【日本ダービー】「キャリア」「前走人気」データ重視でエムズ推奨 クロワデュノールは無印
門田光生

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データでは「前走人気」「前走レース」に注目
2025年6月1日に東京競馬場で行われる第92回東京優駿(日本ダービー)。6月にダービーが行われるのは、2014年以来となる。
その年の勝ち馬はワンアンドオンリー。定年間近の橋口弘次郎調教師が、悲願のダービートレーナーとなった年である。
もちろん、それ以外にも感動的なシーンが生み出されるのがこのダービーというレース。果たしてどんな傾向があるのか、今回も過去10年の傾向を基にして調べていきたい。
なお、昨年のダービー馬ダノンデサイルは皐月賞で馬場入場後に競走除外となっている。よって、皐月賞はカウントせず、同馬の前走は京成杯として扱う。
☆所属
美浦3勝(8連対)、栗東7勝(12連対)。勝率は栗東、連対率と複勝率は美浦が上。一昨年は美浦所属馬が、昨年は栗東所属馬が1~3着を独占している。

☆性別
牝馬は2021年サトノレイナス、2024年レガレイラの2頭が出走して、ともに2番人気で5着。今年は出走なし。
☆キャリア
勝ち馬が出ているのは、キャリア5戦以内。連対率が30%近くあるキャリア3戦馬をプラスデータとしたい。キャリア6戦以上で連対したのは、2015年の2着馬サトノラーゼン(キャリア9戦)だけ。

☆前走クラス
前走で重賞を走っていた馬しか連対馬がいない。つまり、トライアルのプリンシパルS(オープン、リステッド)組は結果が出ていないということ。また、連対馬20頭中16頭が前走でGⅠを走っていた。

☆出走馬の主な前走
前走GⅠの連対馬は、すべて皐月賞を経由していた。ほかに連対馬が出ているレースは、京都新聞杯(2頭)、毎日杯(1頭)、京成杯(1頭)だけ。
プリンシパルSと同じで、青葉賞組もここ10年、連対馬が出ていない(それどころか、過去に1頭も勝ち馬が出ていない)。

☆前走着順
連対率と複勝率で1位の前走3着馬をプラスデータとしたい。前走4着、または前走8着以下から連対馬が出ていない。

☆前走人気
連対率がいい前走2番人気と3番人気、勝率がいい前走5番人気がプラスデータ。前走6番人気以下から勝ち馬が出ておらず、前走4番人気、もしくは前走8番人気以下から連対馬が出ていない。

☆その他
連対馬20頭中14頭がノーザンファーム生産馬だった。マイナスデータは「前走で0.9秒以上離されて負けた馬」で、該当馬が連対したケースはない。

第92代ダービー馬候補はエムズ
日本ダービーのデータをまとめてみよう。今回の登録馬に該当するデータは以下の通り。
【好走率アップ】
A「キャリア3戦」
B「前走皐月賞」
C「前走3着馬」
D「前走2番人気、3番人気、5番人気」
E「ノーザンファーム生産馬」
【勝ち馬なし】
F「キャリア6戦以上」
G「前走6番人気以下」
【連対馬なし】
H「前走皐月賞、京都新聞杯、毎日杯、京成杯以外」
I「前走4着、もしくは8着以下」
J「前走4番人気、もしくは8番人気以下」
K「前走0.9秒以上の差で負け」
まず、プラスデータ「A~E」を勝率順に並べると、以下の通りになる。

連対なしの「H~K」に該当しない馬で、プラスデータを最も多く持っているのは、エムズ(ADE)とミュージアムマイル(BDE)の2頭だけ。
ミュージアムマイルはF「キャリア6戦以上」に当てはまっている。該当馬から勝ち馬が出ておらず、連対率1%台も痛い。よって、第92代ダービー馬はエムズが最有力となる。
ミュージアムマイルは好走率が低いデータを内包するのは気になるが、勝率、連対率とも2位のB「前走3番人気」にも当てはまっている。対抗評価で問題ないと判断したい。
続いて連対率順に並べると、以下の通りになる。

プラスデータを2つ持つ馬はたくさんいるので、連対率が25%より上のD「前走2番人気」、D「前走3番人気」、A「キャリア3戦」に該当し、連対なしデータを持たない馬をピックアップする。
まずはファンダム(AD)。2つとも連対率上位のプラスデータなので、これが3番手。4番手以下は、連対率1位のD「前走2番人気」サトノシャイニング、連対率3位A「キャリア3戦」リラエンブレムの順とする。
◎エムズ
◯ミュージアムマイル
▲ファンダム
△サトノシャイニング
×リラエンブレム
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
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