【CBC賞】中京の直近10回は「5歳」が7勝 好データ三拍子そろったベガリスが本命
門田光生

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中心は5歳馬
10日、中京競馬場で行われる第61回CBC賞。この時期の芝1200m重賞といえば北九州記念が定番だったが、昨年から夏の中京と小倉開催が入れ替わったことにより、両レースの実施時期にも変化が生じている。
ここからは2012年以降に中京芝1200mで施行された直近10回のCBC賞を対象に、レース傾向をデータから分析していく。ただし、ステップレースなどの一部条件には違いがある点を踏まえ、あくまで参考データとしてご覧いただきたい。
☆所属
美浦所属馬が連対したのは、2016年の1着馬レッドファルクスのみ。勝率に大きな差はないが、連対率、複勝率では栗東所属馬が大きく上回っている。

☆性別
牡馬・セン馬が7勝(13連対)、牝馬は3勝(7連対)。出走頭数の差により勝利数では牡馬・セン馬が上回っているが、好走確率では両者ほぼ互角となっている。

☆年齢
7勝(11連対)を挙げている5歳馬が中心的な存在。一方で、7歳からは勝ち馬が出ておらず、3歳と8歳以上からは連対馬すら出ていない。

☆前走クラス
開催時期が例年と異なるため、前走クラスについては参考程度としたい。勝ち馬は3勝クラスからGⅠ組まで幅広く出ているが、なかでも前走GⅡ組は【2-3-0-7】で連対率41.7%と非常に優秀な成績を残している。

☆主な前走
前走成績についても同様に、参考程度として見ておきたい。過去には安土城Sや高松宮記念などから複数の連対馬が出ていたが、今年の登録馬には該当する馬がいない。

☆前走着順
掲示板組の中でも明暗が分かれる結果に。勝率が高い前走1着馬、連対率が高い前走5着馬を今回のプラスデータに取りあげたい。一方で、前走2~4着馬からは勝ち馬が出ていない(前走2着馬はサンプル数が少ないため参考程度)。

☆前走人気
前走5番人気だった馬は【2-2-0-7】で連対率36.4%。プラスデータとする。続いて、前走1番人気、前走4番人気馬も水準以上の数字をマークしている。一方で、前走3番人気からは勝ち馬が出ていない。

☆前走距離
前走が1200m、もしくは1400mだった馬から、それぞれ9頭の連対馬が出ている。なかでも、各種好走率で比較すると、前走1400m組が明らかに優勢だ。また、前走が1000m戦だった馬の連対例はない。

☆毛色
サンプル数が10頭以上の毛色では、栗毛が高い複勝率を記録している。

最多のプラスデータに該当するのはベガリス
CBC賞のデータをまとめてみよう。今回の登録馬に該当するデータは下記の通り。
【好走率アップ】
A「5歳」
B「前走1着」
C「前走1番人気or4番人気」
D「前走1400m」
E「栗毛」
【好走率ダウン】
F「美浦所属」
【勝ち馬なし】
G「前走4着」
H「前走3番人気」
【連対馬なし】
I「3歳or8歳以上」
最初に、プラスデータを勝率順に並べてみる。結果は以下の通り。

まず1着馬探しということで、勝ち馬が出ていない「G」「H」、連対馬が出ていない「I」に該当しない馬から探していく。その中で、最もプラスデータを多く持つのは、ベガリスで3項目(ACD)に該当。最も勝率が高い「B(前走1着)」に該当しないのは惜しいが、勝率上位の2項目を押さえている点からも本命に据えたい。
続いて、プラスデータを連対率順に並べて検討していく。

トップは「A:5歳馬」、次いで「D:前走1400m」。「D」は勝率で最下位だったが、連対率では優秀なデータとなっている。ここからは相手探しに移るので、勝ち馬が出ていない「G」「H」に該当する馬も対象に含めて検討する。
プラスデータを2つ持つのは、カルチャーデイ(CE)、グランテスト(AC)、テイエムリステット(DE)、バルサムノート(AD)、バンドシェル(CD)、ヤマニンアルリフラ(BC)の6頭。このうち、バンドシェルは登録段階で除外対象のため「注」印としたい。
残る5頭を比較すると、もっとも連対率の高い「A」に該当するのは、グランテストとバルサムノート。連対率2位の「D」も押さえているバルサムノートを2番手、グランテストを3番手とする。
4番手にはテイエムリステットを据える。連対率2位の「D」(前走1400m)に該当するが、この馬の前走はダート戦という点は留意。ただ、2016年の勝ち馬レッドファルクスもダート1400mからの参戦だった。着順はテイエムリステットが16着、レッドファルクスは1着と対照的だが、データ上はマイナス材料もなく、穴として面白い。
残ったのはヤマニンアルリフラとカルチャーデイ。前者は連対率上位3、4番目の「C」「B」に該当、後者は「C」「E」で、こちらは上位3、5番目となっている。ヤマニンアルリフラの方がわずかに優勢と判断し、5番手推奨する。印が多くなるため、カルチャーデイはノーマークとしたい。
◎ベガリス
◯バルサムノート
▲グランテスト
△テイエムリステット
×ヤマニンアルリフラ
注バンドシェル
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
ガタガタの体に鞭打って早朝から取材していますが、日が昇るとダメですね。暑すぎて自販機で飲み物ばっかり買っています。体のことを考えると無駄遣いではないとは思いますが、使った分は、得た情報で取り返すつもり。いつもそう思っているのですが、これがなかなか難しいんですよねえ。
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