【朝日杯FS】アルテヴェローチェとアルレッキーノは消し ハイブリッド式消去法

八木遊

過去10年の朝日杯フューチュリティステークス『父がロベルト系』かつ『前走馬体重480kg以下』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週の阪神ジュベナイルフィリーズは最終的に7頭が残り、その中には優勝したアルマヴェローチェと3着のテリオスララも含まれていた。

しかし、ダブル本命に推したのは11着ランフォーヴァウと8着ミストレスの2頭。アルマヴェローチェを本命にすることも一瞬頭をよぎったが、GⅠ未勝利の鞍上を不安視してしまった。

秋のGⅠ戦線も残すところあと3週。今週は阪神JFと同じく、例年とは違う京都芝1600mで行われる朝日杯フューチュリティステークスを予想していく。

阪神JFに出走したショウナンザナドゥを除く18頭を対象に、過去10年のレースで複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、当てはまった馬を消していく。

『前走馬体重増』×『前走0秒6差以上負け』★0.0%★

まずは前走で馬体重が増加していた馬に注目した。このデータでは【7-6-3-80】(複勝率16.7%)で多くの馬が馬券に絡んでいる。しかし、その前走を0秒6以上の差で負けていた馬は【0-0-0-22】で全頭が馬券圏外に敗れている。

対象18頭の中でこのデータに当てはまったのは以下の5頭。いずれも人気薄が見込まれる伏兵候補でまとめて消去する。

【今年の該当馬】
・エイシンワンド
・エルムラント
・クラスペディア
・コスモストーム
・テイクイットオール

『今回距離延長』×『前走馬体重減』★0.0%★

続いて前走の距離別成績を確認する。今回が“距離延長”組は過去10年で【1-2-3-62】(複勝率8.8%)といまひとつ。

これだけでも消去対象の複勝率10%未満だが、ハイブリッド式では別のもう一つを掛け合わせる。今回は前走馬体重がマイナスだった馬をピックアップ。この組み合わせに当てはまった馬は【0-0-0-20】。16年に1番人気で4着に敗れたミスエルテを含めて全頭が馬券圏外に敗れている。

今年は7頭が距離延長になるが、前走マイナス体重だったのは2戦2勝のニタモノドウシだけ。同馬は前走クローバー賞で2歳のコースレコードをマークしたスピードの持ち主。しかし、複勝率0.0%のデータに従って迷わず消去する。

【今年の該当馬】
・ニタモノドウシ

『父ロベルト系』×『前走馬体重480kg以下』★0.0%★

3つ目の条件は血統データから。父ロベルト系の馬に注目した。過去10年の成績は【0-1-0-14】(複勝率6.7%)で、これだけでも消去対象になる。今回はさらに前走馬体重480kg以下というデータを掛け合わせ、その成績は【0-0-0-11】(同0.0%)となる。

今年は上位人気が予想されるアルテヴェローチェを含む以下の5頭がこの条件に当てはまった。阪神JFを制したアルマヴェローチェに続く“ヴェローチェ軍団”の2週連続GⅠ制覇は難しいとみる。

【今年の該当馬】
・アドマイヤズーム
・アルテヴェローチェ
・ソードマスター
・ドラゴンブースト
・ヒラボクカレラ

『美浦所属馬』×『前走上がり3F 3位以下』★0.0%★

4つ目は所属別データから過去10年で【3-1-3-32】(複勝率17.9%)の美浦所属馬を取り上げる。複勝率は栗東所属馬の18.4%とほぼ同じだが、前走上がり3Fが3位以下の馬に限ると【0-0-0-15】(同0.0%)。昨年も2番人気シュトラウスが10着に惨敗している。

今年は二冠牝馬チェルヴィニアを姉に持つ美浦所属馬アルレッキーノがこれに当てはまった。引き続きC.ルメール騎手が手綱を取るものの、今回は消しの人気馬とする。

【今年の該当馬】
・アルレッキーノ
・(エルムラント)
・(ソードマスター)

『前走西開催』×『前走3番人気以下』★4.7%★

最後は前走で京都、阪神、中京、小倉を走っていた馬に注目した。過去10年の成績は【4-4-5-67】(複勝率16.3%)と悪くないが、前走3番人気以下だった馬に絞ると【0-1-1-41】(同4.7%)。複勝率は3分の1以下に下がる。

今年この条件に当てはまったのは3頭。すでに消去したテイクイットオールとドラゴンブーストに加えてダイシンラーを消去リスト行きとする。

【今年の該当馬】
・ダイシンラー
・(テイクイットオール)
・(ドラゴンブースト)

全ての条件を終えて残ったのはタイセイカレント、トータルクラリティ、パンジャタワー、ミュージアムマイル、ランスオブカオスの5頭。この中から本命としてトータルクラリティの名前を挙げる。

前走の新潟2歳Sで2着に破ったコートアリシアンが先週の阪神JFで6着に敗れたため、本馬の評価も相対的に下がりそうだが、前走は最後の直線でいったん交わされた後に内から差し返す好内容だった。前走で見せた勝負根性を買いたい。

買い目は本命馬の単複に加えて、残った4頭に流すワイド馬券。さらに保険でタイセイカレントとランスオブカオスのワイド1点も押さえておく。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2023年8月から長期休養に入っていたが、24年6月に再開。今年はワイドを中心にコツコツ的中を狙う。

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