【中京2歳S】条件一新で社台・ノーザンF系の存在感アップ? パープルガーネットが筆頭候補
SPAIA編集部

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「小倉2歳S」が条件も回次も一新
8月31日、中京競馬場で中京2歳ステークス(GⅢ・芝1400m)が行われる。昨年までこの時期に行われていた「小倉2歳S」の名称と開催場、距離を一新し、回次も今回が「第1回」という扱いになる。
条件が変わりすぎて使えるデータは多くないが、今回は前身にあたる「小倉2歳S」の過去10年と、2012年以降に中京芝1400mで行われた2歳OPクラスの計6レースを参考に展望していく。
キャリア1戦が理想
まずは「小倉2歳S」の過去10年を対象に、人気別成績から見ていく。

勝ち馬10頭はいずれも5番人気以内、単勝オッズ10倍未満から出現した。
ただ2~3着の荒れは多く、9頭が7番人気以下の伏兵であった。1勝馬ばかりが集結する早期重賞とあって、横の能力比較は難しい。ヒモ荒れに要注意だ。

絞り込みのヒントになるのがキャリア別成績。理想は1戦(≒新馬戦から直行)で【5-6-6-40】複勝率29.8%、複勝回収率138%だ。
2戦も【4-3-3-37】で複勝率21.3%は悪くないが、複回収率は49%と急激に落ちる。3戦以上になると【1-1-1-24】複勝率11.1%と低調だ。少ないレース数で勝ち上がった馬の方が能力優位な可能性は高く、消耗度の面でも有利に働きやすい。
同コース経験を重視
続いて中京競馬場が現在のコースに改修された2012年以降に行われた、芝1400mの2歳オープンクラス全6レースを対象に傾向を探る。

まず前走距離別成績から。同距離組が【2-2-5-9】複勝率50.0%を誇り、対して距離延長組【2-3-1-11】同35.3%、距離短縮組は【2-1-0-7】同30.0%となっている。連対率ベースで見ると大差ないが、複勝率なら前走で1400mを使われていた馬が優勢だ。
それぞれ内訳を見ると、距離延長組は好走6例がいずれも上位人気馬で、単勝オッズ10倍以上は【0-0-0-9】。能力で200m延長を克服する馬は一定数いるが、馬券的妙味には乏しい。
同距離組はコースも同じ中京芝1400m組が【1-2-2-4】複勝率55.6%と、コース経験は大きなアドバンテージとなる。短縮組は札幌芝1500mから来る馬が【1-1-0-2】だが、今年は該当馬がいない。

前走着順別だと、2歳OPのデータなので当然ながら「前走1着馬」の出走が非常に多い。そして【5-6-6-20】複勝率45.9%と好走率も伴っている。
なかでも「前走1~2番人気」だった馬は【4-4-5-8】複勝率61.9%までアップ、さらに「前走上がり3位以内」なら【4-4-4-6】同66.7%、複回収率138%だ。身もフタもないが、上位人気に推され、速い上がりをマークして勝ち上がってきた「強そうな馬」がしっかり強い。

最後に生産者。この条件では社台・ノーザンファーム系の生産馬が【2-3-2-5】複勝率58.3%と圧倒的な強さを誇っている。
ちなみに「小倉2歳S」のデータだと同生産馬は【1-3-3-21】で複勝率25.0%、複回収率53%とそれほどよくなかった。舞台が変わったことは、社台FやノーザンFといった大手牧場にとっての追い風になると予想される。
データからはパープルガーネット、マイケルバローズ
「勝ち馬は5番人気以内」「キャリア1戦」「前走中京芝1400m組」「前走1~2番人気で勝った馬」「社台ノーザン系生産馬」などが好成績というデータを踏まえ、最後に個々の馬について見ていこう。
筆頭はパープルガーネット。キャリア1戦、前走同距離、前走2番人気で勝利、ノーザンF生産馬と、好データに多く該当する。
6月8日の新馬戦(東京芝1400m)の勝ち方はそこまで目立つものではなかったが、当時の3着ディアダイヤモンドが次走で7馬身差の圧勝。レースレベル自体はまずまず高かったはずだ。
中京芝1400mの新馬戦を1番人気で勝ったマイケルバローズもデータ的に減点がない。また、当時ハナ差2着だったアイルトンも侮れない。
思えば昨年、中京で行われた小倉2歳Sはエイシンワンド、クラスペディアと同じ新馬戦で1、2着だった2頭がそのままワンツーを決めた。今年も同じような結果になっても驚けない。
ほか、キャリア3戦がネックだが、中京芝1400mでの未勝利勝ちが秀逸だったタマモイカロス、そのタマモイカロスを小倉で7馬身離したノーザンF生産馬スターアニスも浮上してくる。

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