【注目2歳馬】ルージュボヤージュが4馬身差で快勝 新種牡馬コントレイル産駒は10頭目で待望の初勝利
三木俊幸

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
2番手追走で折り合い面に不安なし
週末に撮影したレースから、最も印象に残った馬を取り上げる「注目2歳馬」。先週末、7月2週目の函館競馬場ではソダシの半妹マルガが鮮やかな逃げ切りでレコードを更新し、将来性を感じさせるレース内容で注目を集めたが、13日の福島5Rに組まれた芝1800m新馬戦では注目の新種牡馬コントレイル産駒ルージュボヤージュが勝利した。
母はクイーンズアドヴァイス、半兄には同じ国枝栄厩舎からデビューして3歳夏から3連勝するなどJRAで4勝をあげたレッドランメルト、現役ではJRA3勝クラスのオクタヴィアヌスがいる血統。東京サラブレッドクラブでは総額5000万円(一口12万5000円)で募集された。
デビュー戦は馬体重468kg 。6月に入厩してゲート試験もすんなり合格、ここまで1ヶ月と短期間ながら追い切りでも好タイムを記録するなど順調に来たことが評価され、ソングラインの半弟という良血ガードオブオナーらを押さえて1番人気の支持を集めた。
15頭立てのレースは、まずまずのスタートからすんなりと先行し、逃げたジェイドテソーロから半馬身差の2番手外を追走する。13.1-12.6-13.1-13.5-13.0と13秒台のラップが続き、1000m通過は1:05.3という超スローペースも折り合い面での不安は全く感じさせなかった。
残り600mの標識を過ぎると早くも先頭に立ち、直線は外めへと進路を取る。外へとヨレる面も覗かせたが、鞍上の荻野極騎手はほとんど追うことなくノーステッキのまま後続を突き放して4馬身差。勝ちタイムは1:53.6と遅かったが、レース全体の内容は良かった。また開催が進んで時計のかかるタフな馬場状態でもピッチ走法と操縦性の高さを武器に、余裕十分でラスト2F11.7-11.7でまとめた点も評価したい。

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
前週を終了した時点でコントレイル産駒の成績は【0-0-3-5】、12日の小倉5Rでヒメヒオウギが2着と勝利まであと一歩のところまで迫っていたが、10頭目の出走で産駒待望の初勝利となった。14日から始まったセレクトセールでは、上場番号1番メチャコルタの2024が2億6000万円(税抜)で落札。セレクトセールに弾みがつく勝利にもなったと言えるだろう。
夏から秋にかけて、さらに陣営が期待している産駒がデビューしてくる。時期が進んでコントレイル産駒の成績とレース内容の変化は見られるのか、引き続き注目していきたい。

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。
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