが、歴代優勝馬の名前を見ても、馬券を取った記憶がほぼありません。区切りの第30回、そろそろビシッと当てたいですね。
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