【朝日杯FS】“連対率50.0%”サウジアラビアRC組が主役 好条件4つを満たすアルテヴェローチェ&アルレッキーノ

門田光生

朝日杯FSの前走着順別成績(過去15回),ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

勝ち馬はすべて「前走1着馬」

2024年12月15日に行われる第76回朝日杯フューチュリティステークス(朝日杯FS)。先週の阪神JFと同じく、今年は京都競馬場が舞台となる。阪神JFは後の三冠牝馬など多数の活躍馬を出しているが、この朝日杯FSも負けていない。

近年でいえば2021年ドウデュース(ジャパンC)、2023年ジャンタルマンタル(NHKマイルC)など、3歳以降もGⅠで活躍する馬を輩出。阪神JF同様、完成度の高さだけでは勝てないGⅠとなっている。

朝日杯FSにはどんな傾向があるのか。過去15年の傾向を基に検証していく。

☆所属
美浦6勝(11連対)、栗東9勝(19連対)。栗東所属馬が美浦所属馬の3倍近く出走していることもあり、勝率、連対率、複勝率で美浦所属馬が栗東所属馬を上回っている。

出走馬の所属,ⒸSPAIA


☆性別
牝馬も出走可能だが、1週前の阪神JFに出走する馬がほとんど。過去15年で牝馬は8頭出走して、3着が2回、着外が6回と悪くはないが、今年は阪神JFに出走済のショウナンザナドゥを除いて登録がない。

出走馬の性別ⒸSPAIA


☆キャリア
勝ち馬が出ているのはキャリア5戦以内で、6戦以上だと3着馬が1頭出ているだけ。好走する確率が高いのは、キャリア2戦の馬で連対率は24.6%と抜けた数字だ。

出走馬のキャリアⒸSPAIA


☆前走クラス
勝ち馬を最も多く出しているのは前走1勝クラス(5勝)で、連対馬が多く出ているのは前走GⅡ組(11連対)となっている。

出走馬の前走クラスⒸSPAIA


☆主な前走
GⅢのサウジアラビアRC組が【3-2-1-4】勝率30.0%、連対率50.0%、複勝率60.0%と、高確率で馬券に絡んでいる(重賞時代、いちょうS時代は除く)。サンプルは10頭と少ないが、かなり強いデータといっていい。

出走馬の主な前走ⒸSPAIA


☆前走着順
勝ち馬15頭はすべて前走を勝利していた。1着馬を探すなら、この条件を満たすのは必須となる。

出走馬の前走着順ⒸSPAIA


☆前走着差(前走2着以下)
前走0.6秒以上の差で負けた馬は、好走率が著しく低くなっている。

出走馬の前走着差ⒸSPAIA


☆前走人気
前走で1番人気に支持されていた馬が9勝(15連対)。勝率15.5%、連対率25.9%と好走率も同2番人気以下と比べて格段に高い。同2番人気も勝率9.1%、連対率13.6%と悪くはないが、同3番人気以下となると、勝率は1%台まで下がってしまう。

出走馬の前走人気ⒸSPAIA


☆前走馬体重
大型馬が活躍する傾向にある。前走馬体重が500kg以上あった馬の成績は【6-3-2-26】。一方、前走馬体重449kg以下は【0-0-2-33】と、連対馬が出ていない。大型馬、つまりパワー型が有利と出ているが、今年は最後の直線が平坦な京都コース。このデータに関しては、過信してはいけないかもしれない。

朝日杯FS出走馬の前走馬体重ⒸSPAIA


☆主な前走場所
出走頭数が多い中央4場での比較だと、前走東京だった馬が10勝、2着も10回ある。勝率、連対率、複勝率も、ほか3場に比べていい。また、前走中山組で馬券に絡んだ馬はいない。

出走馬の前走場所ⒸSPAIA


☆その他
そのほかで気になったデータは2つ。まずは前走距離で、1200mからの距離延長だった馬はすべて馬券圏外だった。もう一つはローテーション。中1週以内での臨戦で連対した馬はいない。

その他のデータⒸSPAIA


サウジアラビアRC組に注目

朝日杯FSのデータをまとめてみよう。

【好走率アップ】
A「美浦所属」
B「キャリア2戦」
C「前走サウジアラビアRC(GⅢ昇格後)」
D「前走1着」
E「前走1番人気」
F「前走馬体重500kg以上」
G「前走場所が東京」

【好走率ダウン】
H「前走3番人気以下」
I「前走0.6秒差以上の負け」

【連対馬なし】
J「前走馬体重が449kg以下」
K「前走場所が中山」
L「前走が1200m」
M「中1週以内」

今回の登録馬は19頭。このうち、「連対馬なし」J~Mに該当する馬は6頭。これを消して、残った13頭で比較していく。

今回はプラスデータが7つ(A~G)と多い。このうち、強データといえるのは、C「前走がサウジRC(GⅢ昇格後)」。勝率30%、連対率50%は、他の追随を許さない。

登録馬の中で、プラスデータに最も多く該当していたのは、アルテヴェローチェ(BCDG)、アルレッキーノ(ACEG)の2頭(同じく、4つ持っているソードマスターは回避予定により注とする)。両馬ともに、今回の最強データ「C」を持っている。ただし、過去の勝ち馬15頭に共通するD「前走1着」を持っているのは、アルテヴェローチェのみ。よって、◎アルテヴェローチェ、◯アルレッキーノの順とする。

次にプラスデータを3つ持つのが、タイセイカレント(BCG)、ニタモノドウシ(ABD)、パンジャタワー(BDG)の3頭。このうち、唯一マイナスデータを持たないのはニタモノドウシ。同馬を3番手とする。

タイセイカレントとパンジャタワーは、好走率が下がるH「前走3番人気以下」に該当。ただ、このHからは連対馬が9頭とそれなりに出ているので、押さえ候補とする。この2頭の比較では、強データC「前走サウジアラビアRC」を持つタイセイカレントを上に取る。

◎アルテヴェローチェ
◯アルレッキーノ
▲ニタモノドウシ
△タイセイカレント
×パンジャタワー
注ソードマスター

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
園田競馬の大一番、園田金盃では痛い目に遭いました。ファン投票レースの借りはファン投票レースで、というわけで、今年も有馬記念にすべてを託します。毎年、背水の陣となっているような……。

《関連記事》
【朝日杯FS】アルテヴェローチェとアルレッキーノは消し ハイブリッド式消去法
【朝日杯FS】最有力は出世レース制したアルテヴェローチェ 距離延長に対応したパンジャタワーも見逃せない
【朝日杯FS】過去10年のレースデータ

おすすめ記事