【秋華賞】決め手は連対率50%超え「牝馬の国枝」 ステレンボッシュの二冠達成をデータが後押し

門田光生

秋華賞の前走着順別成績(過去15年),ⒸSPAIA

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ローテーションの傾向が変化

2024年10月13日に京都競馬場で行われる第29回秋華賞。昨年、リバティアイランドが牝馬三冠を達成したのは記憶に新しい。同馬は桜花賞、オークス、そして秋華賞しか3歳限定戦を走っておらず、同じく三冠牝馬の2018年アーモンドアイ、2020年デアリングタクトの2頭も秋華賞はオークスからのはぶっつけ本番だった。

一方、それ以前の三冠牝馬の2010年アパパネ、2012年ジェンティルドンナは秋初戦にローズSを使われていた。このように近年は狙ったレース以外をできるだけ使わないローテーションが主流。今年も桜花賞馬ステレンボッシュ、オークス馬チェルヴィニアがそろってオークスからの直行となっている。

競馬観戦にはもってこいの季節となってきたが、淀で最後の花を咲かせるのはいったいどの馬か。今回はGⅠということで過去15回のデータを使い検証していく。

☆所属
美浦所属馬は107頭が出走して3勝(8連対)、栗東所属馬は156頭が出走して12勝(22連対)と後者が優勢となっている。

美浦所属馬では国枝栄厩舎が【3-2-0-4】連対率55.6%と抜群の成績。過去にはアパパネやアーモンドアイが牝馬三冠を達成。今年は桜花賞馬ステレンボッシュが同厩舎から出走予定で当然ながら注目の1頭となる。

出走馬の所属,ⒸSPAIA


☆キャリア
最も連対馬が出ているのはキャリア6戦で8頭。ただし、各好走率まで見るとキャリア4~8戦まで大きな差はない。キャリア9戦以上は連対率がガクッと落ちる(今回は該当馬なし)。

出走馬のキャリア,ⒸSPAIA


☆前走クラス
重賞以外から挑んで勝利したのは、2014年のショウナンパンドラ(重賞昇格前の紫苑S)だけ。条件戦からも2着馬2頭が出ているが、それ以外の連対馬27頭は前走で重賞を走っていた。

重賞組のなかでは、前走GⅠ組が【5-1-2-20】勝率17.9%、連対率21.4%、複勝率28.6%で他に大きな差をつけている。ちなみにGⅠ組はすべてオークスだった。

出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA


☆主な前走レース
連対数だけならローズS組が13連対(5勝)と一番多い。ただ2015年にミッキークイーンが勝利して以来、勝ち馬が出ていない。これは翌年の2016年から紫苑SがGⅢに昇格したのが少なからず影響していると考えられる。

2016年以降での連対数を比較すると、オークスが6連対(5勝)、紫苑Sが7連対(3勝)、そしてローズSは2連対(0勝)。紫苑Sの台頭とともに、ローズSの存在感がなくなっているのが分かる。今回は2016年以降の成績から前走ローズS組は割り引き対象とする。

秋華賞出走馬の主な前走,ⒸSPAIA


☆前走着順
勝ち馬が出ているのは前走4着以内のみ。勝率は同2着馬が14.7%でトップだが、連対率で見るといずれも17~18%台とほぼ同率だった。一方、同5着からは連対馬が2頭出ているが、同6着以下からは連対馬も出ていない。

出走馬の前走着順,ⒸSPAIA


☆前走着差
前走2着以下から勝った8頭はすべて0.4秒差以内負け。その成績は【8-6-5-56】連対率18.7%。一方、0.5秒差以上負けだと【0-2-3-101】連対率1.9%で好走率は大きくダウンする。

出出走馬の前走着差,ⒸSPAIA


☆前走人気
勝ち馬はすべて前走4番人気以内に支持されていた。特に同1番人気は【11-3-5-35】勝率20.4%、連対率25.9%、複勝率35.2%と抜群。また同5番人気以下は【0-5-4-110】連対率4.2%、複勝率7.6%となっている。

出走馬の前走人気,ⒸSPAIA

☆前走距離
母数はそう多くないが、前走1700m以下だった馬は馬券に絡んでいなかった。

出走馬の前走距離,ⒸSPAIA

相性抜群の「国枝栄厩舎」が決め手

秋華賞のデータをまとめてみよう。

【好走率アップ】
A「国枝栄厩舎所属」
B「前走オークス」
C「前走4着以内」

【勝ち馬なし】
D「前走ローズS(※2016年以降勝ちなし)、または条件戦」
E「前走0.5秒以上負け」
F「前走5番人気以下」

【連対馬なし】
G「前走6着以下」
H「前走1700m以下」

好データが多いのはやはり桜花賞馬ステレンボッシュ(ABC)と、オークス馬チェルヴィニア(BC)。マイナスデータはともにない。どちらにも二冠達成の可能性は十分ありそうだが、より期待できるのはプラスデータ3つのステレンボッシュだ。

データAの「国枝栄厩舎所属」の馬は9頭が出走して3勝、2着2回。「牝馬の国枝」の名に違わぬ活躍ぶりである。ほかにプラスデータを3つ持つ馬もおらず、データ上も文句なし。二冠達成の可能性が高いのは、ステレンボッシュとみた。

相手候補はプラスデータ2つ、マイナスデータなしのチェルヴィニア。ほかに同条件の馬は見当たらず、桜花賞、オークス勝ち馬での◎、◯となった。

この2頭以外にマイナスデータを持たないのは、近年存在感を見せている紫苑S組のミアネーロ(2着)とボンドガール(3着)だ。前走着順データでは、同2着馬の勝率が最も高いので、▲ミアネーロ、△ボンドガールの順番とする。

残った馬は何らかのマイナスデータに該当。上位人気が濃厚な2頭が◎、◯なことから大きな配当は期待ができず、印は4頭にとどめたい。

◎ステレンボッシュ
◯チェルヴィニア
▲ミアネーロ
△ボンドガール

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
ツイていないことが続いたので、神社にお参りに行ってきました。行ける範囲の神社にどんなご利益があるか調べると、いろいろあるものですね。御朱印集めをする人の気持ちが分かる気がしました。

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