【CBC賞】イン差し可能な器用な先行馬を狙い撃ち 京大競馬研の本命はメイショウソラフネ
京都大学競馬研究会

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ラチ沿いを通すことが好走の鍵
8月10日(日)にCBC賞(GⅢ)が行われる。サマースプリントシリーズ第4戦であり、ハンデ戦らしく毎年波乱の決着が目立っている。今年も例年通り能力、実績で明らかに抜けている馬はおらず、難解な一戦となった。
以下では、本レースが行われる中京芝1200mのコース形態とそれに起因するレースの質、そして想定される展開を踏まえ予想する。
まずは中京芝1200mのコース形態を見る。向正面真ん中からスタートし、初角までの距離は約315m。緩やかな上り坂を約120m進んだ後、下り坂に入り、その後の3~4コーナー部分も全て下り坂だ。3~4コーナーはスパイラルカーブで最終直線は412.5m。ゴール手前340m地点から240m地点にかけて中山競馬場芝コースに次いで傾斜が急な高低差2.0mの上り坂が設けられている。
この坂を登り切った後も約240mの平坦な直線が待ち構えている。全体としてかなりタフなコースレイアウトだ。
まず注目すべきは初角までの距離が約315mとそこまで長くない点と、スタート後が上り坂になっている点だ。スタート直後の上り坂でテンのダッシュが付きにくいことに加えて、初角までの距離が長くないため登り切った後の先手争いも長引きにくい。短距離の上級条件にしては穏やかな序盤戦になりやすい。
その後の3~4コーナーは下り坂になるため一気にペースアップ。序盤で脚を溜めた先行勢が一気に加速していく。そのため、最終直線に入るまでに後方勢が先行勢とのポジション差を埋めにくい。加えて3~4コーナーはスパイラルカーブとなっているため、スピードを保ったまま最終直線に進入すると外に振られやすい。
膨れた先行勢のさらに外を回す後方勢はかなり厳しい競馬を強いられる。直線も半ばで急坂があり、それを登り切った後も平坦な直線が続くタフなコース形態。全馬の終盤の脚色は鈍り、上がりに差が生まれにくい。
したがって、序盤~中盤で前に位置を取り、ラチ沿いを通す器用な先行馬が恵まれやすいというのがこのコースが持つレースの質だ。

<CBC賞 4角4番手以内馬の成績>
【4-5-6-31】勝率8.7%、連対率19.6%、複勝率32.6%
単勝回収率102%、複勝回収率125%
※中京開催の直近10回
この傾向は数字にも表れている。CBC賞における4角4番手以内馬の成績は上記の通り優秀だ。ただ馬券内の頭数で言えば極めて多いというわけでもなく、中団インから馬群をキレイに捌いた差し馬の好走も目立つ。
能力評価の後、まずは各馬のテンの速さを比較し、内前の位置を取れる馬を評価したい。差し馬の場合は中団にポジションを取る追走力と、近走でのイン差し経験を重視して印を打っていきたい。
先行馬がそれなりに揃ったメンバー構成
続いて今回想定される展開から恵まれる馬を考える。メンバー構成は前走通過順位に3番手以内のある先行馬が8頭と出走馬全18頭に対してそれなりに多い。序盤のペースが上がりにくいコース形態とはいえ、ゆったりとした序盤戦は考えづらく、ややハイペースの展開が想定される。
この展開でも恵まれるのは前に位置を取ってラチ沿いを通すことが出来る器用な先行馬だ。ただ、序盤から最前線でポジション争いをする先行馬は余程の地力がなければ残しきることが難しい。
この展開であれば例年以上に中団差し馬のイン差しが決まりやすい。先頭のポジション争いに加わった先行勢が沈んできた所に、2、3列目のインから末脚を伸ばせる馬を中心に印を打っていきたい。
人気を一気に落とすここが狙い目
◎メイショウソラフネ
4走前のタンザナイトSは好位から運びスムーズに追い出す形で0.2秒差の快勝。次走以降OPクラスを完勝するソンシ、カルチャーデイ、ジャスティンスカイ、短距離実績確かなバースクライ相手に完勝の内容で、高い能力を示した。
5走前のオパールSはハイペースを6番手で先行し0.1秒差2着。勝ち馬ビッグシーザーが次走GⅢを勝利するハイレベル戦で、本馬が負かした相手もレベルが高かった。
6走前の昨年CBC賞は中京芝の内有利な展開で4頭分外を回し0.2差4着。着順、着差以上に評価できる内容であり、今回の舞台への適性も高い。
昨年の4月以降短い間隔で7連戦の厳しいローテーションもあり、2、3走前は理想の結果ができていないものの決して負けすぎてはいない。
前走も長期休養明けで超ハイペースを追走と仕方がない敗戦で、近3走は大きく評価を下げる内容ではない。4~6走前の内容を見れば今回のメンバーでも地力は上位の一頭だ。
近走の通過順位以上にテンの速さがあり、想定されるやや速いペースも本馬の追走力であれば問題ない。前走は想定オッズ以上に売れたが、前走の2桁着順での敗戦を受けて人気を一気に落とす今回、高いオッズ妙味が見込まれるとみて本命を打つ。
◯ジューンブレア
安定した先行力があり今回も好位から運べる。最上位のテンの速さを持つ先行勢が競り合い沈んで来たところに、2、3列目の内からスムーズに末脚を伸ばす競馬が理想。
▲グランテスト
中団前目から常に堅実な末脚を使えるタイプ。ジューンブレア同様、好スタートを決めて2、3列目の好位から運び、内から馬群を捌いてスムーズな追い出しが叶えば。
△ドロップオブライト
前走は前の馬が下がってきたことで詰まってしまい、スムーズに追い出せない不利があった。
×ヤマニンアルリフラ
前走は展開が向いたとはいえ一段階レベルが違う勝ち方。今回も順当に能力上位の一頭。
×バルサムノート
前走は展開不利での敗戦。2、3走前のメンバーレベル、内容を見れば高いオッズ妙味あり。
買い目は◎単勝1点、◎-◯▲△馬連3点、◎-◯▲-◯▲△×3連複7点で勝負する。
▽CBC賞予想▽
◎メイショウソラフネ
◯ジューンブレア
▲グランテスト
△ドロップオブライト
×ヤマニンアルリフラ
×バルサムノート
◎2024年勝負買い目個人成績(東海S~ホープフルS:25記事)
・単勝27点→4830円 回収率178.9% 的中率37.5%(的中9R/推奨24R)
・馬連105点→12480円 回収率118.9% 的中率42.9%(的中9R/推奨21R)
・3連複204点→22410円 回収率109.9% 的中率17.4%(的中4R/推奨23R)
ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。
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