【ダイオライト記念回顧】セラフィックコールが連覇達成 ズブさを見せるもゴール前で差し切る

三木俊幸

2025年ダイオライト記念勝ち馬セラフィックコール,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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脚があると信じたデムーロ騎手の好騎乗

12日に船橋競馬場で行われたダイオライト記念(JpnⅡ/ダ2400m)はM.デムーロ騎手騎乗のセラフィックコールが勝利し、同レース連覇を達成した。

発走時刻が近づくにつれて雨足が強まり、ひとつ前のレースから馬場状態はワンランク悪化。重馬場で行われた一戦は、スタートしてアウトレンジがハナを切ろうかというところに、いつものように出ムチを入れながら気合いをつけて、外からメイショウフンジンが主導権を奪い切った。

最初の400mまでは12.7-11.2(23.9)というラップだったが、1周目4角から直線に入るところではペースが落ち着く。セラフィックコールは5番手追走ながら隊列は縦長、前3頭からは離れたポジションに。それでもデムーロ騎手は、馬の気持ちを大事に騎乗することを心がけた。

2023年のチャンピオンズC以来、久々の騎乗ながら追い切りで好感触を掴み、状態の良さを感じていたとのこと。ズブさを見せていたが、脚はあるとパートナーを信じ、2周目に入った向正面から前を追い始めた。

3番手から5馬身以上離されていたが、4角では先頭を射程に入れるところまで接近。「頑張って」という気持ちで最後まで必死に追って、先に抜け出したグランブリッジをゴール前できっちり捉え切った。

昨年のダイオライト記念を勝利して以降、GⅠに挑戦するも結果はついてこなかった。スピードを求められると限界があるようにも感じるが、スタミナを武器に長距離ではしっかりと結果を残せるタイプ。適条件なら今後も重賞タイトルを掴んでいけそうだ。


2025年ダイオライト記念1着セラフィックコール,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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グランブリッジは惜しくも2着

紅一点グランブリッジはペースが落ち着いた1周目4角でスルスルと3番手につけた。その後は勝負所で徐々に前との差を詰めて、最後の直線は早め先頭から押し切るかと思わせた。

鞍上の川田将雅騎手も非の打ちどころのない騎乗だったが、最後にクビ差競り負けたところを見ると、距離適性の差が出てしまったか。


2025年ダイオライト記念2着グランブリッジ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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3着メイショウフンジンは前走・佐賀記念を勝利しての参戦だったが、自分の形を崩すことなくハナを奪い切り、マイペースに持ち込んだ。グランブリッジからは3馬身離されたが、後続の追い上げは許さず粘っている。能力を出し切った結果だと言っていいだろう。

JRAから大井への移籍初戦だったディクテオンは4着。2000m以上の交流重賞で結果を残しており、離れた中団から追い上げて地力は見せたものの、展開が味方しなかった。

また、1番人気の支持を集めたアウトレンジは2番手から運んだが伸びを欠いて6着。2周目3角の時点で横山和生騎手の手が動き始め、直線に向いたところでは後退。残り200mのところでは完全に脚が上がってしまった。案外な内容からも、2400mの距離は長かったようだ。


2025年ダイオライト記念6着アウトレンジ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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