【有馬記念】徐々にポジションアップの前走内容を評価 東大HCの本命はアーバンシック
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グランプリホースに輝くのは
今週日曜日は中山競馬場でGⅠ・有馬記念が行われる。3歳ダービー馬ダノンデサイル、菊花賞馬アーバンシックが主役となるなか、海外で好走したローシャムパークやシャフリヤール、プログノーシス、国内で古馬GⅠを勝利したベラジオオペラやブローザホーンなどが集結した。
ドウデュースの出走取消によって混戦模様となり、どの馬がグランプリホースとなるのか。過去10年データから、悔いのない馬券を組みたい。
4コーナー時点で前にいたい
<有馬記念 4角通過順別成績>
1〜4番手【8-3-4-31】勝率17.4%/連対率23.9%/複勝率32.6%
5〜9番手【2-6-3-42】勝率3.8%/連対率15.1%/複勝率20.8%
10番手〜【0-1-3-57】勝率0.0%/連対率1.6%/複勝率6.6%
秋古馬三冠の中で唯一直線の短い中山競馬場で行われる有馬記念。芝2500mの特殊なコース形態も相まって、いかに良いポジションでラストスパートできるかが重要なレースとなる。4コーナー(2周目。以下同様)通過順別の成績を見てみよう。
成績がいいのはやはり4番手以内。ただし、3コーナーでも4番手以内だった馬が【4-2-4-25】複勝率28.6%に対し、同5番手以下は【4-1-0-6】複勝率45.5%。先行策を取り続けるより、マクリのように徐々に位置を上げる戦術を取ったほうが好走率はグッと高まる。
アーバンシックの菊花賞がまさにそういった競馬で、重い印を打ちたい。
4角10番手以降からの勝利例はなく、2、3着に数頭きている程度。うち18年シュヴァルグラン、19年ワールドプレミア、22年ジェラルディーナは1000m通過61.2秒以下とペースが流れていた。スローペースで差してきたのは20年サラキアだけだ。
前走時の通過順(海外レース除く)で見ても勝ち馬は全て前走4角9番手以内、10番手以下は【0-2-1-35】。ダノンデサイル、ハヤヤッコ、シュトルーヴェが該当する。ダノンデサイルは2走前以前に先行策を取っており他2頭とは少し事情が違うが、菊花賞のような形になると勝機が薄い。
ただし前走先行【1-3-3-30】連対率10.8%、複勝率18.9%と、前走差し【6-4-4-57】連対率14.1%、複勝率19.7%の比較では後者に軍配が上がる。有馬記念で先行した馬に限っても、前走先行【1-1-1-7】複勝率30.0%、前走差し【4-1-0-11】複勝率31.3%。そもそも2走連続で先行できた例の方が少ない上、好走率でも劣っている。
差す競馬をしてきた馬で先行する、あるいは徐々にポジションを上げていくのが有馬記念の好走パターン。この顕著な例がC.ルメール騎手だ。過去10年の当レースで【2-3-2-2】。騎乗した9頭のうち前走差し追込が6頭いたが先行策を6回とり、9戦全て4角8番手以内で回ってきた。
「普通の先行馬」より「差す競馬をしてきたが先行もできそうな馬」を狙うのがベター。スタニングローズやスターズオンアース、ディープボンドといった先行馬は推奨できない。
最後にシャフリヤールについて。大外枠を引いたのち飛び出した逃げ宣言。思い浮かぶのは昨年のスターズオンアース2番手追走からの2着だろう。
しかしデータ上、外枠からの逃げは苦戦傾向。8枠の逃げはアエロリット(12番人気14着)、7枠の逃げは18年キセキ(2番人気5着)、22年タイトルホルダー(2番人気9着)と凡走例が多い。
逃げではないが、14年には7枠のエピファネイアが4角先頭から2番人気5着に敗れた。今回のシャフリヤールも見送りの判断をする。
3連勝へ順風満帆
◎アーバンシック
3歳春は4角10番手以降から届かない競馬が続いたが、秋にC.ルメール騎手に乗り替わってから2連勝と激変した。
菊花賞は道中で隊列の入れ替わりが激しくなり、前に行った馬が全滅するレース展開だったが、コーナー通過順8-8-5-3と中団から徐々に位置を上げる百点満点の競馬で勝利した。
鞍上C.ルメール騎手は前述のように有馬記念でのポジション意識が非常に高い。内枠を生かして先行できれば崩れることは考えづらい。勝利に最も近い存在だ。
◯ダノンデサイル
今年のダービー馬。ダービーはインを突いて先頭に立つと、皐月賞馬ジャスティンミラノらを突き放しての勝利。3枠5番を生かした勝利だったがインパクト十分だった。
菊花賞はコーナー通過順8-9-14-15。前述のように入れ替わりが激しいなかでポジションが下がり、4角で外に出して追い込むも6着。ただ上がり3F2位で格好はつけた。
菊花賞から巻き返した例は14年トゥザワールド(菊花賞16着→有馬記念2着)がいる。中山では京成杯でアーバンシックに土をつけている。同馬より人気を落とすのであれば狙いたい。
▲ジャスティンパレス
「前走差し競馬も先行できる可能性のある馬」としてこの馬を挙げる。昨年は1番人気4着。内容は後方から差し届かずという競馬だった。
今年はドバイSC、宝塚記念と4角時点である程度前につけた。今秋は後方からとなっているが、今回は両隣がシュトルーヴェ、プログノーシスとどちらも追込馬。うまく先行できる可能性は十分ある。
鞍上の坂井瑠星騎手はジャパンCでシンエンペラーに騎乗して逃げを選択。一度控えるも2着に差し返した。前走同様に前々で運ぶことに期待して狙う。
以下ベラジオオペラまで印を回す。馬券は◎軸の馬連で勝負する。
▽有馬記念予想▽
◎アーバンシック
◯ダノンデサイル
▲ジャスティンパレス
△ベラジオオペラ
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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