【レパードS】羽田盃3着ジャナドリアが目玉 「2勝クラス勝ち」ルグランヴァンとロードラビリンスに明暗
勝木淳

ⒸSPAIA
ラスト一冠への挑戦権
ダート三冠路線も芝と同じく秋にラスト一冠ジャパンダートクラシックを控える。以前は3歳ダート戦線のひとつの山だったレパードステークスは、三冠創設によって意味合いが大きく変わった。
昨年の勝ち馬ミッキーファイトはジャパンダートクラシックでフォーエバーヤングの2着に入り、フェブラリーステークス3着ときて、ついに帝王賞を制した。レパードSは翌年のチャンピオンを探す原石探しのレースであり、秋の一冠への挑戦権をかけた争いでもある。このレースがもつ意義は大きい。データは過去10年分を使用する。

1番人気こそ【3-3-1-3】勝率30.0%、複勝率70.0%と安定しているものの、2番人気【1-1-1-7】勝率10.0%、複勝率30.0%以下は差がみられない。
7番人気【2-0-0-8】勝率・複勝率20.0%など、真夏のダート競馬らしく穴馬が割り込む余地は十分。10番人気以下は【2-4-2-50】勝率3.4%、複勝率13.8%で、大穴の一撃も見逃せない。安易に絞り込まず、手を広げて好配当を待つのもいい。

関東圏のローカル場である新潟だが、交通網の整備によって関東の美浦より関西の栗東に地の利があるのではないかといわれる。関西馬の攻勢は夏開催も変わらない。
とはいえ、レパードSに限ると関東馬【6-2-4-48】勝率10.0%、複勝率20.0%に対して関西馬【4-8-6-69】勝率4.6%、複勝率20.7%と関東馬が勝ち切る傾向がある。だが、2着や3着には着実に関西馬も入ってくるので、むしろこちらを連軸の判断材料に使うのもいい。
一方で人気面の妙味は関東馬であり、10番人気以下の関東馬は【2-0-2-27】勝率6.5%、複勝率12.9%となっている。どうしても大穴を狙いたいなら、関東馬に狙いを定めよう。
前走条件戦勝利は要注意
雲取賞1着、羽田盃3着のジャナドリアは東京ダービーを回避し、ここで仕切り直す。3連勝で重賞を勝った好素材であり、体調ひとつで再浮上するだろう。2、3勝馬との力関係の見定めはカギになりそうだ。

前走重賞には旧ユニコーンステークス【3-0-0-15】が入っているので、取り扱いに注意しよう。京都に移った昨年は【1-0-0-3】。当時3着だったミッキーファイトが勝っており、傾向が変わらない可能性もあるが、サンプル数も少なく要観察だろう。
今年のユニコーンS組は5着ヒルノハンブルクなどが当てはまる。前走は先行策がかえって裏目に出た印象。本来の差す形で決め手を発揮したい。上がりがかかってほしいタイプもあり、真夏の乾燥したダートに適性がありそうだ。
前走地方【2-3-4-16】勝率8.0%、複勝率36.0%は旧ジャパンダートダービー【2-3-2-10】が大半を占めており、こちらも要注意。昨年は羽田盃からの参戦馬がいなかったので、ジャナドリアもデータ的には評価できない。
となると、前走条件戦に視線が集まる。前走条件戦1着が【2-4-3-49】勝率3.4%、複勝率15.5%で、2~5着は【1-1-2-10】と勝ったから特別いいということもない。前走1勝クラス1着は【0-3-2-31】複勝率13.9%で、2勝クラス1着だと【2-1-1-18】勝率9.1%、複勝率18.2%になる。2勝クラスなら今回につながってくる。

では2勝クラスを勝った馬の買いどころはどこか。それは着差をみればすっきり。着差0.2以内【0-0-0-10】に対し、0.3差以上つけると【2-1-1-8】になる。細かく見ると0.3~0.5差【1-0-1-7】も数字としては怪しいが、後続を離して勝っていれば重賞でも戦える。
東京ダート1600mの平場を0.3差で勝ったルグランヴァンは狙いが立つ。一方、加古川特別でタイム差なしの1着だったロードラビリンスは2勝クラスを勝ったとはいえ辛勝なので、人気に推されるようならその裏をとりたい。

《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『オルフェーヴル伝説 世界を驚かせた金色の暴君』(星海社新書)に寄稿。
《関連記事》
・【レパードS】特別登録馬一覧
・現役最高の新潟巧者は? 勝率52.4%の「ルメール」×「未勝利戦」など騎手、種牡馬ごとに徹底検証
・単複回収率200%超!武豊騎手の激アツ条件 サマー重賞に強い騎手、調教師を徹底分析
