【セントウルS】GⅠ馬ママコチャは「11頭全て5着以下」データで消し ハイブリッド式消去法

久保田大五郎

過去10年のセントウルS『社台ノーザンF系生産馬』×『6歳以上』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

今週から秋競馬が開幕。関東は中山、関西は阪神にそれぞれ開催が戻ってくる。土日で札幌2歳Sを含めていきなり4重賞と目白押しだが、そのなかから日曜阪神メイン・セントウルSを予想する。

いつも通り過去10年のデータ(※中京代替含む)を用いて、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。当てはまった馬を消していく。

登録17頭のうち、現時点で除外対象のエコロジークを除いた16頭を対象とする。

『前走6着以下』×『前走4角6番手以下』★2.0%★

最初はシンプルに前走の結果がよくなかった馬を削っていく。セントウルSにおいて「前走6着以下」の成績は【5-4-3-74】複勝率14.0%と、そこまで悪い数字ではない。

ただし、内訳を見ると好走馬は前走時点で「負けはしたが先行できていた」というケースが多かった。

「前走6着以下」かつ「前走4角6番手以下」は【0-1-0-50】で、複勝率はわずか2.0%しかない。開幕週の短距離戦だけあって前に行ける馬は前走結果は不問で要警戒だが、それ以外の前走大敗組は軽視でいい。

まずは下記の4頭が消去となる。阪急杯勝ち馬カンチェンジュンガは後方から直線勝負に徹するスタイルを確立している。前が残りやすい阪神芝1200mの開幕週という条件はベストとほど遠い。

【今年の該当馬】
・カンチェンジュンガ
・グランテスト
・ショウナンザナドゥ
・レッドアヴァンティ

『美浦所属馬』×『同年の重賞未勝利』★0.0%★

続いては東西の所属別成績に注目。本レースでは美浦所属馬に不振の傾向が見られ、その成績は【2-1-0-24】複勝率11.1%。栗東所属馬が同21.8%のため、率としては半分程度しかない。

馬券に絡んだ3頭の美浦所属馬はいずれも「同年の重賞勝ち馬」という共通点があった。17年2着ラインミーティアはアイビスSDを、19年1着タワーオブロンドンは京王杯SC、昨年1着トウシンマカオはオーシャンSを制していた。言い方を変えると「同年に重賞を勝っていない美浦所属馬」は【0-0-0-22】と全滅だ。

既に消去済みのレッドアヴァンティに加え、ウイングレイテストが脱落する。1番人気が想定されるトウシンマカオも美浦所属馬だが、今年も春に京王杯SCを制覇しており、消去行きを免れている。

【今年の該当馬】
・ウイングレイテスト
・(レッドアヴァンティ)

『前走が重賞以外』×『中13週以下』★0.0%★

続いては前走の「格」に注目する。セントウルSで主力を形成するのは春のGⅠ~GⅡを戦い、休養明けでここから始動する勢力と、サマースプリントシリーズを戦ってきた馬たちだ。

どちらにも当てはまらない「前走リステッド以下」、つまり重賞以外に出走していた馬は【0-0-2-28】複勝率6.7%。この時点で消しでもいいが、特に「中13週以下」で出走した馬に限ると【0-0-0-22】とキレイに好走例がなくなった。

夏場の条件戦やOP・リステッドを戦ってきたのはティニア、デュガ、ワンダーキサラの3頭。デュガはリステッドまでならしばしば馬券に絡んでくるが、重賞では通算【0-0-0-8】。能力的にやや荷が重い。

【今年の該当馬】
・ティニア
・デユガ
・ワンダーキサラ

『社台・ノーザンF系生産馬』×『6歳以上』★0.0%★

4つ目のデータは「生産者」。キーンランドCの際にも触れた話だが、日本競馬界を牽引する「社台・ノーザン系」(※社台F、ノーザンF、追分F、社台コーポレーション白老F)は芝の中長距離に無類の強さを誇る一方、この「短距離」という分野ではやや存在感が低下する。

セントウルSの場合「社台・ノーザンF系」の生産馬は【2-4-1-27】複勝率20.6%と好走率そのものは標準的。ただし単勝回収率10%、複勝回収率39%がどちらも低調で、馬券的妙味に乏しい。

中でも6歳以上の馬は【0-0-0-11】。昨年トゥラヴェスーラの5着が最高で、それ以外は掲示板にすら載れていなかった。

該当馬はジャスティンスカイとママコチャの2頭。メンバー唯一のGⅠ馬にして近走も健在のママコチャは当然怖いが、牝馬が6歳秋まで全盛期をキープするのが困難なのもまた事実だ。

【今年の該当馬】
・ジャスティンスカイ
・ママコチャ

『前走0秒3差以内負け』×『今回5番人気以下』★0.0%★

4つの項目を終え、残るは6頭となった。最後は当日の人気を絡めた条件で消去を図る。 用いるのは前走着差。前走が「勝ち馬から0秒3差以内」の僅差負けだった馬は、このセントウルSで4番人気以内なら【2-3-1-7】複勝率46.2%とまずまず信頼を置けるが、同5番人気以下だと【0-0-0-19】に終わっている。

前走がそこそこいい結果だったにもかかわらず支持されていない勢力には、相応の理由があるということだ。このあたり、競馬ファンのジャッジは正確だ。このデータを最後の仕上げとする。

残る6頭のうち、前走0秒3差以内の惜敗だったのは下記の5頭。5番人気以下=消去、つまり4番人気以内なら残るわけだが、どうだろうか。

アブキールベイとヨシノイースターがギリギリ、ほか3頭はちょっと厳しそうだ。いずれにせよ1、2番人気をトウシンマカオとママコチャの2頭が占めるのはほぼ確実、残るは最大2席だ。

【今年の該当候補】
・アブキールベイ
・カルチャーデイ
・テイエムスパーダ
・モズメイメイ
・ヨシノイースター

5つの消去データを終えて、確実に残るのはトウシンマカオただ1頭。最後の項目で挙げた5頭のうち、1~2頭は残ってきそうだ。

馬券は文句なしにトウシンマカオ信頼でいいだろう。昨年は中京開催の本レースを制しているが、本来は右回りがベターな馬である。

阪神コースに替わるのは歓迎で、変則連覇の可能性は高い。馬券は単勝をメインとしつつ、残った馬がいればそこへ馬連も流す。

《ライタープロフィール》
久保田大五郎
競馬歴14年目のアラサーおじさん。データを駆使した予想でロマン馬券を狙う。趣味は料理とプロ野球観戦。横浜DeNAベイスターズの大ファンで、好きな選手は宮﨑敏郎。

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