【カペラS】単回収率100%超の“距離短縮馬”に注目 血統やコース合うチカッパを信頼
貴シンジ
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3つのファクターから推奨馬を見つけ出す
今回は12月8日(日)中山競馬場で行われるカペラSについて下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。
・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走内容」
・適性と素質を知るための「血統評価」
特別登録のあった21頭を検討対象とし、過去10年データを使用する。
重要データ:距離短縮馬に注目
カペラSが行われる中山ダート1200mは他競馬場のコースに比べてスタミナが求められる条件だ。そのため、前走距離別成績が有効なデータとなる。
今回、距離延長となる馬の成績は【0-0-0-5】で好走馬はゼロ。同距離の場合は【5-7-5-78】で好走馬は多いが、単勝回収率30%、複勝回収率56%となっていて低調な数字だ。
一方、距離短縮組は【5-3-5-46】で単勝回収率115%、複勝回収率71%。レース全体の単勝回収率61%、複勝回収率60%であることから優秀な成績と言える。
なかでも前走5着以内だった馬に絞れば【4-2-5-17】で単勝回収率225%、複勝回収率134%となり、さらに上昇する。上位人気が想定されるサンライズアムール、ジレトールはいずれも前走1200m。好走する可能性は十分あるが、馬券妙味は距離短縮馬にある。
【今回が距離短縮で前走5着以内の出走予定馬】
・インビンシブルパパ
・チカッパ
前走内容:チカッパのJBCスプリント
チカッパの前走はJBCスプリント2着。そこまでペースが上がったわけではないが、中団からレースを進めた馬が有利な展開だった。チカッパは道中5番手付近を追走して3~4コーナーで一気にまくる競馬。JpnⅠとしてはメンバーレベルがやや低調だった印象はあるが、当日の馬場状態やレース展開を考えれば、よく踏ん張って2着と見せ場を作った。ベストより1F長い距離だったことを考えれば十分な結果と言える。今回は1200mに戻って戦いやすくなるはずだ。
血統解説:チカッパ
・チカッパ
母ユニキャラが米国産馬のため日本での牝祖は母。長く米国で繋がってきた牝系で、伯父のZensationalはビングクロスビーS(GⅠ・ダート6F)勝ちなどダート短距離GⅠを3勝した実績馬。母もJRAのダート5Fで1勝しており、タフなラップ構成に強く、スピード性能が高いことがファミリーの特徴だ。
本馬は父にリアルスティールを迎えた。まだ3歳で柔らかさがあり、後方からも競馬ができるが、本来はポジションをしっかり確保してしぶとく粘るタイプだろう。
中山ダート1200mは1勝クラスを完勝した舞台でコース適性は高い。今回は前々で運びたい馬が多く、中団で脚を溜め直線で進路さえ確保できれば勝ち負け必至だ。
Cアナライズはチカッパを推奨
今回のCアナライズはチカッパを推奨する。前走JBCスプリントはJpnⅠとしては低調なメンバー構成だったが、今回も例年のカペラSと比較すると、少しメンバーレベルは低い印象。これなら斤量58kgでも十分勝負になる。
また、距離が1F短くなるのも好材料で、チカッパにとってもベストな条件と言える。ここを勝って国内ダートスプリント路線では敵なし。というところを見せてほしい。
【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。
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