【関屋記念】ボンドガールとイミグラントソングは消し ハイブリッド式消去法

久保田大五郎

過去10年の関屋記念『前走10着以下』かつ『乗り替わり』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

さて、今週は開幕週のハンデ戦へとリニューアルした関屋記念を予想する。いつも通り過去10年のデータを用いて、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。当てはまった馬を消していく。特別登録馬のうち、除外対象のアームテイルを除いた18頭を対象とする。

『前走9番人気以下』×『前走GⅠ以外』★0.0%★

まずは前走時の人気から。「前走で9番人気以下だった馬」は【0-1-1-50】複勝率3.8%と該当馬が多いにもかかわらず、ほぼ好走がない。

また、好走2例のヤングマンパワーとカラテはどちらも春の東京マイルGⅠからの臨戦であった。言い方を変えると「前走GⅠ以外で9番人気以下だった馬」は【0-0-0-40】と全滅している。

このデータでは3頭が消去となった。いずれも前走は人気だけでなく、着順もふた桁と振るわなかった。劇的一変は望み薄だろう。

【今年の該当馬】
・キョウエイブリッサ
・ゴールデンシロップ
・メイショウシンタケ

『前走10着以下』×『乗り替わり』★0.0%★

続いて、シンプルに直近走の結果が冴えない馬をふるいにかけていく。「前走10着以下に敗れていた馬」は【1-2-0-46】複勝率6.1%と不振で、特に騎手が乗り替わるケースは【0-0-0-38】と1頭も馬券に絡んでいない。

想定騎手を見るに、この項目は該当馬が多く、上位人気が想定されるイミグラントソング、ボンドガールもまとめて消えた。ボンドガールはC.ルメール騎手を配してきたが、ハイペースでも全く折り合いがつかなかった前走を見るに、いくら名手といえどもテン乗りで制御するのは簡単ではなかろう。

【今年の該当馬】
・イミグラントソング
・オフトレイル
・(キョウエイブリッサ)
・シヴァース
・ジョウショーホープ
・シンフォーエバー
・ボンドガール
・(メイショウシンタケ)
・リフレーミング

『牡・セン馬』×『距離延長』★0.0%★

3つ目は性別データを使う。「夏は牝馬」の格言をなぞるように、関屋記念では牝馬がやや優勢。牡馬・セン馬【7-6-6-99】複勝率16.1%に対し、牝馬【3-4-4-33】同25.0%と差がついている。

劣勢の「牡・セン馬」のうち、前走で1400m以下を使われていた「距離延長組」は【0-0-0-18】。昨年4着のロジリオンが最高着順で、掲示板に入った馬も2頭しかいない。

既に消去済みの馬に加え、ここでは阪急杯5着フォーチュンタイムら3頭が脱落した。

【今年の該当馬】
・(オフトレイル)
・(ゴールデンシロップ)
・(ジョウショーホープ)
・ニシノスーベニア
・ハクサンバード
・フォーチュンタイム
・(メイショウシンタケ)

『前走米子ステークス』×『前走3着以下』★0.0%★

ここまで快調に消去が進み、早くも残り5頭まで絞り込めた。そこで4つ目は少しピンポイントなデータで、サマーマイルシリーズ初戦のしらさぎステークス組を狙い撃つ。

前走米子S(=現しらさぎS)組の取り扱いは極めて簡単。連対馬が【2-1-1-1】とそのまま信頼できる一方、「3着以下馬」は【0-0-0-9】と全馬が着外に敗れていた。キープカルムやチェルヴィニアが出走していれば狙い目だったが、今回は両者とも不在だ。

ここでは新たにしらさぎS4着馬ダイシンヤマトが消去となる。これまでキャリアの全4勝が中山マイルに偏っている馬。直線の長い東京や阪神では若干キレ負けする面があり、新潟外回りは歓迎とは言えない。

【今年の該当馬】
・(シヴァース)
・ダイシンヤマト

『6歳以上』×『馬番1~12番』★2.9%★

最後は馬齢と枠順を組み合わせたデータで仕上げとする。過去10年で7歳以上馬の馬券絡みはなく、「6歳以上」で見ても【2-2-1-52】複勝率8.8%と苦戦を強いられている。

また、関屋記念は外枠の活躍が顕著で、高齢馬の数少ない好走例もほとんどが外枠に集中していた。「6歳以上」かつ「馬番1~12番」なら【0-1-0-34】複勝率2.9%と不振。内~中枠に入った高齢馬は消して大丈夫そうだ。

残っている4頭のうち、6歳はカナテープとトランキリテの2頭。カナテープは短期免許初週でいきなり重賞を勝ったR.キング騎手が騎乗予定とあって怖い存在だが、13番から外を引けなければ消して勝負する。

【今年の該当候補】
・カナテープ
・トランキリテ

5つの消去データを終えて、確実に残るのはアルセナールとレガーロデルシエロの2頭。カナテープとトランキリテの取捨が枠順次第となった。

なかでも1頭強調したいのはレガーロデルシエロ。近走は中距離戦を使われてきたが、母デアレガーロは芝1400mの京都牝馬ステークス勝ち馬で、父は言わずと知れた短距離王者のロードカナロア。血統からして距離短縮はプラスに出るだろう。

馬券はまずアルセナールとレガーロデルシエロの馬連・ワイドを中心に、この2頭から枠順で残った6歳馬への馬連フォーメーションも押さえる。

今回からしばらく、わたくし・久保田がこの「ハイブリッド式消去法」の執筆を担当させていただくことになった。といってもフォーマットはそのまま踏襲するので、読者の皆様、お付き合いをよろしくお願いします。

《ライタープロフィール》
久保田大五郎
競馬歴14年目のアラサーおじさん。データを駆使した予想でロマン馬券を狙う。趣味は料理とプロ野球観戦。横浜DeNAベイスターズの大ファンで、好きな選手は宮﨑敏郎。

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