北海道の芝1800mで複回収率100%超え 今がアツい!ビッグレッドファーム生産馬のプラス条件を探る
東大ホースメンクラブ

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重賞級の馬と互角に渡り合った実力馬参戦
今週末は福島芝2000mで夏の福島を彩る名物重賞・七夕賞が開催される。昨年はレッドラディエンスが鮮やかな差し切りを決めたが今年はどうなるだろうか? 前年有馬記念の覇者レガレイラの半兄で2022年の菊花賞4着馬のドゥラドーレス、前走で新潟大賞典を勝利したシリウスコルト、昨夏の小倉記念勝ち馬リフレーミングなど楽しみなメンバーがそろった。
これら実績馬に交って有力馬の一角とされているのがコスモフリーゲン。3勝クラスを勝ち上がったばかりであるが、条件戦ではアドマイヤマツリやキングズパレス、リフレーミングなど重賞戦線で活躍する馬たちと接戦を演じており、決して軽視することはできない。
そこで今回はコスモフリーゲンの生産者である「ビッグレッドファーム」について、様々な記録や馬券を買う上でのプラス条件をまとめる。
松岡騎手の「神騎乗」光った2009年天皇賞(春)

<ビッグレッドファーム 各種記録>
【通算GⅠ勝利数】
6勝(中央4勝、地方2勝)
【初重賞制覇馬】
イクスキューズ(2007年 デイリー杯クイーンC)
【初GⅠ制覇馬】
マイネルキッツ(2009年 天皇賞・春)
【最多賞金獲得馬】
マイネルキッツ(5億5703万円)
この章では、ビッグレッドファーム生産馬の各種成績をこれまでの活躍馬とともに振り返っていく。
生産馬による初の重賞勝利は2007年デイリー杯クイーンCを制したイクスキューズ。同馬は新馬戦、クローバー賞とデビューから連勝を決めるも、以降は札幌2歳S3着、ファンタジーS2着、阪神JF5着と重賞の壁に3度阻まれており、これが4度目の重賞挑戦だった。
3番人気に支持されたイクスキューズは外枠からインの3番手を確保。最終直線では危なげなく抜け出し、2着に1馬身半差で快勝した。その後も重賞で3度馬券に絡み、引退後は繁殖牝馬としてウインキートス(2021年目黒記念)を輩出している。
初の平地GⅠ制覇は2009年天皇賞(春)のマイネルキッツ。前年となる2008年には七夕賞3着、新潟記念2着、福島記念2着とローカルの中距離重賞で堅実に走っており、翌年も前哨戦の日経賞を7番人気2着と好走していた。しかし本番では、2007年菊花賞馬のアサクサキングスや2008年ジャパンCを制したスクリーンヒーローが人気を集め、マイネルキッツは12番人気の低評価に甘んじていた。
レースでは1枠2番の好枠を活かして道中はラチ沿いを確保。向正面、坂の上りでアサクサキングスがスパートを開始すると、それに呼応する形でマイネルキッツも4番手までポジションを上げた。ここでは、インを通したままポジションを上げ、4コーナーでもイン突きを敢行。ラチ沿いをスルスル伸びて、2着のアルナスラインをクビ差抑えゴールした。終始インを確保し、極限までロスを削った松岡正海騎手の「神騎乗」が光るレースでもあった。
そのほか、マイネル軍団総帥である故・岡田繁幸氏へ捧げるオークス制覇となったユーバーレーベン、JpnⅠでは岩田康誠騎手でJBCスプリント(盛岡開催)を制したドリームバレンチノ、全日本2歳優駿を制したディアドムス、障害競走では中山GJを制したマイネルネオスなども大舞台で勝利を飾っている。
また2025年7月現在も、弥生賞をレースレコードで制した「強い4歳世代」の一角・コスモキュランダや23年の中山大障害を10馬身差で圧勝したマイネルグロンなど、将来が楽しみな生産馬たちが活躍中だ。
北海道の芝で絶好調!

<ビッグレッドファーム生産馬の「プラス条件」>
・函館・札幌芝【23-39-41-238】
勝率6.7%/連対率18.2%/複勝率30.2%/単回収率74%/複回収率108%
・芝×ジョーカプチーノ産駒【7-6-8-44】
勝率10.8%/連対率20.0%/複勝率32.3%/単回収率86%/複回収率154%
・芝×石川裕紀人騎手【10-8-8-69】
勝率10.5%/連対率18.9%/複勝率27.4%/単回収率229%/複回収率110%
・芝×宮徹厩舎【14-18-17-79】
勝率10.9%/連対率25.0%/複勝率38.3%/単回収率81%/複回収率109%
この章ではビッグレッドファーム生産馬の、馬券を検討する上での「プラス条件」を紹介。なお、データは2020年7月11日〜2025年7月6日の直近5年分を使用する。
■函館・札幌芝
北海道シリーズの芝レースでの成績が素晴らしく、函館・札幌芝では複勝率30.2%、複回収率108%とプラス域をマークしている。いずれの競馬場も狙い目は芝1800m。函館芝1800m【5-10-9-26】複勝率48.0%、複回収率114%、札幌芝1800mは【4-6-3-22】複勝率37.1%、複回収率128%とベタ買いするだけでプラスだ。
■芝×ジョーカプチーノ産駒
複勝率32.3%、複回収率154%と芝レースでの妙味が十分な種牡馬。狙い目はスプリント戦で、芝1400m以下では【7-5-7-37】で複勝率33.9%、単回収率99%、複回収率161%にまでアップする。
その他では、ダノンバラード産駒やダイワメジャー産駒も芝レースの複勝をベタ買いするだけで回収率は黒字となるので、併せて覚えておきたい。
■芝×石川裕紀人騎手
騎手では石川騎手とのコンビで単回収率200%オーバーを叩き出している。特に前走からの継続騎乗だと、【4-4-5-23】で複勝率36.1%、単回収率290%、複回収率175%と非常に優秀な成績だ。
その他では、芝×M.デムーロ騎手【11-16-16-64】で複勝率40.2%、複回収率115%、菅原明良騎手は【3-2-4-18】で複勝率33.3%、複回収率135%あたりもチェックしたい。
■芝×宮徹厩舎
先日の函館記念では管理するマイネルメモリーが14番人気3着と穴を開けた現在、激アツの組み合わせ。なかでも、芝1200m戦では【4-4-4-10】で複勝率54.5%、複回収率228%と圧倒的な数字を記録している。
その他では、1月の小倉牝馬Sを勝利したフェアエールングを管理している和田正一厩舎も芝レースで【7-6-3-24】複勝率40.0%、複回収率193%と素晴らしい成績を収めている。
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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