現役最高の札幌巧者は? 「芝の松岡正海」「砂の武豊」など騎手、種牡馬ごとに徹底検証
東大ホースメンクラブ

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“札幌巧者”を探せ!
中央競馬は先週から夏の札幌開催がスタート。今週末は夏の女王決定戦クイーンステークス(GⅢ/札幌芝1800m)が開催される。
クイーンSといえば、2021年~2022年に連覇を果たしたテルツェットをはじめ、2021年に8番人気3着、2022年も8番人気2着と2年続けて激走したサトノセシルなどリピーターの活躍も印象的。このように、真夏の北の大地でこそ輝く「札幌巧者」は数多く存在する。
そこで今回は、種牡馬や騎手の札幌適性をデータで徹底検証。ここでは札幌コースでの勝率から全場での勝率を引いたものを「札幌巧者率」と定義し、この数値に基づいて“札幌巧者”を発掘していく。なお、データは2022年7月30日から2025年7月27日まで、過去3年のものを使用する。
中長距離のドゥラメンテ、短距離はファインニードル、リアルスティール

この章では、札幌芝コースを得意とする騎手・種牡馬を紹介する。まずは種牡馬から見ていこう。
■ファインニードル
・巧者率:29.4%-11.1%=18.3%
札幌芝では条件問わず単勝回収率114%、複勝回収率100%と妙味の面でも優秀だ。なかでも1200mは【4-0-1-5】勝率40.0%で単回収率159%と狙い目である。
■Frankel
・巧者率:26.7%-14.2%=12.5%
こちらも条件問わず単勝回収率102%、複勝回収率93%と高水準。特に札幌芝1800mは【1-1-1-1】複勝率75.0%、複回収率187%と大得意だ。
なお、馬券に絡んだ馬が全て「前走差しに回っていた馬」というのも特徴的。前走4角4番手以下だった馬は【4-2-1-5】単回収率128%、複回収率116%をマーク。前走の脚質と位置取りを確認しておこう。
■ドゥラメンテ
・巧者率:18.8%-10.0%=8.8%
こちらも札幌芝は単回収率123%、複回収率101%を叩き出しており、見かけたら買い目に入れて損はない。
得意距離は1800mと2600m。1800mでは【10-1-6-12】勝率34.5%、複勝率58.6%で単回収率223%、複回収率も105%をマーク。2600mも【6-1-5-10】勝率27.3%、複勝率54.5%で単回収率170%、複回収率154%と単複ともに優秀な成績を残している。
■リアルスティール
・巧者率:20.0%-11.8%=8.2%
こちらも札幌芝は全体で単回収率146%と優秀。なかでも短めの距離で信頼度が高く、1500m以下【6-0-2-11】に対して1800m以上【1-2-0-13】と傾向がはっきりしている。
なかでも1200mは【3-0-2-6】勝率27.3%、単回収率128%で1500mでは【3-0-0-5】勝率37.5%、単回収率443%を記録している。

続いて、札幌芝を得意とする騎手を紹介する。
■松岡正海騎手
・巧者率:17.4%-5.2%=12.2%
巧者率は驚異の10%超。生粋の札幌巧者である。全体成績も単勝回収率170%、複勝回収率153%と札幌芝で見かけたらベタ買いでOKだ。
なかでも前走から継続騎乗だと【3-3-2-2】複勝率は80%を誇る。単複回収率もともに200%オーバーと妙味たっぷりだ。
■川田将雅騎手
・巧者率:34.4%-28.1%=6.3%
全体成績【11-1-3-17】と2着・3着が非常に少なく、「勝ち切る力」が凄まじい。妙味の面でも、複回収率65%に対して単回収率が107%とプラス域。単系馬券を中心に狙っていこう。
距離別では1500m(単回180%)と2000m(同125%)、2600m(同200%)で単回収率100%超。特に2600mは【2-1-1-0】で複勝率100%を記録している。人気馬の騎乗が多くなるが、川田騎手にはなかなか逆らえない。
■横山武史騎手
・巧者率:20.5%-15.5%=5.0%
過去に3度の札幌リーディングを獲得していることからも札幌巧者として有名だが、データもそれを証明している。
狙い目は【14-4-5-19】の1800m。勝率は33.3%を記録しており、単回収率も114%とプラス域をマークしている。
また、距離に関わらず1枠で【6-2-4-8】複勝率60.0%の好成績。複回収率も115%とベタ買いプラスで、白帽の横山武史は要警戒だ。
武豊騎手×◯◯で単回500%超

この章では、札幌ダートコースを得意とする騎手・種牡馬を紹介。ここも種牡馬から見ていこう。
■スクリーンヒーロー
・巧者率:21.1%-6.0%=15.1%
全体成績【4-1-0-14】勝率21.1%、単勝回収率124%とプラス域。なかでも1000mで【2-1-0-6】単回収率167%と優秀な成績を残している。
注意すべきポイントとしては、「継続してダートを使われている馬」を狙っていくこと。前走で芝を走っていた馬は【0-0-0-6】と全滅であるのに対し、前走もダートだった馬は【4-1-0-8】勝率30.8%、単回収率182%と妙味十分だ。
■リオンディーズ
・巧者率:16.4%-6.8%=9.6%
札幌ダートでは全体の単回収率が192%と超優秀。単系の軸として狙っていきたい。狙い目は1700m【6-4-0-29】で、勝率15.4%かつ単回収率も243%を叩き出している。
■パイロ
・巧者率:17.1%-8.2%=8.9%
こちらも全体成績【6-2-2-25】勝率17.1%、単回収率115%と頼れる成績だ。
特徴としては、外枠か否かで成績に天と地の差がある。1〜6枠では【2-1-1-21】勝率8.0%、単回収率も62%止まりだが、7~8枠では【4-1-1-4】勝率40.0%、単回収率も249%まで上昇する。
産駒に揉まれ弱いタイプが多いため、このような極端な傾向が生まれているのだろう。内枠で戦績を汚し、外枠で巻き返すパターンには要警戒だ。

最後は、札幌ダートを得意とする騎手を紹介する。
■武豊騎手
・巧者率:29.9%-16.8%=13.1%
巧者率10%オーバーと優秀。とくに前走から距離短縮となる馬に騎乗した際は【5-2-2-4】勝率38.5%、複勝率69.2%で単回収率180%、複回収率156%と安定感抜群だ。
また、後方から競馬を進める馬での活躍が目立っており、前走4角5番手以下だった馬では【14-0-3-11】勝率50.0%、単回収率547%と無双状態。騎乗馬の前走の位置取りは必ずチェックしよう。
■北村友一騎手
・巧者率:21.6%-10.9%=10.7%
こちらも巧者率10%オーバー。狙い目は1000m【3-0-1-6】で、勝率30.0%かつ単回収率147%の高水準となっている。
特徴としては逃げ・先行で馬券に絡むことがほとんどで、前走4角2番手以内の馬に騎乗した際は【5-0-1-8】勝率35.7%、単回収率112%とプラス域。こちらも近走成績を忘れず確認しておきたい。
■藤岡佑介騎手
・巧者率:18.6%-12.3%=6.3%
全体成績【8-5-2-28】のうち、1700m【7-3-2-23】に良績が集中。勝率20.0%、単回収率110%を記録している。
特徴としては外枠を得意としており、6〜8枠で【4-3-1-14】単回収率132%をマーク。とりわけ7枠は【2-3-1-5】単回収率150%、複回収率131%と優秀。「藤岡佑介」×「ダート」×「ラッキーセブン」は頭に入れておきたい。

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をも大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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