【中京2歳S】オッズ妙味と前走脚質を重視　京大競馬研の本命は大穴フレンドモナコ

2025/08/31 06:00

京都大学競馬研究会

ⒸSPAIA

この記事のレース

中京２歳ステークス

GⅢ

8月31日(日)　中京11R

予想の方針は2歳1勝クラスと同じ

8月31日（日）に中京競馬場で中京2歳S（GⅢ）が行われる。小倉の未勝利戦を好タイムで圧勝したスターアニスを中心に、同レース2着のタマモイカロス、中京芝1400mの新馬を勝ったマイケルバローズ、同2着のアイルトンなど13頭が揃った。「小倉2歳S」が開催場所と距離、名前を変えて新しくなったレースだ。

今後は中京で開催されることから、同コースの3歳重賞ファルコンS、そしてその先の高松宮記念を意識して出走する馬が増えてくるのだろう。今年の出走馬はここからどんな活躍を見せてくれるだろうか。出世する馬を見極める指標として、今回は「新馬戦の教育内容」について調べる。

8月最終週の2歳短距離重賞という性質は変わらないため、小倉2歳Sの一部データを使用しても問題ないと判断し、過去10年の小倉2歳Sにおける前走脚質別成績を調べた。

小倉2歳Sの前走脚質別成績,ⒸSPAIA

前走で逃げた馬は【2-4-5-40】複勝率21.6%。特に単勝回収率が16%と酷い数値になっている。スピードを見込んでここに出走するものの、前走とは違う位置取りを強いられる馬がほとんどであるため、力を発揮できない例が多い。

今年はここに該当する馬が少なめでエンヴィーミー、ジュジュドール、ナムラドロンの3頭、うちジュジュドールとナムラドロンは前走の勝ちタイムが非常に遅く、しかもその1戦しかレース経験がない。展開の全く違う重賞では荷が重いと考える。

好走馬のほとんどが該当する前走先行馬は【8-4-5-42】複勝率28.6%、複勝回収率92%。本来の実力がまだ発揮されておらず、この時点で人気薄だった馬も激走することが多い。

しかし昨年はここに該当する馬が勝ち馬のエイシンワンド以外軒並み崩れた。いいと思った馬があっさり能力負けするのも2歳戦の特徴で、非常に難しいレースだ。

馬券は、先行して苦しい経験を積んだ馬を手広く買うか、分からないと割り切ってパスするかの二択を推奨する。

馬柱が汚れて馬体も小さいが

◎フレンドモナコ
中京芝1200mの未勝利戦を快勝してここに臨む。展開に恵まれた勝利ではなく、勝ちタイムも悪くないことから一定の評価は必要だ。新馬戦はモタれて追いづらく、2戦目は新潟の直線に適性がなかったようで、そこから変わり身を見せた点を評価したい。中京経験があることも、秋山騎手の継続騎乗もプラスだろう。

馬柱の汚さと馬体の小ささが響いて、想定では断然のシンガリ人気になっている。今後の出世という点では馬体が大きくならないと難しいかもしれないが、2歳の今なら大物食いができると考えて本命を打つ。

◯スターアニス
前走小倉の未勝利戦を圧勝。1200mの持ちタイムがメンバー中では抜けて速く、前半3ハロン33.0秒の速い流れを先行して勝った内容は前週の北九州記念でも通用するもの。単勝1倍台になってもおかしくない存在だ。

しかし当馬には懸念点が2つある。ゲートの出が悪いことと、前走でかなり馬体を絞っており（-12kg）、これ以上減ってしまうと体調の心配をしないといけないことだ。ゲートで出遅れて、これまでのように道中ポジションの巻き返しが効かず取りこぼす、というケースは考えておきたい。

▲マイケルバローズ
今回と同じ中京芝1400m戦で追い比べを制した。時計面に特筆する点はないが、後ろからアイルトンの厳しいマークを受けながらも振り切った根性を評価したい。中京経験があることもプラスだ。

今回は前走以上の速い流れに対応できるかがカギとなるが、祖母アルーリングボイス、曾祖母アルーリングアクトが小倉2歳Sの勝ち馬で、より短い1200mに強い血統であることから、ペースが速くなることは問題ないだろう。

△キャンディード
前走で小倉の新馬戦を快勝した。上がりも悪くなく、これまでの小倉2歳Sであれば当馬から買っていたかもしれない。中京替わりはマイナス。

馬券はフレンドモナコの単複とフレンドモナコ、スターアニスからの馬連流し5点で勝負する。フレンドモナコが絡めば配当が非常によくなるため、見込み違いではないことを祈りたい。（文：福山）

▽中京2歳S予想▽
◎フレンドモナコ
◯スターアニス
▲マイケルバローズ
△キャンディード

《ライタープロフィール》
京都大学競馬研究会
30年以上の歴史がある、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。