【セントライト記念】3つの好データで浮上 伏兵エーオーキングを“連軸”で信頼

門田光生

セントライト記念のキャリア別成績(過去10年),ⒸSPAIA

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キャリア5戦組が過去10年で5勝

15日に中山競馬場で第79回セントライト記念が行われる。東の菊花賞トライアルで、昨年の優勝馬アーバンシックは勝った勢いそのままに本番も勝利。10年前には、歴史的名馬のキタサンブラックも同様に連勝を飾っている。

そんなセントライト記念にはどのような傾向があるのか。過去10年の傾向を基にして検証していく。

☆所属
美浦所属が6勝(14連対)、栗東所属が4勝(6連対)。地元の美浦組が意地を見せているが、勝率、連対率、複勝率で大きな差はない。

セントライト記念出走馬の所属,ⒸSPAIA


☆性別
過去10年で牝馬の参戦はない。

☆キャリア
勝ち馬はキャリア4~9戦の中から出ている。既に10走以上して馬券に絡んだ馬は出ていない。ここでは、5勝を挙げているキャリア5戦組をプラスデータとして扱う。

セントライト記念出走馬のキャリア,ⒸSPAIA


☆前走クラス
勝ち馬5頭を出すGⅠ組、3頭を出すGⅢ組が中心。条件戦からの臨戦では、1勝クラスと2勝クラスから勝ち馬が出ている。3勝クラスは該当馬が1頭しかおらず、連対馬はなし。OP・LやGⅡ組からも連対馬が出ていない。

セントライト記念出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA


☆主な前走
連対馬20頭中16頭が、前走で日本ダービー(12連対)かラジオNIKKEI賞(4連対)を走っていた。

セントライト記念出走馬の主な前走,ⒸSPAIA


☆前走着順
勝率がいいのは前走3着、もしくは前走10着以下。前走10着以下で連対した8頭は、すべて日本ダービーかラジオNIKKEI賞組だった。

一方、前走2着や4~9着からは勝ち馬が出ていない。なお、前走4着馬はサンプルが少ないため、次章で挙げるマイナスデータには含めない。

出走馬の前走着順,ⒸSPAIA


☆前走人気
前走1番人気、もしくは6~9番人気のゾーンが高い好走率をマーク。プラスデータとする。一方、連対馬が出ていないのは前走2、3番人気。ほか、前走10番人気以下からは勝ち馬が出ていない。

出走馬の前走着順,ⒸSPAIA


☆前走着差
前走1着馬でセントライト記念も勝利した馬2頭は、いずれも前走0.8秒以上差で勝っていた。

セントライト記念出走馬の前走着差(1着馬),ⒸSPAIA


ラジオNIKKEI賞組が浮上

セントライト記念のデータをまとめていく。今回の登録馬に該当するデータは以下の通り。

【好走率アップ】
A「キャリア5戦」
B「前走日本ダービーorラジオNIKKEI賞」
C「前走3着、もしくは前走日本ダービーorラジオNIKKEI賞で10着以下」
D「前走1番人気、もしくは6~9番人気」

【勝ち馬なし】
E「前走2着or6~9着」
F「前走10番人気以下」
G「前走0.7秒以内差勝ち」

【連対馬なし】
I「前走2番人気」

まずは、プラスデータを勝率順に並べる。結果は以下となった。

プラスデータ勝率順,ⒸSPAIA


今回は4カテゴリからプラスデータを選択。このうち、3データに該当するのはエーオーキング(ABC)。勝率は上から1、3、4番目と優秀なのだが、勝ち馬が出ていないF「前走10番人気以下」に引っかかっている。

これではアタマで狙えないので、エーオーキングは2番手評価とする。馬連や3連複などの軸なら、この馬をオススメしたい。

次にプラスデータ2つに該当し、割引材料にも引っかからないのが、ビーオンザカバー(BD)とフィーリウス(CD)。2頭の比較では、前者の持つB「前走ラジオNIKKEI賞」よりも、後者のC「前走3着」の方が、勝率は高い。よって、押し出される形にはなるが、フィーリウスを本命とし、3番手がビーオンザカバーとする。

続いて、プラスデータを連対率順に並べると、以下のようになる。

プラスデータ連対率順,ⒸSPAIA


ここからは、勝ち馬が出ていない「E~G」を含む馬も対象として4番手以下を探す。名前の挙がっていない馬で、プラスデータ2つに該当するのはサクラファレル(AD)とピックデムッシュ(AD)。プラスデータは同じのため、それぞれの持つマイナスデータで比較する。

サクラファレルのG「前走0.7秒以内差勝ち」は【0-3-2-35】連対率7.5%、複勝率12.5%。対して、ピックデムッシュのE「前走2着」は【0-1-1-20】連対率4.5%、複勝率9.1%と分が悪い。というわけで、4番手がサクラファレル、5番手がピックデムッシュとなる。

◎フィーリウス
◯エーオーキング
▲ビーオンザカバー
△サクラファレル
×ピックデムッシュ

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
先週の日曜日に高知競馬場のイベントに出演させていただきました。高知競馬場を訪れたのは6年ぶり。今回はいろんなエリアを回らせていただいて、とても勉強になりました。重賞は遠征していた兵庫勢がワンツーを決めて、いい1日になりました。馬券はトリガミでしたが(笑)。

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