少頭数の芝GⅡは特大馬券を掴むチャンス 騎手と脚質に傾向発見、単回収率700%超えの“お宝条件”も

逆瀬川龍之介

10頭以下の芝GⅡレースの逃げ馬成績(2000年以降),ⒸSPAIA

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少頭数は逃げを狙え

札幌記念は特別登録が12頭。先週時点では10頭以下になる可能性もあったが、それなりに頭数が揃った。ただ、近年は海外などレースの選択肢が増えたことで、頭数の揃わない重賞レースも増えてきた。そこで今回は少頭数のGⅡレースの傾向をチェックして狙い方を考察していく。

対象は2000年以降で10頭立て以下の芝古馬GII・68鞍である。騎手別の成績を見ると、武豊騎手が【7-2-2-13】の勝率29.2%、連対率37.5%、複勝率45.8%と優秀。勝っているのは人気馬ばかりかと思いきや、12年の京都記念は5番人気のトレイルブレイザーで勝利。坂の下りで動いて4角先頭、そのまま押し切った積極的な手綱捌きを覚えているファンも多いはずだ。

他では、横山典弘騎手が【4-6-4-6】、岩田康誠騎手が【4-2-5-8】の好成績を残している。そしてこれは余談だが、佐藤哲三元騎手と佐々木晶三調教師のコンビが【5-1-1-3】と素晴らしい成績を残している。その5勝もタップダンスシチー、サクラセンチュリー、インティライミ、アーネストリーと4頭で挙げたものだから凄い。この名コンビが二度と見られないのは返す返す残念である。

続いて脚質別の成績をみていく。こちらは逃げ馬が好成績で【9-7-5-47】の勝率13.2%、連対率23.5%、複勝率30.9%。回収率は単勝が766%、複勝も134%あるから凄い。面白いのは人気別の成績で、3番人気以内は【4-2-1-3】で勝率40.0%、連対率60.0%、複勝率70.0%で高い率を残している。

対照的に8~10番人気は【3-1-0-13】の勝率17.6%、連対率と複勝率が23.5%。当然、率のアベレージは下がるが、00年の日経賞をレオリュウホウ(9番人気・193.9倍)、04年のオールカマーをトーセンダンディ(単勝9番人気、66.7倍)、21年の金鯱賞をギベオン(10番人気、227.3倍)が勝利するなど、超ド級の伏兵が何度も好走している。単勝回収率は驚異の2870%。逃げ馬をしつこく買い続けることが大儲けの秘訣といえるだろう。

そしてもう一つ、距離に言及するならとりわけ逃げ馬が狙えるのは2000m。該当8鞍で【3-1-1-3】の勝率37.5%、連対率50.0%、複勝率62.5%。何より着外3回も全て4着というのが素晴らしい。

9月からは本格的に秋GⅠに向けたトライアルも始まる。しかし、秋は海外に挑戦する有力馬も多く、少頭数になるGⅡレースもありそうだ。そのときには人気薄の逃げ馬から勝負して特大馬券を狙ってみるのもありだろう。

《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GIのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。

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