【京都大賞典】GⅠ組が複勝率41.9%で優勢 前走宝塚記念組のドゥレッツァに期待

貴シンジ

京都大賞典 前走クラス別複勝率,ⒸSPAIA

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3つのファクターから推奨馬を見つけ出す

今回は10月5日(日)京都競馬場で行われる京都大賞典について下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。

・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走内容」
・適性と素質を知るための「血統評価」

特別登録のあった19頭を検討対象とし、過去10年のデータを使用する。

重要データ:前走GⅠ組が好成績

前走クラス別成績,ⒸSPAIA


京都大賞典はレース全体の単勝回収率137%、複勝回収率86%と重賞の中では比較的荒れやすいレースと言える。そんなレースで重要視するデータが前走クラス別成績だ。

3勝クラスからGⅠまで様々なクラスから参戦があるのが京都大賞典の特徴だが、傾向は顕著に出ている。

今年は前走3勝クラスの特別登録がないので割愛して、OP・Lクラスの成績は【1-0-0-16】で単勝回収率533%、複勝回収率104%。19年にドレッドノータスが11番人気で勝利しているため回収率はかなり高いが、基本的には厳しい。

続いてGⅢは【2-1-1-26】で単勝回収率54%、複勝回収率30%。人気馬なら馬券に加えるか検討しても良さそうだが、基本的には厳しい数字だ。

GⅡは【1-1-2-28】で単勝回収率70%、複勝回収率107%。こちらはGⅢよりも複勝率が悪いが回収率は高い。穴っぽい馬を検討してもよいだろう。上位人気が予想されるアドマイヤテラは休み明けかつ人気馬ということもあり少々割引したい。

最後にGⅠが【5-7-6-25】で単勝回収率105%、複勝回収率100%で回収率は良好。好走率も連対率27.9%、複勝率41.9%で高い。GⅠ組は高確率で馬券に絡むため積極的に狙いたい。

前走内容;宝塚記念

4着ショウナンラプンタ、9着ドゥレッツァ、10着ボルドグフーシュ、13着プラダリアの4頭が出走を予定している宝塚記念組。今回はその中でも注目のショウナンラプンタとドゥレッツァのレースぶりを振り返る。

今年の宝塚記念は前半5Fが59.1秒で淀みない流れで進んだが、逃げたメイショウタバルが勝利しており、前後のポジションによる有利不利は大きくなかった。ただ内外による差は大きく、外を回した馬にとっては厳しい展開だったと言えるだろう。4着のショウナンラプンタは終始外を回っており距離ロスも大きく、4着とはいえ強い競馬をしていた。

ドゥレッツァは内を走っておりロスはなかったが終始走りが窮屈だった。内回りコースが合っていなかったという印象。海外帰りだったことも考えると、評価を下げることはできない。着順こそショウナンラプンタに負けているが、これまでの走りを考えれば十分に逆転可能だ。

血統解説:ドゥレッツァ

ドゥレッツァの血統表,ⒸSPAIA


・ドゥレッツァ
日本での牝祖は母モアザンセイクリッド。4代母Fruitionを根幹として広がりを見せている牝系だ。Fruitionは繁殖牝馬としてはBCターフなどGⅠを2勝のNorthern Spurを輩出している。

孫世代以降では英1000ギニーとフィリーズマイル(GⅠ・芝8F)で2着のSundropや愛ダービー2着のGlyndebourneなどが出ていて活力はかなり高い。日本ではマーメイドS勝ち馬サマーセントの3代母でもある。芝適性が高くパワーがありタフな馬が多いのがこのファミリーの特徴だ。

母のモアザンセイクリッドは現役時にニュージーランドオークス(GⅠ・芝12F)を勝利した実績馬。このファミリーの中では比較的スピード性能が高い馬で、日本の競馬にもマッチすることができたと言える。

本馬は父にドゥラメンテを迎えた。スタミナはドゥラメンテから受け継いでおり、スピードとタフさ、そしてパワーは母から受け継いでいる。

ただスピード性能が高いとは言ってもそれはこのファミリーの中での話。時計が掛かってトップスピードの高さを求められない展開がベストだ。

阪神内回りから京都外回りに替わることは大歓迎で、天皇賞(春)の内容からも今回のレース内容を予想することができる。勝ち切れないところはあるが、今回のメンバーで京都競馬場なら勝ち馬の最有力候補だ。

Cアナライズはドゥレッツァを推奨

今回はドゥレッツァを推奨する。アドマイヤテラが上位人気になりそうだが、データやこれまでの走りを見るとまだドゥレッツァやショウナンラプンタなどの宝塚記念組に勝てるだけのパフォーマンスを見せたとは思えない。

ドゥレッツァは前走の走りで人気を落とすかもしれないが、敗因は明確でスムーズな競馬をできれば実力は十分勝ち負けレベル。そのドゥレッツァに前走で先着したショウナンラプンタも注目で、今年は宝塚記念組のこの2頭に期待したい。

【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。

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