【関屋記念】「マイル実績」と「先行力」を重視せよ!2つの好データに合致、文句なしの軸馬候補とは?

逆瀬川龍之介

近5年の関屋記念3着以内馬 芝マイルオープン実績の有無割合,ⒸSPAIA

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芝マイル実績は必須級

夏の新潟の名物レースとして定着している関屋記念は、いわゆる“ローカル重賞”にしては実績が問われるレースだ。

それを如実に示しているデータを紹介しよう。2020年以降の近5回で馬券に絡んだ15頭のうち、実に12頭にマイルのオープン1着or重賞3着以内の実績があったのだ。なかでも同年に好走歴があった馬は要注意といえる。


直近5年・関屋記念上位3頭のマイル戦オープン実績,ⒸSPAIA


具体的に見ていこう。最たる例は21年だ。

この年の出走18頭のうち、同年にマイルのオープン1着or重賞3着以内があったのはカラテ、クリスティ、シャドウディーヴァ、ソングライン、ロータスランドの5頭。結果は1着ロータスランド、2着カラテ、3着ソングラインと該当馬が馬券圏内を独占。馬連6710円、3連単は4万6820円の高配当となった。

また、24年も同データに該当した3番人気トゥードジボンと8番人気ディオがワンツー。馬単6200円の配当が出ている。

<今年の該当馬>
アルセナール(2024年クイーンC・2着)
イミグラントソング(2025年ニュージーランドトロフィー・1着)
ボンドガール(2025年東京新聞杯・2着など)
メイショウシンタケ(2023年米子S・1着)
※太字は今年の実績


文句なしの軸馬候補

そしてもう一つ、同じ2020年以降の関屋記念に関して、どうしても紹介しておきたいデータがある。

注目すべきは“前走のレース運び”で、3角通過順位が5番手以内だった馬が【3-3-3-24】勝率9.1%、複勝率27.3%と好成績なのだ。反対に、同6番手以下の馬は【2-2-2-44】の勝率4.0%、複勝率12.0%だからその差は歴然。この原因は何なのか?

ご存じの通り、関屋記念は直線の長い新潟外回りが舞台となっている。それだけに末脚が生きるかと思いきや、実際は真逆。近10回のうち実に7回が後傾ラップ=前半600mよりも後半600mの方が速いのだ。とりわけ21年以降は4回連続で後傾ラップ。それゆえ、直線一気は決まりづらく、ある程度のポジションで運んだ馬が優勢となっている。

今年も極端にペース上がることは考えづらいメンバー構成。やはり先行力は要チェックだ。

<今年の該当馬>
アルセナール
イミグラントソング
シンフォーエバー
シヴァース
ジョウショーホープ
ダイシンヤマト
ハクサンバード
フォーチュンタイム

以上の2つの関門を突破したのはアルセナールとイミグラントソングの2頭だった。なかでもメンバー中唯一、今年のマイル重賞を制しているイミグラントソングを軸に指名したい。

前走のNHKマイルCではハイペースを前々で運んだことが堪え、ゴール前で失速して11着敗退。ただ、当時の先行経験が前有利の関屋記念で生きてくるだろう。2走前にニュージーランドTを制した石川裕紀人騎手とのコンビ復活で、2つ目のタイトル獲得となることを期待する。

馬券はイミグラントソングの単勝が本線。馬連は上記の関門を突破した各馬に流し、高配当ゲットといきたい。

《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GIのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。

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