【オーシャンS】単回収率189%の5歳が狙い目 中山芝1200mで3戦3勝ステークホルダーを推奨

貴シンジ

オーシャンステークスの年齢別成績,ⒸSPAIA

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3つのファクターから推奨馬を見つけ出す

今回は3月1日(土)に中山競馬場で行われるオーシャンSについて下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。

・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目に見えない上積みを探る「前走内容」
・適性と素質を知るための「血統評価」

特別登録のあった16頭を検討対象とし、過去10年データを使用する。

重要データ:5歳馬が優勢

馬齢別成績,ⒸSPAIA


オーシャンSは春の中山開催序盤に行われる名物スプリント重賞で、高松宮記念のステップレースとして使う馬や、ここを目標に仕上げてくる馬たちが出走することが多い。別定戦ということもあり、レース全体の単勝回収率は68%、複勝回収率は61%と堅い部類に入る。

そんなオーシャンSで重要データとしてあげられるのが「馬齢別成績」。良好なのは5歳馬で、成績は【6-2-4-32】勝率13.6%、複勝率27.3%を記録している。回収率も単勝189%、複勝72%となっていて、いずれも優秀な数字を残している。

ちなみに今回、上位人気が予想されるママコチャは6歳馬でこのデータには該当しない。6歳は【1-4-1-27】で複回収率こそ100%を超えているが、勝率3.0%、複勝率18.2%と好走率はそこまで高くない。

【5歳の出走予定馬】
・カルロヴェローチェ
・サウザンサニー
・ステークホルダー
・スリーアイランド

前走内容:ステークホルダーのサンライズS

ステークホルダーの前走はサンライズS1着。3勝クラス戦だが、中山芝1200mで行われており、今回と同舞台だ。レースのラップは前半3F33.6秒、後半3F34.6秒の前傾1.0秒とやや速い流れになったが、馬場状態を考えれば前々で競馬を進めていた馬が有利だったといえるだろう。

ステークホルダーは中団外目を追走。4コーナーも大外を回す形となったが、急坂で一気に加速して、逃げるイサチルシーサイドをハナ差で捉えてゴールした。3着のマイネルレノンは次走の下関Sで勝ち上がっており、レースレベルは3勝クラスとしては高い部類だった。

ステークホルダーにとって中山芝1200mは【3-0-0-0】と大得意の舞台。昇級初戦となるが、いきなり重賞を制覇しても不思議はない。

血統解説:ママコチャ

ママコチャの血統表,ⒸSPAIA


・ママコチャ
日本での牝祖は3代母ウェイブウインドだが、祖母シラユキヒメがその後継として一族の枝を伸ばしている。この一族は日本に入ってくる前は7代母Milongaを根幹として繁栄した。Milonga自身はイタリアオークス2着の実績がある一流馬。アメリカで広がったファミリーではあるものの、ダート一辺倒というわけではなくMilongaの良さを継承した芝向きの産駒も出している。

日本では18年キーンランドC勝ちのナックビーナスもこのファミリーだ。持続力を生かして競馬をするタイプが多く、成長力を兼ね備えていることも特徴。また、全姉にはGⅠ・3勝の白毛馬ソダシがいるということで、ママコチャはデビュー時から注目されてきた。

父がクロフネで、過去の産駒たちの傾向から牡馬であればダート特化タイプになっていた可能性が高いが、牝馬として生まれたことで牡馬より柔らかさがある。結果、芝でOPクラスまで上り詰めることができた。姉同様に高速馬場への適性は高く、体型的にもよく似ている。

戦績からもわかるが、本馬はパワーのある血統のため急坂のあるコースが得意。中山芝1200mはスプリンターズSを勝利した舞台でもある。年齢は好走データに該当しないが、決して無視できない存在だ。

Cアナライズではステークホルダーを推奨

今回のCアナライズではステークホルダーを推奨する。出世は遅れたが、近4戦で1勝クラスからOPまで一気に駆け上がったように勢いがある。一戦ごとにパフォーマンスを上げており、本格化したと見ていいだろう。

これを迎え撃つのは唯一のGⅠ勝ち馬であるママコチャ。好走データにこそ合致しないが、高い中山適性は言わずもがな。堅いレースである点も考えれば、この2頭から絞って買うのが良さそうだ。

【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。

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