【神戸新聞杯】前走・日本ダービー組が過去10年で9勝 データではショウヘイとジョバンニの一騎打ち

門田光生

神戸新聞杯の前走レース別成績(過去10年),ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

とにかく強い「ダービー組」

2025年9月21日に阪神競馬場で行われる第73回神戸新聞杯。2000年以降、トライアルを経由していない菊花賞馬は4例しかない。GⅠへのぶっつけ本番が主流となっている現代競馬でも、菊花賞に関してはトライアル戦がとても重要となっているようである。

そのなかでも最重要トライアルレースと言える神戸新聞杯にはどのような傾向があるのか。今回も過去10年の成績を基にして検証していきたい。

なお、2020~2022年と2024年は中京開催だったが、開催時期はほぼ同じ。いつも通り直近10年の成績を基にして検証を進めていく。

☆所属
美浦所属馬の連対は2017年1着レイデオロだけ。それでも勝率は変わらないが、連対率と複勝率では栗東所属馬が上だ。

神戸新聞杯出走馬の所属,ⒸSPAIA


☆キャリア
勝ち馬が出ているのはキャリア5~8戦のゾーン。勝ち馬の半分がキャリア5戦で、これがプラスデータとなる。

なお、キャリア2~4戦は連対馬なし、キャリア9戦以上からも勝ち馬が出ていない。

神戸新聞杯出走馬のキャリア,ⒸSPAIA


☆前走クラス
2015年リアファル(前走3勝クラス)以外、すべて日本ダービー組が勝っている。

2着馬も6頭がダービー組で、残る4頭は2勝クラス組。つまり、前走クラスにおける連対パターンは「日本ダービー」、「2勝クラス」、「3勝クラス」の3パターンしかないということになる。

神戸新聞杯出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA


☆主な前走
上記の通り、ダービー組が圧倒的に強い。

神戸新聞杯出走馬の主な前走,ⒸSPAIA


☆前走着順
7頭の連対馬を出している前走1着馬と、連対率が30%ある前走4着馬がプラスデータ。前走5着馬は1頭も馬券に絡んでいない。

神戸新聞杯出走馬の前走着順,ⒸSPAIA


☆前走人気
これといって強いデータはない。マイナスデータは前走3番人気馬で、勝ち馬が出ていない。また、前走4番人気馬からは好走馬が出ていない。

神戸新聞杯出走馬の前走着順,ⒸSPAIA


☆その他
連対馬の大半がダービー組なので、前走2400m組が強いのは当たり前。前走1800m組からは連対馬が出ていない。

その他では、前走が小倉だった15頭はすべて馬券圏外に敗れている。

その他のデータ,ⒸSPAIA


ショウヘイが本命、エリキングは無印

神戸新聞杯のデータをまとめてみよう。今回の登録馬に該当するデータは以下の通り。

【好走率アップ】
A「キャリア5戦」
B「前走・日本ダービー」
C「前走1着」

【勝率ダウン】
D「美浦所属」

【勝ち馬なし】
E「キャリア9戦以上」
F「前走3番人気」

【連対馬なし】
G「キャリア4戦」
H「前走1勝クラス or オープン」
I「前走1800m」

【馬券内なし】
J「前走5着」
K「キャリア2戦」
L「前走未勝利 or GⅡ」
M「前走小倉」

最初に、プラスデータを勝率順に並べてみる。結果は以下の通り。

プラスデータ勝率順,ⒸSPAIA


今回は日本ダービー組が圧倒的に強いこともあって、プラスデータは3つだけ。しかし、そのダービー組は3頭しか出走しない。

それより問題なのは、連対馬が出ていない「G~L」に該当する馬が、登録馬12頭中なんと10頭もいる。つまり、データ的に連対する可能性がある馬が2頭しかいないことになる。

その2頭とは、ショウヘイ(AB)とジョバンニ(B)のダービー組。2頭の比較では、キャリア5戦のプラスデータも持っているショウヘイが本命。相手はジョバンニでいいだろう。

なお、もう1頭のダービー組であるエリキングは、1頭も馬券に絡んでいないJ「前走5着馬」なので印は打てない。

続いて、プラスデータを連対率順に並べると、以下のようになる。

プラスデータ連対率順,ⒸSPAIA


勝率順と同じ順番。そもそも、残った10頭の連対する確率が0%なので、データ上では一騎打ちとなっている。

こうなると、3番手以下は必然的に3着候補となってしまう。連対馬はでていないが、3着ならあるデータを整理するとG「キャリア4戦」H「前走1勝クラスかオープン」I「前走1800m」が浮上する。

一度消えた10頭の中で、これらのデータを持つ代わりに、馬券に絡んでいない「J~L」にも該当しないのはアルマデオロ、パッションリッチ、ボンドロアの3頭。いずれもプラスデータのC「前走1着」を持っている。

あとは順番をどうするかだが、まずは前走の条件に注目してみる。2021年3着モンテディオは8月末のルスツ特別(1勝クラス/札幌芝2600m)を勝っての参戦。今年の札幌では8月末に北辰特別という名の芝2600m・1勝クラス戦が行われ、これを勝ったのがボンドロアだった。近年の好パターンと似ているこの馬を3番手とする。

残った2頭の比較では、前走新潟よりも札幌、2200mより2600m組の方が馬券に絡む率が高いので、4番手をアルマデオロ、5番手をパッションリッチとする。

◎ショウヘイ
○ジョバンニ
▲ボンドロア
△アルマデオロ
×パッションリッチ

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
今のガチャガチャは高めの年齢層を狙ったものが多くありますね。以前愛用していた某メーカーのミニチュアコンポがどうしてもほしくて、思わず5回ほど回してしまいました。しかし、1回700円は高い。月々の馬券代と比べると、微々たるものなんですけどね……。

《関連記事》
【神戸新聞杯】過去10年のレースデータ
【神戸新聞杯】前走ダービー組はショウヘイに好データ 夏の上がり馬は前走距離に好走ポイントあり
トライアルに強い騎手を特集 頭で狙いたい岩田望来騎手、「中山マイスター」津村明秀騎手に注目