【秋華賞】オークス組が圧倒的も今年は2頭だけ…前哨戦組は「結果」と「人気」に注目 ローテーションに見られる特徴は

SPAIA編集部

秋華賞 過去10年の優勝馬ローテーション,ⒸSPAIA

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近年はオークスからの直行組が圧倒的

19日に京都競馬場で開催される秋華賞(GⅠ・芝2000m)。今年は牝馬三冠がかかる馬は不在も、桜花賞馬エンブロイダリーやオークス馬カムニャックを中心に、世代屈指の牝馬たちが秋の淀に集った。

ここでは過去10年の秋華賞出走馬のローテーションに着目。好走馬の特徴を探っていく。


秋華賞 過去10年の優勝馬ローテーション,ⒸSPAIA


過去10年で最も勝ち馬を輩出している前走レースはオークス(GⅠ)で、その成績は【6-1-3-16】勝率23.1%、複勝率38.5%と圧倒的。特に3着以内からの臨戦が【6-1-3-3】で、勝ち馬はすべてオークス好走馬から出ている。

ただし、今年はオークス馬カムニャックも前哨戦のローズステークス(GⅡ)を挟んでいるように、「前走オークス組」は2頭しかいない。7着ブラウンラチェットと9着エンブロイダリーに自然と注目が集まるが、「前走オークスで5着以下」は【0-0-0-13】とデータ上は壊滅的だ。

一方、「前走オークスで1番人気」は【3-0-1-0】勝率75.0%、複勝率100%の好成績であり、この点ではエンブロイダリーにとって追い風と言える。ちなみに、「前走オークスで5番人気以下」は【0-0-0-10】。6番人気7着だったブラウンラチェットにとっては厳しいデータが並んでいる。


前哨戦組の取捨は?

過去10年でオークスに次ぐ3頭の勝ち馬を輩出しているのが紫苑ステークス。こちらは10年の間にOP→GⅢ→GⅡと昇格しているが、OP時代【0-0-0-5】からGⅢ時代【3-4-0-26】と来てGⅡ昇格後は【0-1-0-9】となっている。

格付を問わず「前走紫苑S組」は3着以内【3-3-0-19】に対し、4着以下は【0-2-0-21】で勝ち馬はすべて好走馬から。前者を「前走3番人気以内」で絞り込むと【3-3-0-5】勝率27.3%、複勝率54.5%という好データになる。今年は7番人気1着ケリフレッドアスクや4番人気3着ダノンフェアレディより、2番人気2着ジョスランを上に取りたい。

そしてもう一つの前哨戦・ローズSは【1-3-5-47】勝率1.8%、複勝率16.1%と紫苑Sとの比較ではかなり劣勢。ただしこの中には阪神開催時と中京開催時のデータが混じっており、阪神開催のローズスSに限れば【1-3-4-29】で勝率こそ2.7%だが、複勝率は21.6%に上がる。

阪神開催時に絞って前走着順で見ると、3着以内の好走馬は【1-2-2-10】勝率6.7%、複勝率33.3%で、さらに3番人気以内だった馬は【1-1-0-3】勝率20.0%、複勝率40.0%と、こちらも“人気に応えて好走”が本番での好走条件。1番人気1着のカムニャックは今年の出走馬で唯一の「オークス好走組」でもあり、ここは不動の中心と言える。

最後に、前走条件戦からの昇級組は【0-1-2-27】でかなり厳しい。今年も2勝クラスを快勝してきた新星候補がいるが、前走2勝クラス組は「0秒6差以上の勝ち」なら【0-1-1-1】複勝率66.7%で通用する馬もいた一方、「着差0秒5差以内の勝ち」では【0-0-0-13】で全滅。今年も実績馬の壁が厚いか。

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