【日本ダービー】ミュージアムマイル、クロワデュノールら皐月賞上位組も全滅危機? ハイブリッド式消去法

八木遊

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『栗東所属』×『ミスタープロスペクター系』★0.0%★

まずは、東西別データから「栗東所属の馬」に注目した。過去10年の成績は【7-5-5-94】(複勝率15.3%)で、複勝率は【3-5-5-54】(同19.4%)の美浦所属馬が上だ。

なかでもキングマンボ系を筆頭とした「ミスタープロスペクター(ミスプロ)系の種牡馬を父に持つ馬」は21頭が出走したが、なんとすべて4着以下に沈んでいる。

今年は対象馬19頭のうち、5頭がこのデータに当てはまった。皐月賞馬ミュージアムマイルは栗東・高柳大輔厩舎所属のリオンディーズ産駒(ミスプロ系)。二冠を目指す馬がいきなり消去の憂き目にあった。

【今年の該当馬】
・エムズ
・ショウヘイ
・ホウオウアートマン*
・マイユニバース*
・ミュージアムマイル


『乗り替わり』×『前走2着以下』★2.1%★

ダービーは長らく“乗り替わり”で勝てないレースだった。過去10年を見ても「鞍上の乗り替わりが発生した馬」の成績は【2-1-1-56】(複勝率6.7%)と低調なままだ。

特に興味深いのが、馬券に絡んだ4頭のうち3頭に「前走1着」という共通点があったこと。「前走2着以下」に限ると【1-0-0-46】(同2.1%)と好走率はさらに下がる。例外は皐月賞2着から戴冠を果たした23年のタスティエーラだけ。2つ目はこの組み合わせを採用する。

予定通りなら、今年のダービーでは約半数の馬に乗り替わりが発生する。このうち前走2着以下だったのは以下の6頭だ。消去済みのエムズに加え、西村淳也騎手から武豊騎手に乗り替わるサトノシャイニング、横山武史騎手から坂井瑠星騎手へ手が戻る皐月賞3着馬マスカレードボールも消去リスト行きとなった。

【今年の該当馬】
・(エムズ)
・カラマティアノス
・サトノシャイニング
・トッピボーン*
・ファイアンクランツ
・ファウストラーゼン
・マスカレードボール


『前走初角9番手以下』×『前走上がり3位以下』★2.2%★

3つ目は、前走時の初角通過順と上がり3ハロンの順位を掛け合わせた。採用したのは「前走初角9番手以下」かつ「前走上がり3位以下」というもの。

前走で中団~後方に位置しながらメンバー中2位以内の上がりを使えていなかった馬は、直線の長い府中では【1-0-0-45】(複勝率2.2%)と苦戦が目立つ。唯一の例外は、18年の覇者ワグネリアンだ。

今年このデータに当てはまったのは、いずれも皐月賞から参戦する4頭。前走でデビューからの連勝が止まったエリキングを新たに消去する。

【今年の該当馬】
・エリキング
・(カラマティアノス)
・(サトノシャイニング)
・(ファウストラーゼン)


『非社台系生産』×『非サンデーサイレンス系』★4.2%★

続いては、過去10年で【2-2-3-60】(複勝率10.4%)の「非社台系生産馬」に注目した。

19年ロジャーバローズと20年コントレイルという2頭の勝ち馬は出ているが、馬券に絡んだ7頭のうち6頭がサンデーサイレンス(SS)系だった。非SS系に限定すると【0-0-1-23】(同4.2%)で、勝ち馬はおろか連対馬もいない。

今年は消去済みのファウストラーゼンに加え、皐月賞4着のエピファネイア産駒ジョバンニ、スクリーンヒーロー産駒のドラゴンブーストが当てはまった。

【今年の該当馬】
・ジョバンニ
・ドラゴンブースト
・(ファウストラーゼン)


『前走初角4番手以内』×『今回7~8枠』★0.0%★

4つの条件を終えて、19頭中14頭が消えた。最後はもう一度、前走レースでの初角通過順を取り上げたい。今回は「前走初角を4番手以内で通過していた逃げ先行馬」が対象だ。

過去10年の成績は【3-4-1-41】(複勝率16.3%)とまずまず。ただし、ダービーで外目の7~8枠に収まった馬は15頭すべてが馬券圏外に消えていた。やはり先行馬にとって外すぎる枠は大きな減点材料になり得る。

残っている5頭のうち、前走初角4番手以内だったのは皐月賞組の2頭。皐月賞1番人気2着の雪辱を期すクロワデュノールは、安定した先行力が持ち味だけに内枠~中枠が理想だろう。もし7~8枠なら思い切って消去する。

【今年の該当候補】
・クロワデュノール
・ニシノエージェント

5つの消去データを終えて、確実に残るのはファンダム、リラエンブレム、レディネスの3頭となった。いずれも今回がGⅠ初出走となる“別路線組”だが、大駆けも可能とみる。

3頭の中でも特に魅力的なのが、デビューから横山典弘騎手が手綱を取るレディネスだ。2戦目の弥生賞こそ8着に敗れたが、東京コースでは2戦2勝。ロスなく立ち回ることができれば、昨年のダノンデサイルの再現があってもおかしくない。

買い目は本命馬の単複とワイド流し。また、今回大きく人気を落としそうなリラエンブレムの複勝も押さえておく。今年は大波乱のダービーを期待したい。

《ライタープロフィール》
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2023年8月から長期休養に入っていたが、24年6月に再開。今年はワイドを中心にコツコツ的中を狙う。

◆前回の結果◆
<オークス>
◎リンクスティップ(3番人気、5着)
〇アルマヴェローチェ(2番人気、2着)
▲タガノアビー(10番人気、3着)
△サヴォンリンナ(11番人気、17着)
※ワイド、三連単→不的中。

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