【オークス】今年は高配当ゲットのチャンス? 桜花賞連対の2頭に立ちはだかる「血の壁」とは

逆瀬川龍之介

父ダイワメジャー系の阪神芝1600mと東京芝2400m重賞成績,ⒸSPAIA

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先週GⅠ制覇の血も東京芝2400mでは割引

今年のオークスは桜花賞の1&2着馬、エンブロイダリーとアルマヴェローチェが人気を集めるだろう。前者は父の父、後者は母の父がダイワメジャーという共通点がある。

最近の芝マイル重賞ではダイワメジャーの血を引く馬が大活躍している。ダイワメジャーは芝1600mから2000mを主戦場にGⅠ・5勝を挙げた名馬。種牡馬としての自己主張も強く、産駒や孫もマイル前後で活躍する馬が目立つ。過去3年に限っても、産駒や孫がGⅠを6勝している。

<ダイワメジャー産駒 or 孫の活躍>
22年 マイルCS セリフォス(父)
23年 マイルCS ナミュール(母の父)
23年 阪神JF アスコリピチェーノ(父)
24年 阪神JF アルマヴェローチェ(母の父)
25年 桜花賞 エンブロイダリー(父アドマイヤマーズ→父の父ダイワメジャー)
25年 ヴィクトリアマイル アスコリピチェーノ(父)
※()内はその馬とダイワメジャーの続柄

GⅠ・2着や3着、あるいはGⅡやGⅢの勝利まで見ていくとキリがないといった感じだ。

ここで今週のオークスに話題を戻そう。注目点の一つが桜花賞を制したエンブロイダリーと、同じく2着だったアルマヴェローチェの再戦だが、この2頭はともにダイワメジャーの孫。ということはマイル適性が◎なので、桜花賞で結果が出たのは納得だが、800m延びて2400mになると?

そこで分かりやすいデータがあるので紹介したい。ダイワメジャーの血を引く馬の、阪神芝1600mと東京芝2400mの重賞成績である。

ダイワメジャーの血を引く馬 重賞成績,ⒸSPAIA


<ダイワメジャーの血を引く馬 重賞成績>
※阪神芝1600m
父ダイワメジャー系【10-9-6-66】
勝率11.0%、複勝率27.5%、単回収率101%、複回収率105%
母の父ダイワメジャー【1-1-1-8】
勝率9.1%、複勝率27.3%、単回収率20%、複回収率41%

※東京芝2400m
ダイワメジャー系(全てダイワメジャー産駒)【0-0-0-17】
母の父ダイワメジャー【0-0-1-2】
勝率0.0%、複勝率33.3%、複回収率113%

一目瞭然、阪神芝1600mの成績の素晴らしさに目が行く。とりわけ父ダイワメジャー系は延べ91頭もの出走がありながら単複ともにプラス回収率だから凄い。ちなみに勝率、複勝率、単勝回収率、複勝回収率は全てディープインパクト系を上回っている。

一方の東京芝2400mはダイワメジャー系と母の父ダイワメジャーを合わせて【0-0-1-19】。22年オークスのナミュールの3着が唯一の馬券圏内だから、かなり手を出しづらい。

さぁ、オークスはどうなるだろうか。しつこいようだがメンバー中に2頭しかいないGⅠ馬が、ともにダイワメジャーの孫というのは興味深く、そして穴党にとっては食いつきたくなるポイント。2頭の実績には敬意を表しつつ、他の馬から高配当を狙うことをオススメしたい。

《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GⅠのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。

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