【アイビスSD】「ディープ」×「千直実績」で好配ゲットだ!今年の特注は格上挑戦馬
逆瀬川龍之介

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ポイントは「牝馬」「血統」「実績」
近年のアイビスサマーダッシュはとにかく荒れる。以前のような「外枠の上位独占」が減り、内枠の伏兵の激走が増えていることが最大の要因だ。
代表例は4年前の2021年。最内1番枠だった14番人気バカラクイーンが内ラチ沿いを粘り込み、3連単22万340円の高配当を届けたシーンを覚えているファンは多いだろう。そんな難解な一戦だが、実はデータ派としては“勝負できる重賞”でもある。
ここでは近10回を分析して見えてきた「3つの傾向」をお伝えするとともに、今年の激走馬をピックアップしたい。
(1)牝馬優勢
とにかく女の子が強いレースだ。牝馬が【8-5-6-66】勝率9.4%、複勝率22.4%なのに対し、牡馬・セン馬は【2-5-4-70】勝率2.5%、複勝率13.6%だからその差は歴然としている。
回収率を見ても、牝馬が単回99%、複回88%で、牡馬・セン馬は単回50%、複回54%だから牝馬の圧勝だ。3連複や3連単では「牡馬&セン馬は買っても1頭まで」と覚えておきたい。
(2)ディープインパクトの血は武器になる!?
短距離重賞向きとは言いづらいディープインパクトだが、意外にも(?)アイビスSDとは好相性だ。ディープインパクトの孫世代は延べ16頭が出走して【3-0-2-11】勝率18.8%、複勝率31.3%を記録。回収率は単勝318%、複勝でも218%ある。
伏兵の活躍も目立ち、22年は14番人気ロードベイリーフが3着、23年は9番人気オールアットワンスが1着、12番人気のロードベイリーフが3着だった。今年もディープの血を引く馬が波乱の主役となる可能性大だ。
<今年の該当馬>
カフジテトラゴン
カルロヴェローチェ
ショウナンハクラク
シロン
ニシノトキメキ
ピューロマジック
モズメイメイ
(3)千直実績は要チェック
人気薄を買うなら、千直実績のある馬に限る。過去10回のうち単勝20倍以上で3着以内に健闘した6頭に絞り、レース以前の新潟芝1000mの実績を見ると、2頭がオープンで連対、さらに2頭が3勝クラスで連対していた。
他のコースでさっぱりでも、千直なら…というタイプは仮に人気がなくても絶対に押さえておこう。
<今年の該当馬>
・3勝クラス以上の千直競馬で連対実績あり
ウイングレイテスト
カフジテトラゴン
クムシラコ
テイエムスパーダ
ブーケファロス
モズメイメイ
2頭が3つの関門をクリア
3つの条件を全てクリアしたのはカフジテトラゴン、モズメイメイの2頭だ。人気は枠順に大きく左右されるので読みづらいが、配当妙味という点ではカフジテトラゴンが上だろう。
3勝クラスからの格上挑戦だが、新潟芝1000mは【0-4-0-0】連対率100%をマーク。昨秋にはリステッド競走のルミエールオータムダッシュで2着の実績があるので、このメンバーでも大きな力差は感じない。枠順一つで好勝負が期待できるはずだ。
馬券はまずカフジテトラゴンの単勝。馬連は各項目で名前が挙がった馬に流したい。
《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GIのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。
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