単複回収率200%超!武豊騎手の激アツ条件 サマー重賞に強い騎手、調教師を徹底分析

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サマー重賞攻略データ,ⒸSPAIA

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JRAの“夏男”を探せ!

宝塚記念は武豊騎手騎乗のメイショウタバルが鮮やかな逃げ切りを決め、2025年のJRA上半期GⅠが幕を閉じた。

今週からは本格的に夏競馬が到来。新設重賞のしらさぎS(GⅢ)と、今年からマーメイドSの条件を受け継いで東京芝1800mを舞台に行われることになった府中牝馬S(GⅢ)が開催される。

今回は難解な“夏競馬”の攻略を目指し、「サマー重賞に強い騎手、調教師」をテーマに徹底検証。芝中距離、芝マイル・スプリント、ダートの3つのカテゴリーに分けて、夏の重賞で実績を残している騎手、調教師を調査した。なお、参照するデータは2020年〜2024年の過去5年の期間における、宝塚記念翌週からセントウルS前週までに行われたJRAの平地重賞とする。


人気薄でも馬券に絡む吉田隼人騎手

サマー重賞巧者 芝中距離,ⒸSPAIA


<サマー重賞に強い騎手・調教師 芝中距離>
・吉田隼人騎手【4-2-0-9】
勝率26.7%/連対率40.0%/複勝率40.0%/単回収率863%/複回収率204%

・川田将雅騎手【4-1-1-7】
勝率30.8%/連対率38.5%/複勝率46.2%/単回収率157%/複回収率82%

・須貝尚介調教師【4-1-1-11】
勝率23.5%/連対率29.4%/複勝率35.3%/単回収率530%/複回収率158%

・友道康夫調教師【3-6-1-13】
勝率13.0%/連対率39.1%/複勝率43.5%/単回収率230%/複回収率150%

※集計対象:2020~2024年の宝塚記念翌週からセントウルS前週までに行われた平地重賞

まずは芝中距離に強い騎手、調教師を取り上げる。対象としたのは該当期間における芝1800m以上の重賞だ。

■吉田隼人騎手
単回収率863%、複回収率204%と妙味の面で圧倒的な成績をマーク。20年の函館記念では15番人気アドマイヤジャスタで1着、同年のクイーンSも11番人気レッドアネモスで1着と2桁人気でも馬券内に飛び込んでくる。

直近は23年の函館記念(ルビーカサブランカ/4番人気2着)を最後に馬券絡みがないが、その爆発力は本物。今年も要警戒だ。

■川田将雅騎手
驚異の勝率30%オーバー。騎乗馬の平均人気は2.2と高いが、単回収率は157%ときっちりプラス域をマークしている。

競馬場別では小倉と中京が好成績。中京は【1-0-0-0】とサンプル数は少ないもののパーフェクトで、小倉は【2-0-1-2】単回収率224%、複回収率122%となっている。人気馬に騎乗していても、夏の川田騎手には逆らえない。

■須貝尚介調教師
単回収率は530%と大幅なプラスを叩き出している。実績のほとんどが北海道開催に集中しており、特に函館は【1-1-0-1】単回収率2576%に複回収率570%と圧倒的な成績だ。

ちなみに、3度の出走はすべて函館記念。馬券内は上述したアドマイヤジャスタ(2020年/15番人気1着)とルビーカサブランカ(2023年/4番人気2着)だから、いずれも吉田隼人騎手とのタッグである。今年も出走馬がいるかどうか、さらにその鞍上が誰になるかも注目だ。

■友道康夫調教師
複勝率43.5%と高い安定感を誇り、そのなかで単回収率230%、複回収率150%と単複ともにプラス域をマークしている。

なかでも新潟記念や七夕賞、クイーンSといったタフなレースを得意としており、新潟記念は【1-3-0-6】複勝率40.0%、複回収率156%という素晴らしい成績を残している。


