【注目2歳馬】エピファネイア産駒ダノンヒストリーが好時計勝ち 「堀宣行厩舎×レーン騎手」は東京の新馬戦連勝
三木俊幸

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
ダノンベルーガ、ボンドガールの弟
昨年6月の東京開催でデビューしたクロワデュノールが日本ダービーを制し、世代の頂点に立ってから1週間。早くも来年の大舞台を目指して2023年産まれの2歳馬たちがデビューした。
今世代最初の「注目2歳馬」として、6月8日(日)の東京5R・芝1800m戦を単勝1.2倍の人気に応えて勝利した堀宣行厩舎所属のダノンヒストリーにスポットを当てる。
父エピファネイア、母コーステッドは半兄に2022年の共同通信杯を制したダノンベルーガ、半姉には重賞勝利こそないが秋華賞2着などの成績を残すボンドガールがいる血統だ。
オーナーは重賞勝ちのある兄と同じダノックス。2024年のセレクトセールにて4億2900万円(税込)という高額で落札された期待馬は馬体重486kgでデビューを迎えた。
好スタートを切ったのはホワイトドラゴン。D.レーン騎手騎乗のダノンヒストリーはまずまずのスタートを決め、軽く促して好位のインを確保しようという騎乗にも見えたが、12.9-11.0(23.9)を刻んだところから逃げる形となった。その後は11.5-12.2-12.2が記録され、1000m通過は59.8。2歳新馬戦としては速い流れだったと言える。
手応えよく直線に向き、残り400mで鞍上がゴーサイン。前半から飛ばしただけにラスト11.3-11.7と減速したのはやむを得ないが、しっかりと追われて後続を振り切り、後続に2馬身半差の快勝。勝ちタイム1:46.8は昨年クロワデュノールがマークした1:46.7に0.1秒差と迫る好タイムだった。
クロワデュノールは2番手に控える形で前半1000m通過が1:01.3、後半800m45.4と持久力勝負になるなか、馬体を併せての追い比べを制するという完璧な内容。これに対してダノンヒストリーは前半1000mが59.8、後半800mが47.0で数字上のインパクトでは及ばないが、大きなストライドでスピード能力があり、ポテンシャルの高さは疑う余地がない。
ただ、これから大きな舞台を目指していくうえではスピードまかせの競馬を続けるわけにもいかず、課題も残した。次走は結果だけでなく、精神面を含めたレース内容でもさらに成長したところを見せてほしい。
2着に敗れたアウダーシアも注目を集めていたが、こちらは出遅れて後方追走となった。道中は頭を上げる場面もあったなか、直線は外から一気に伸びて上がり最速34秒0をマーク。後続には3馬身半差をつけており、こちらも能力の高さを垣間見ることができた。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
オーナーゆかりの血統もつスワーヴリチャード産駒
前日の7日(土)に組まれた芝1600mの新馬戦も「堀宣行厩舎×D.レーン騎手」が活躍。2番人気に推されたスワーヴリチャード産駒ディバインウインドが後続に3馬身半差をつけて勝利した。
好スタートを切るもベルバードを行かせ、そこから4馬身ほど離れた2番手を追走。前半800m通過47.9(12.6-11.6-11.7-12.0)と流れた。直線は馬なりのまま前へと並びかけて残り250mで突き放すと、最後は流す余裕も。勝ちタイム1:34.4はこちらも歴代2位となる好タイムだった。
父スワーヴリチャードだけでなく、母ストロベリームーンもNICKSの所有馬というオーナーゆかりの血統でもある。JRAダート短距離路線で6勝と活躍した母系からも目指すのはマイル路線となりそうだが、新馬戦の走りから今後の活躍が期待できそうだ。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
1番人気ゾロアストロはパドックで入れ込みが目立ち、レースに行くとスタートで出遅れ。しかし最後は前へと迫り、3着以下を3馬身離した。次走では難なく勝ち上がることができる内容は示している。
《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。
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