【レパードS】初ダートのヴィンセンシオ、連勝中ロードラビリンスは消し ハイブリッド式消去法

久保田大五郎

過去10年のレパードS『前走11頭立て以下』×『前走が国内レース』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

今週は新潟競馬場で行われる3歳ダート重賞・レパードステークスを予想する。いつも通り過去10年のデータを用いて、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。当てはまった馬を消していく。

今回はフルゲート15頭に対し23頭が大挙登録。16頭が抽選対象(うち9頭が出走可能)となっている。唯一の除外対象馬ブレトワルダを除き、22頭を対象に進めていく。

『前走1勝クラス組』×『距離延長』★0.0%★

まずは順当に格下馬からふるいにかける。世代限定重賞らしく条件戦から挑戦してくる馬も珍しくないレースだが、前走1勝クラス組は【0-3-2-32】複勝率13.5%で未勝利。相手強化で壁に当たるケースが多い。

その1勝クラス組のうち、距離延長ローテとなる場合は【0-0-0-13】。馬券絡みはおろか、掲示板に載った例すらなかった。

今年は2頭が該当する。ソリスクラヴィスは母が南関東の女傑クラーベセクレタという良血馬だが、力関係、距離経験の両面で今回は苦戦が予想される。

【今年の該当馬】
・グレイスザクラウン
・ソリスクラヴィス

『前走11頭立て以下』×『前走が国内レース』★0.0%★

前走のレースレベルという観点でもうひとつ興味深いデータがある。それが前走の「出走頭数」。11頭立て以下のレースを使ってきた馬は【0-1-1-15】複勝率11.8%と振るっていない。

なお、好走2例はベルモントS出走取消のエピカリス(3着)、UAEダービー出走取消のサトノフェニックス(2着)。奇しくも「海外レースの取消明け」と似たような臨戦過程だった。前走が「11頭以下の国内レース」だった馬は【0-0-0-14】だ。

今年は鳳雛S、青竜Sがどちらも少頭数で、その勝ち馬ハグ、ポールセンら4頭が消去対象となった。ロードラビリンスもユニコーンS3着馬メイショウズイウンを破った実績は光るが、データ的には推奨できない。

【今年の該当馬】
・ハグ
・ポールセン
・メイショウソウセキ
・ロードラビリンス

『継続騎乗』×『前走7着以下』★0.0%★

3つ目は騎手の乗り替わり有無に着目。継続騎乗【3-3-8-53】複勝率20.9%に対し、乗り替わり【7-7-2-65】同19.8%と両者はほぼ互角だが、穴をよく開けるのは「乗り替わり」の方だ。

継続騎乗組の好走例は戦績が比較的キレイな中上位人気馬に偏っている。継続騎乗のうち、前走7着以下に大敗していた馬は【0-0-0-12】だった。

抽選対象が多いのもあって騎手想定がハッキリしない馬もちらほらいるが、皐月賞9着馬ヴィンセンシオがここで消える。

父リアルスティールは確かにダートの活躍馬も出すが、母母シーザリオの一族にダートを走れる馬はほぼ皆無。それなりに人気にもなる想定、消して妙味を高めたい。

【今年の該当馬】
・ヴィンセンシオ

『前走4角4番手以下』×『今回斤量増』★5.7%

続いては位置取りに関するデータ。レパードSは前残りの年が多く、過去10年で4角3番手以内の馬が6勝2着6回と結果を残している。

これに連動する形で、前走位置取り別で見ても4角3番手以内【4-5-6-50】複勝率23.1%、複勝回収率114%に対し、同4番手以下【6-4-3-67】複勝率16.3%、複回52%と差があり、先行力がカギとなるレースだ。

前走4角4番手以下だった馬のうち、レパードSで斤量増となる馬は【1-1-0-33】複勝率5.7%と苦戦傾向。これを4つ目の凡走データとして採用する。

ここでは5頭が消去となった。青竜S3着の実績があるサノノワンダーも、東京ほど差しが届かない新潟コースに替わって競馬が難しそうだ。

【今年の該当馬】
・サノノワンダー
・シンビリーブ
・タガノバビロン
・ニューファウンド
・ルヴァンユニベール

『前走上がり最速』×『前走が阪神か京都』★0.0%★

最後は「前走上がり」にまつわるデータを紹介する。前記の通りレパードSでは差し追い込みが苦戦しており、前走上がり最速馬(※地方海外除く)も【1-3-0-30】複勝率11.8%とイマイチだ。

さらに前走が阪神か京都だった組は【0-0-0-10】で全滅。5番人気以内に推された馬も6頭いるが、いずれも人気に応えられなかった。

既に消去済みの馬に加え、新たに3頭が消しとなった。京都の1勝クラスを好タイムで勝ったトリポリタニアは上位人気の可能性もあるが、人気馬だろうと例外なく沈めてきたデータを信用する。

【今年の該当馬】
・シャルクハフト
・(タガノバビロン)
・チュウジョウ
・トリポリタニア
・(ハグ)
・(ロードラビリンス)

5つの消去データを終えて残ったのはジャナドリア、タガノマカシヤ、テスティモーネ、ドンインザムード、ピカピカサンダー、ヒルノハンブルク、ルグランヴァンの7頭。上記のうち5頭は抽選対象で、賞金的にそのまま可能なのはジャナドリアとルグランヴァンだ。

羽田盃3着馬のジャナドリアはもちろん、ルグランヴァンも侮れない。前走の勝ち時計1:34.4は重馬場を加味しても優秀で、東京ダ1600mの2勝クラスとしては歴代3位の好タイムだった。

ちなみに1位と2位はトロワボヌール(交流重賞3勝)とバトルクライ(OP3勝、ユニコーンSと根岸Sで3着)だった。当時2馬身差つけた2着馬も次走で3馬身差Vと、負かした相手も決して弱くない。この2頭を1列目に置き、残った馬に流す馬連フォーメーションで勝負する。

《ライタープロフィール》
久保田大五郎
競馬歴14年目のアラサーおじさん。データを駆使した予想でロマン馬券を狙う。趣味は料理とプロ野球観戦。横浜DeNAベイスターズの大ファンで、好きな選手は宮﨑敏郎。

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