新潟マイルは戸崎騎手の庭

サマー重賞巧者 芝マイル・スプリント,ⒸSPAIA


<サマー重賞に強い騎手・調教師 芝マイル・スプリント>
・松山弘平騎手【4-2-2-17】
勝率16.0%/連対率24.0%/複勝率32.0%/単回収率151%/複回収率108%

・戸崎圭太騎手【4-0-1-6】
勝率36.4%/連対率36.4%/複勝率45.5%/単回収率242%/複回収率90%

・池添学調教師【2-1-0-4】
勝率28.6%/連対率42.9%/複勝率42.9%/単回収率267%/複回収率98%

※集計対象:2020~2024年の宝塚記念翌週からセントウルS前週までに行われた平地重賞

つづいて芝マイル・スプリント戦に強い騎手、調教師を取り上げる。対象は該当期間における芝1600m以下の重賞だ。


■松山弘平騎手
単回収率151%、複回収率108%と単複ともにプラス。なかでも狙い目は中京と小倉だ。中京では【1-1-0-1】単回収率553%、小倉は【2-0-2-7】単回収率133%となっている。

ちなみに千直が【0-0-0-4】で、それを除けば【4-2-2-13】単回収率180%、複回収率129%にまで数値がアップする点も見逃せない。

■戸崎圭太騎手
複回収率こそ90%と僅かに100%には届いていないが、単回収率は200%オーバー。短距離戦での信頼度がかなり高く、先日も函館スプリントSをカピリナで勝利している。

最も得意としている条件は新潟芝1600m。【4-1-0-3】単回収率333%、複回収率125%と圧倒的な成績である。今年も新潟2歳Sや関屋記念で騎乗があれば要注目だ。

■池添学調教師
連対率42.9%と驚異的な成績で、単回収率も267%とプラス域をマークしている。

特徴的なのが、鮫島克駿騎手とのコンビで【1-1-0-0】連対率100%を叩き出しており、この2戦はいずれも函館2歳Sだった。このタッグでの“勝負駆け”には今後も要注意だ。


ダートの夏男・武豊騎手

サマー重賞巧者 ダート,ⒸSPAIA


<サマー重賞に強い騎手・調教師 ダート>
・武豊【2-2-1-2】
勝率28.6%/連対率57.1%/複勝率71.4%/単回収率200%/複回収率242%

・横山和生【1-1-1-2】
勝率20.0%/連対率40.0%/複勝率60.0%/単回収率196%/複回収率176%

・小西一男厩舎【2-0-0-1】
勝率66.7%/連対率66.7%/複勝率66.7%/単回収率1070%/複回収率273%

※集計対象:2020~2024年の宝塚記念翌週からセントウルS前週までに行われた平地重賞

最後はダート戦に強い騎手と調教師を取り上げる。

■武豊騎手
勝率28.6%で複勝率71.4%、回収率も単勝200%、複勝242%と非常に素晴らしい成績だ。

昨年はプロキオンSでヤマニンウルスに騎乗して単勝1.7倍の圧倒的人気に応えたほか、エルムSでもドゥラエレーデで2着に好走。こちらはともに1番人気ではあったが、23年のエルムSでは6人気セキフウで見事な追い込みを決めた。人気馬でも穴馬でも好走を続けており、買い目に入れておいて損はない。

■横山和生騎手
こちらも単回収率196%、複回収率176%でベタ買いプラス。3回の好走は全てエルムSでのものだった。

昨年のペイシャエス(5番人気1着)をはじめ、2021年のオメガレインボー(7番人気2着)など人気薄での好走もあり、今年も騎乗があれば狙っていきたい。

■小西一男調教師
単回収率1070%、複回収率273%と圧倒的な妙味を誇る。2勝は2020年レパードSのケンシンコウ(7番人気1着)と昨年のエルムSのペイシャエス(5番人気1着)で、どちらも人気薄での一発だった。人気に関わらずマークしておきたい。

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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