エピファネイアが単独トップ9勝、キズナに「単回600%超」買い条件あり 現2歳世代を種牡馬データで検証

東大ホースメンクラブ

2025年2歳世代 芝ダートの勝利数トップ種牡馬,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

3週連続で2歳重賞開催

今週末は新潟芝1600mを舞台に新潟2歳ステークス(GⅢ)が開催される。後のGⅠ馬アスコリピチェーノやハープスターを輩出した出世レースだ。

今年も東京芝1600mの新馬戦で7馬身差の圧勝劇を見せたリアライズシリウスや、皐月賞馬ミュージアムマイルの半妹フェスティバルヒルなど、楽しみなメンバーが揃った。

この新潟2歳Sを皮切りに、中京2歳S、札幌2歳Sと3週連続で2歳重賞が開催される。そこで今回は「現2歳世代の種牡馬検証」と題して、芝とダートの種牡馬別勝利数ランキングと、ランキング上位馬の「買える条件」を取り上げていく。なお、参照するデータは2025年6月7日〜2025年8月17日に行われたJRAの2歳戦とする。


実はスプリント路線でお買い得なキズナ

2025年2歳世代 芝の種牡馬別勝利数ランキング,ⒸSPAIA


<2025年2歳世代 芝の種牡馬別勝利数ランキング>
1位 9勝 エピファネイア
【9-5-4-12】勝率30.0%/連対率46.7%/複勝率60.0%/単回収率86%/複回収率84%

2位 7勝 キズナ
【7-6-3-14】勝率23.3%/連対率43.3%/複勝率53.3%/単回収率194%/複回収率95%
※集計期間:2025年6月7日~8月17日

まずは、芝の種牡馬別の成績について取り上げる。

■エピファネイア
トップは9勝のエピファネイア。複勝率は60.0%と抜群の信頼度を誇る。

距離別成績を見ると、最低でもマイルは欲しい。1600mでは【1-2-1-1】と勝ち切れてはいないものの、複勝率80.0%で複回収率114%と堅実に馬券に絡む安定感を発揮している。

一方、1800mになると【7-1-1-5】勝率50.0%、単回収率131%と驚異の勝率5割をマーク。2000mでも【1-1-1-1】単回収率115%とプラス域で、基本的には中長距離で狙っていきたい。

■キズナ
2位は7勝のキズナ。芝では全体の単回収率が194%と非常に優秀で、2歳戦で見かけたら迷わずに買ってOKだ。

中長距離を中心に活躍した父の姿からは考えにくいが、今年の産駒傾向としてはスプリント戦の戦績が優秀。1400m以下で【3-2-0-3】勝率37.5%、単回収率655%を記録している。「キズナ=中長距離馬」という世間のイメージが妙味を生んでいるようだ。

ちなみに、1800m以上では【2-4-2-9】勝率11.8%、単回収率19%と勝ち切れない部分が目につく。それでも複回収率は80%とまずまずなので、2・3着固定で買うのがオススメだ。

■その他
以下、3位は6勝でモーリス、リオンディーズ、サートゥルナーリアの3頭が並び、6位に新種牡馬コントレイルが5勝を挙げて続いている。

モーリスは調教で動く産駒が多いことも関係しているのか、単回収率は48%とやや過剰人気気味。回収率が100%を超える条件も少なく、馬券での付き合い方はよく考えたい。

<新潟2歳S出走予定馬>
・エピファネイア産駒
出走なし

・キズナ産駒
タイセイフレッサ
リネンタイリン

・モーリス産駒
出走なし

・リオンディーズ産駒
出走なし

・サートゥルナーリア産駒
フェスティバルヒル


フォーウィールドライブが絶好調

2025年2歳世代 ダートの種牡馬別勝利数ランキング,ⒸSPAIA


<2025年2歳世代 ダートの種牡馬別勝利数ランキング>
1位タイ 4勝 ルヴァンスレーヴ
【4-1-0-17】勝率18.2%/連対率22.7%/複勝率22.7%/単回収率234%/複回収率78%

1位タイ 4勝 フォーウィールドライブ
【4-0-1-3】勝率50.0%/連対率50.0%/複勝率62.5%/単回収率225%/複回収率170%
※集計期間:2025年6月7日~8月17日

次に、ダートの種牡馬別の成績について取り上げる。

■ルヴァンスレーヴ
ダートは4勝でトップタイが2頭。ルヴァンスレーヴは全体成績でも単回収率200%オーバーを記録している。

4勝の内訳は1800m1勝、1700mも1勝で1200mが2勝。【2-0-0-2】とピンかパーかだが、単回収率505%と妙味たっぷりだ。1600m以上で活躍した父のイメージとは異なるが、スプリント戦でも活躍馬を輩出していることは覚えておきたい。

■フォーウィールドライブ
そして首位タイのもう一頭がフォーウィールドライブ。なんと勝率50.0%、単回収率255%と絶好調だ。

こちらはダート短距離を中心に活躍しており、勝ち鞍は全て1200m以下。合計出走数がわずか8という状況で4勝を稼いでおり、今後の活躍が期待される。ちなみに未勝利戦で【2-0-0-0】と勝率100%を保っている。今後も該当馬がいれば要注目だ。

■その他
ダートは2頭が4勝で抜けており、以下1勝が12頭もいる。なかでも注目がホッコータルマエで、【1-2-2-1】と勝ち切れないながら複勝率83.3%と安定感抜群。複回収率も255%と超優秀だ。2歳ダート戦で見かけたらとりあえずヒモに入れておいて損はない。

条件を深く掘ってみても短距離から中距離まで幅広いレースで馬券に絡んでおり、オールラウンダーさが輝く。砂をかぶりやすいため通常はマイナスとされる内枠もなんのその。1〜4枠でも【1-1-1-0】で複回収率163%を記録している。

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

《関連記事》
【新潟2歳S】過去10年データあれこれ 一昨年は1番人気アスコリピチェーノが勝利も3連単18万1860円の波乱
【動画】新馬戦はハイレベルな相手に圧勝 一度使い状態は上昇【新潟2歳S】
【新潟2歳S】上位人気は堅調も…大物候補2頭は強調材料乏しく “第三極”台頭の可能性に警戒