現役最高の新潟巧者は? 勝率52.4%の「ルメール」×「未勝利戦」など騎手、種牡馬ごとに徹底検証
東大ホースメンクラブ

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夏の新潟開催がスタート
今週から夏の新潟開催が幕を開ける。この夏は関屋記念にはじまり、アイビスサマーダッシュ、レパードステークス、新潟ジャンプステークス、新潟2歳ステークス、そして新潟記念という計6重賞の開催が予定されている。
先日9歳で引退となったカラテは2021年の関屋記念で6番人気2着、2022年は新潟記念で10番人気1着、さらに2023年には新潟大賞典で5番人気1着と、新潟で3度も激走した生粋の新潟巧者であった。
そこで今回は、種牡馬や騎手の新潟適性をデータで徹底検証。ここでは新潟コースでの勝率から全場での勝率を引いたものを「新潟巧者率」と定義し、この数値に基づいて「新潟巧者」を発掘していく。なお、データは2022年7月23日から2025年7月20日までの過去3年のものを使用する。
ルメール&川田、トップジョッキーが躍動

この章では、新潟芝コースを得意とする種牡馬を紹介する。
◼︎ニューイヤーズデイ
・巧者率:22.6%-9.7%=12.9%
スプリントから中距離まで幅広く好走馬を出しており、2000m【3-1-0-2】勝率50.0%、単回収率370%をはじめ、1600m【1-2-1-3】勝率14.3%、単回収率715%や1400m【2-1-0-3】勝率33.3%、単回収率186%と多くのコースでプラス域をマークしている。
クラス別の成績では、新馬戦で【2-1-1-6】単回収率565%、複回収率232%と高回収率をマーク。この夏も注目だ。
◼︎グレーターロンドン
・巧者率:23.3%-12.8%=10.5%
マイル以上の距離が狙い目で、1600m以上は【5-2-0-10】勝率29.4%、単回収率322%と妙味たっぷりだ。
その他の条件では、外枠で好走率が高くなる傾向にあり、6〜8枠なら【5-0-1-6】勝率41.7%、単回収率530%とさらに妙味がアップする。
◼︎マインドユアビスケッツ
・巧者率:12.5%-7.6%=4.9%
とくに新馬戦で【2-1-0-5】と強さを発揮しており、勝率25.0%で単回収率128%を叩き出している。
また、馬場が渋った時に成績が上がるのも特徴で、稍重~重だと【1-1-1-4】複勝率42.9%、複回収率165%となる。

続いて、新潟芝コースを得意とする騎手を紹介する。
◼︎C.ルメール
・巧者率:35.8%-26.0%=9.8%
同期間は全体成績も【24-13-4-26】勝率35.8%、複勝率61.2%という驚異的な成績を残している。新潟芝はルメール騎手の庭と言っても過言ではない。
特に素晴らしいのが未勝利戦【11-2-1-7】で、勝率52.4%かつ単回収率117%とプラス域だ。エンブロイダリーやチェルヴィニアのように6月の新馬戦で惜敗した素質馬に騎乗するパターンの信頼度は凄まじく、「2歳未勝利」に限れば【8-0-0-1】で単回収率は157%にまで達する。
◼︎川田将雅
・巧者率:36.2%-28.1%=8.1%
巧者率ではルメール騎手が上だが、川田騎手も【21-7-8-22】勝率36.2%、複勝率62.1%で勝率や複勝率ではルメール騎手を上回っている。
特徴としては、マイル以上の距離ならベタ買いでOK。芝1600m以上は【20-6-7-13】勝率43.5%、単回収率129%と素晴らしい成績だ。
クラス別では、新馬【6-1-3-5】勝率40.0%、単回収率110%や1勝クラス【5-0-0-1】勝率83.3%、単回収率293%が狙い目となる。
◼︎丹内祐次
・巧者率:14.4%-8.7%=5.7%
こちらは未勝利戦で【11-10-6-27】勝率20.4%、単回収率126%とプラス域。複勝率はなんと50.0%と信頼度が非常に高い。
また、鹿戸雄一厩舎の馬に騎乗した際も【4-1-1-1】勝率57.1%、単回収率277%と素晴らしい成績を残しているのも見逃せない。
北村友一騎手、菅原明良騎手は外枠で要注目

この章では、新潟ダートコースを得意とする種牡馬を紹介する。
◼︎Into Mischief
・巧者率:35.7%-19.4%=16.3%
新潟ダートは【5-0-1-8】勝率35.7%で単回収率154%とアタマの魅力あり。なかでも1200mで【5-0-1-3】勝率55.6%、単回収率240%という素晴らしい成績を残している。
◼︎レッドファルクス
・巧者率:18.2%-7.0%=11.2%
新潟ダートは全体でも単回収率937%、複回収率も209%となっており、見かけたら買い目に入れておいて損はない。
クラス別の成績を見ると、未勝利戦が【4-0-1-13】勝率22.2%、単回収率1616%と優秀。複回収率も337%をマークしている。
◼︎カレンブラックヒル
・巧者率:15.0%-7.1%=7.9%
狙い目は1800m【2-1-1-15】単回収率513%、複回収率150%がまず挙がる。ほかにも前走から距離短縮だと【4-0-0-5】勝率44.4%、単回収率1151%と驚異的な回収率を叩き出しており、要注目だ。

最後は、新潟ダートコースを得意とする騎手を紹介する。
◼︎北村友一
・巧者率:21.9%-10.8%=11.1%
新潟ダートは全体の単回収率が224%となっており、ベタ買いでもプラスだ。
なかでも外枠での好成績が目立ち、5〜8枠だと【6-2-0-14】勝率27.3%、単回収率293%と数字を上げてくる。
◼︎今村聖奈
・巧者率:15.3%-6.4%=8.9%
全13勝のうち9勝を1200mで挙げており、成績は【9-4-3-27】勝率20.9%、単回収率95%を記録している。
また、前走から距離延長となる馬で【4-0-5-14】複勝率39.1%と素晴らしい成績。複回収率も118%と妙味十分だ。
◼︎菅原明良
・巧者率:16.1%-7.9%=8.2%
狙い目としては、1800m【7-3-6-35】勝率13.7%、単回収率108%がまず挙がる。
その他、1〜4枠では【5-4-6-24】勝率12.8%、単回収率50%なのに対して、5〜8枠では【9-1-4-34】勝率18.8%、単回収率126%をマーク。単系馬券で狙うなら外枠に入った時がおすすめだ。

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をも大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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