【オークス】唯一割引データなしのリンクスティップが本命 対抗は好条件4つのブラウンラチェット

門田光生

オークスの前走初角位置別成績(過去10年),ⒸSPAIA

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「キャリア4戦」「前走1、2番人気」などが好走傾向

25日に東京競馬場で行われる第86回優駿牝馬(オークス)。過去にここを勝って燃え尽きた馬が数多くいたように、東京の芝2400mは3歳牝馬にとって過酷な条件となる。その試練を乗り越え、3歳牝馬の頂点に立つのは果たしてどの馬か。今回も過去10年の成績をもとにして検証していきたい。

☆所属
1着馬は東西5頭ずつで互角。2着馬は美浦6頭、栗東4頭で、勝率、連対率とも上回る美浦が若干優勢となっている。

出走馬の所属,ⒸSPAIA


☆キャリア
キャリア4戦から連対馬が9頭出ており、勝率、連対率、複勝率もトップと文句なしのプラスデータだ。キャリア5戦は勝ち馬こそ1頭だけだが、2着馬が5頭。連対率や複勝率はキャリア4戦に見劣りしない。一方、キャリア7戦からは勝ち馬なし。キャリア2戦、もしくはキャリア8戦以上では連対馬すら出ていない。

出走馬のキャリア,ⒸSPAIA


☆前走クラス
勝ち馬が出ているのは、OP・L、GⅡ、GⅠの3パターン。GⅠ組から連対馬が最多の12頭出ているが、勝率以下の数字はOP・L組も負けていない。

出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA


☆出走馬の主な前走
勝ち馬が出ているのは、桜花賞、フローラS、忘れな草賞の3レース。このうち、フローラSだけ勝率2%台と低くなっており、桜花賞と忘れな草賞組が優勢だ。

出走馬の主な前走,ⒸSPAIA


☆前走着順
連対率は前走1着馬、勝率と複勝率は前走3着馬がトップ。前走4着以下は84頭が該当して、1着馬は昨年のチェルヴィニアが唯一となっている。

出走馬の前走着順,ⒸSPAIA


☆前走人気
勝ち馬10頭中、8頭が前走2番人気以内となっている。勝ち馬が出ていないのは、前走3番人気、5番人気、10番人気以下。特に、前走5番人気だった馬はすべて着外に沈んでいる。

出走馬の前走人気,ⒸSPAIA


☆前走馬体重
連対馬20頭中、16頭は前走馬体重が440~479kgの間だった。前走馬体重が490kg上の馬から勝ち馬が出ておらず、前走馬体重が420kg以下、もしくは500kg以上の馬から連対馬が出ていない。

出走馬の前走馬体重ⒸSPAIA


☆前走初角位置
前走で最初のコーナーの入りが5番手以内だった馬から勝ち馬が出ていない。さらに、2番手以内だと、連対馬がいなくなる。このデータからも先行馬に厳しいレースだということがわかる。

出走馬の前走位置,ⒸSPAIA


☆毛色
栗毛からは勝ち馬が出ておらず、芦毛からは連対馬すら出ていない。

出走馬の毛色,ⒸSPAIA


☆その他
前走で1800mを走っていた馬からは、勝ち馬が出ていない。

その他のデータ,ⒸSPAIA


リンクスティップが文句なしの本命

オークスのデータをまとめてみよう。今回の登録馬に該当するデータは、以下の通りとなる。

【好走率アップ】
A「美浦所属」
B「キャリア4戦か5戦」
C「前走桜花賞か忘れな草賞」
D「前走1着か3着」
E「前走1番人気か2番人気」
F「前走馬体重が440~479kg」

【勝率ダウン】
G「前走フローラS」
H「前走4着以下」

【勝ち馬なし】
I「キャリア7戦」
J「前走GⅢ」
K「前走3番人気か10番人気以下」
L「前走馬体重が490~499kg」
M「前走の最初のコーナーの入りが3~5番手」
N「栗毛」
O「前走1800m」

【連対馬なし】
P「前走1勝クラス」
Q「前走5番人気」
R「前走馬体重が420kg以下」
S「前走の最初のコーナーで2番手以内」

勝率順,ⒸSPAIA


勝ち馬が出ていない「I~O」、連対馬が出ていない「P~S」に該当しない馬が本命候補。その中で、A~Fのプラスデータを最も多く持つのは、リンクスティップ(BCDF)とブラウンラチェット(ABCF)で4つだ。

2頭のうち好走率がダウンする「G、H」にも該当していないのは、リンクスティップ。数多くあるマイナスデータが1つもない唯一の馬でもあり、文句なしの本命だ。ブラウンラチェットは勝率が1%しかないH「前走4着以下」に該当するが、プラスデータ4つで補えるとみて対抗評価とする。

これらに続くのはカムニャック(BDF)。こちらも勝率の低いG「フローラS組」なのは気になるが、それ以外のマイナスデータがなく、馬券に絡む確率は高いとみたい。

続いて、プラスデータを連対率順に並べると、以下の通りとなる。

連対率順,ⒸSPAIA


4番手以下については、連対馬が出ていない「P~S」に該当しない馬で検証していく。

ここで最多のプラスデータを持つのは、アルマヴェローチェ(BCE)、エンブロイダリー(ACD)、ゴーソーファー(ABF)の3頭で3つ。アルマヴェローチェは最も連対率がいいE「前走2番人気」、またエンブロイダリーは2番目に連対率がいいD「前走1着馬」に該当するので、△アルマヴェローチェ、×エンブロイダリーの順番としたい。

ゴーソーファーはプラスデータが下位のものばかり。好走率の低いG「前走がフローラS」とH「前走が4着以下」を2つ持っているので、今回はノーマークとしたい。

◎リンクスティップ
◯ブラウンラチェット
▲カムニャック
△アルマヴェローチェ
×エンブロイダリー

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
万博2回目、行ってきました。平日の前回と違って、土曜日に行った影響か、やけに混んでいる印象を受けましたね。帰りをギリギリまで引っ張ると、めっちゃ混雑します。早く切り上げるという選択ができるのも、通期パスの強みですね。

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