【クイーンS】ヴィクトリアマイル組は「6着以下」が狙い目 クリスマスパレードが不動の主役
勝木淳

ⒸSPAIA
人気の上下差なしの混戦
舞台は札幌芝1800m。札幌はコース図を見ればわかるが、楕円といっても円形に近いためコーナーが大きく、その分正面と向正面の直線部分が短い。1800mはスタートから約200mでコーナーを迎えるため、序盤の最速区間でもある200~400mは1コーナーにあたる。
スピードに乗りながらの右カーブは慣れないとロスが生じ、先行争いがもつれる場面もある。ゆったりしたコーナーなので、そこまでしんどくないかもしれないが、先手争いには注目だ。データは過去10年分を使用する。

1番人気【3-3-1-3】勝率30.0%、複勝率70.0%と大きく崩れない。2番人気【2-1-1-6】勝率20.0%、複勝率40.0%までは信頼に値する一方、3番人気【1-0-2-7】勝率10.0%、複勝率30.0%以下は人気の差はほぼない。
8番人気【0-1-2-7】複勝率30.0%や9番人気【1-1-1-7】勝率10.0%、複勝率30.0%など混戦。上位人気から下位人気にかけて僅差の展開が続く。

秋華賞を目標に、早めに始動する3歳は【3-1-0-12】勝率18.8%、複勝率25.0%をマーク。斤量差をいかす。
古馬の主力は4歳【4-6-3-29】勝率9.5%、複勝率31.0%で2着半数以上を占めており、4歳中心でいい。
とはいえ、5歳【1-2-6-36】勝率2.2%、複勝率20.0%も3着の半数以上を出しており、若い組で馬券を固めるのは危険。6歳も【2-1-1-20】勝率8.3%、複勝率16.7%と好走する。印にはバランスよく幅広い世代を配置したい。
ヴィクトリアマイル6着以下の4歳馬
人気の中心は小倉牝馬ステークス1着(同着)フェアエールングや、ヴィクトリアマイル5着アリスヴェリテあたりか。4歳クリスマスパレードや6歳ライラックなど、上下の実力差が少ない組み合わせになりそうだ。

夏の重賞とはいえ、ここは格が重要。前走GⅠが【6-5-3-27】勝率14.6%、複勝率34.1%と目立つ。
内訳をみると、ヴィクトリアマイル組が【3-4-3-15】勝率12.0%、複勝率40.0%をマーク。このうち4着以内【0-2-1-2】、6着以下【3-2-2-12】。凡走からの巻き返しが目立つ。今年は9着クリスマスパレードなどが該当する。

ヴィクトリアマイル6着以下の年齢分布をみると、4歳【2-2-1-5】勝率20.0%、複勝率50.0%が良く、5歳も【1-0-1-4】勝率16.7%、複勝率33.3%を記録。数字上は4歳が優勢であり、クリスマスパレードの中心は動かない。
クリスマスパレードは昨年の紫苑ステークスの勝ち馬で、小回りは苦にしない。走破タイム1:56.6から、開幕間もない札幌の速い時計にも対応できる。ヴィクトリアマイルではスタートで遅れたが、本来は逃げ、ないし番手からレースを運べるタイプ。有力馬より前で流れに乗れるのは強みだ。

《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『オルフェーヴル伝説 世界を驚かせた金色の暴君』(星海社新書)に寄稿。
《関連記事》
・北海道の芝1800mで複回収率100%超え 今がアツい!ビッグレッドファーム生産馬のプラス条件を探る
・丹内祐次騎手が前年比36勝増の100勝超ペース 2025年上半期「躍進した騎手、低迷した騎手」
・単複回収率200%超!武豊騎手の激アツ条件 サマー重賞に強い騎手、調教師を徹底分析
