【小倉記念】重賞好走歴あるディープモンスター、上がり馬メリオーレムは消し! ハイブリッド式消去法

八木遊

過去10年の小倉記念「前走10番人気以下」かつ「前走馬体重減」の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

今回は日曜に小倉競馬場で行われる小倉記念を予想する。今年は例年より1か月ほど早く開催されるが、中京開催だった昨年も含めた過去10年のデータを用いて、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、当てはまった馬を消していく。

『前走非重賞』×『キャリア23戦以上』★0.0%★

まずは前走リステッド以下だった馬を取り上げる。ハンデ戦とあって、格下馬でも通用してしまうのか、過去10年の成績は【3-2-2-39】(複勝率15.2%)と悪くない。

ただし、キャリア23戦以上という条件を掛け合わせると【0-0-0-20】(同0.0%)と好走馬はゼロ。前走が非重賞のレースだった馬は、キャリアをチェックしておきたい。

今年はシェイクユアハートとシュタールヴィントの2頭がこのデータに当てはまった。シェイクユアハートは長らく3勝クラスを勝ちあぐねていたが、“15度目の正直”でオープン入り。斤量55kgと恵まれた印象だが、前走がちょうどキャリア23戦目だった。

【今年の該当馬】
・シェイクユアハート
・シュタールヴィント

『前走10番人気以下』×『前走馬体重減』★4.2%★

続いては前走人気と前走馬体重を掛け合わせたデータを見ていく。具体的には前走10番人気以下かつ前走馬体重減だった馬だ。過去10年で24頭がこの条件に該当していたが、成績は【0-1-0-23】(複勝率4.2%)とさえない。唯一馬券に絡んだのは、2021年に5番人気2着のヒュミドールだけだった。

今年このデータに当てはまったのは以下の6頭。ハピは前走の新潟大賞典で3着に好走したが、10番人気と評価は低かった。その前走で馬体重を8kg減らしており今回は消しとする。

【今年の該当馬】
・エピファニー
・グラティアス
・(シュタールヴィント)
・ダンディズム
・ディープモンスター
・ハピ

『前走ハンデ戦』×『前走2000m以外』★4.5%★

3つ目は、前走がハンデ戦だった馬。過去10年で【4-5-5-58】(複勝率19.4%)という成績を残している。ただし同距離組が強く、前走2000m以外だった馬は、【0-1-0-21】(同4.5%)とサッパリ。サマー2000シリーズを狙い撃ちする2000mのスペシャリストが強いレースといえる。

今年は消去済みの2頭を含めた4頭がこのデータに該当。3勝クラスを勝ったばかりのメリオーレムは斤量56kgを課された。鞍上は小倉記念3連覇を狙う川田将雅騎手の予定で今回は上位人気が予想されるが、過剰人気になるとみて消去する。

【今年の該当馬】
・オールセインツ
・(ダンディズム)
・(ディープモンスター)
・メリオーレム

『前走東開催』×『前走500kg以上』★5.9%★

続いては、前走を関東圏(東京・中山・新潟・福島)で走っていた馬。過去10年で【4-5-3-51】(複勝率19.0%)とまずまず。ただし、その前走で馬体重500kg以上だった大型馬は【1-0-0-16】(同5.9%)。夏は小型馬が有利という格言もあり、それに従ってみるのも一つの手だ。

今年は消去済みのエピファニーを含めた3頭がこのデータに当てはまった。いずれも前走が春の新潟遠征だった大型馬。十分な間隔が空いているとはいえ、小倉への長距離輸送も伴うため、調整は簡単ではないはずだ。

【今年の該当馬】
・(エピファニー)
・ショウナンアデイブ
・ナムラエイハブ

『前走初角5番手以内』×『今回斤量2kg以上減』★5.9%★

最後は、前走で先行していた馬に注目した。過去10年の成績が【4-2-3-39】(複勝率18.8%)の初角5番手以内の馬。成績は決して悪くないが、今回の斤量が前走から2kg以上軽くなっていた馬に絞ると【1-0-0-16】(同5.9%)。小倉記念において、先行馬の斤量減は割引材料となる。

今年このデータに当てはまったのは以下の4頭。消去済みの2頭に加えて、スズカダブルとラスカンブレスを消去リスト行きとする。

【今年の該当馬】
・(シュタールヴィント)
・スズカダブル
・(ナムラエイハブ)
・ラスカンブレス

すべての条件を終えて、イングランドアイズ、カネフラ、ニホンピロキーフ、マイネルメモリー、リカンカブールの5頭が残った。

本命には小倉巧者のマイネルメモリーを指名する。同馬は前走の函館記念で最低人気ながら3着に入った。長距離輸送を伴う中2週の強行軍となるが、夏場に強く前走時の状態を維持していれば、再度の好走に期待できる。

買い目は本命馬の単複と、残った馬へのワイド流し。保険として、リカンカブールとニホンピロキーフのワイドも押さえておく。

《ライタープロフィール》
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2023年8月から長期休養に入っていたが、24年6月に再開。今年はワイドを中心にコツコツ的中を狙う。

◆前回の結果◆
<七夕賞>
◎シリウスコルト(3番人気、8着)
〇シルトホルン(4番人気、4着)
▲バラジ(5番人気、11着)
△パラレルヴィジョン(12番人気、9着)

・買い目
◎ 単勝(不的中)
◎ 複勝(不的中)
◎-○▲△ ワイド流し(不的中)
○-▲ ワイド(不的中)

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