【オールカマー】人気上位の4歳馬は安定感抜群 東大HCの本命はレーベンスティール

東大ホースメンクラブ

オールカマー 人気別の連対率(中山開催の過去9年)

ⒸSPAIA

天皇賞(秋)への前哨戦

今週日曜日、中山競馬場でGⅡ・オールカマーが行われる。前走エプソムCを制したレーベンスティールや札幌記念3着馬ステラヴェローチェ、昨年のダイヤモンドS勝利以来約1年半ぶりのレースとなるミクソロジーなど、15頭が出走予定だ。

優勝馬に天皇賞(秋)への優先出走権が与えられる前哨戦だが、それ以外のキャリアを占う上でも重要なレースといえる。直近3年の勝ち馬を見ても、21年のウインマリリンと22年ジェラルディーナは後にGⅠを勝利、昨年のローシャムパークも今年の大阪杯2着と大舞台で活躍している。果たして今年はどの馬が勝利するのか。中山開催の過去9年データ(14年は新潟開催のため除外)から検討していく。

堅い決着が多い

オールカマーの人気別成績,ⒸSPAIA


<オールカマーの人気別成績>
1~3番人気【4-7-4-12】勝率14.8%/連対率40.7%/複勝率55.6%
4~6番人気【5-2-2-18】勝率18.5%/連対率25.9%/複勝率33.3%
7~9番人気【0-0-3-24】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率11.1%
10番人気~【0-0-0-38】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%

オールカマーは上位人気が強く、波乱が起きにくいレース。勝ち馬9頭すべて5番人気以内で、馬連万馬券が出たのも22年だけだ(1着5番人気ジェラルディーナ、2着6番人気ロバートソンキー)。

1~3番人気は4勝。複勝率は50%を超え、全滅したのは前述の22年だけ。特に4歳馬は【3-3-1-3】と半数以上が連対している。心房細動を発症したソーヴァリアントを除くと全馬が掲示板確保と安定感抜群だ。今年はレーベンスティールが高確率で該当し、サヴォーナも該当する可能性がある。また6歳馬も【0-2-1-1】で、勝ち馬はいないものの掲示板を外していない。ステラヴェローチェも推奨する。

次に4~6番人気。勝率は1~3番人気を上回るが連対率、複勝率は人気通り。この人気帯は先行馬【1-0-0-6】に対し、差し馬が【2-2-2-6】であり、前残りより差しの一発に期待といったところ。サリエラやヤマニンサンパが候補となる。

7~9番人気になると一気に連対例がなくなる。3着3例も7番人気であり、8番人気以下は【0-0-0-56】。かなり厳しいといっていいだろう。今年も半数の7頭から、どれだけ頭数を絞るかの戦いと考える。

秋のGⅠシーズンへ

◎レーベンスティール
香港ヴァーズ、新潟大賞典と2戦連続で大敗したが、59kgを背負ったエプソムCは先行して上がり3F1位タイの横綱相撲。後続に0秒3差をつけての快勝し、見事な復活劇をみせた。同コースのセントライト記念では皐月賞馬ソールオリエンスを撃破しており、コース適性は十分。そして鞍上のルメール騎手は過去9年でオールカマー2戦2勝。内枠に入り不安材料はない。ここを勝利して秋のGⅠシーズンに向けて弾みをつけたいところだ。

◯サヴォーナ
1年以上勝ち星から遠ざかっているが、最低着順は6着と大崩れはしていない。今年1月の日経新春杯は後の宝塚記念勝ち馬ブローザホーンの2着。函館記念は久しぶりの2000m戦で、隣のオニャンコポンに被され普段通りの先行策を取れなかった。しかし後方で脚を溜め、外から末脚勝負と新境地を見せた。前残り決着の中3着とハナ差の4着は健闘といっていい。今回初タッグとなる横山武史騎手もオールカマー2戦2勝。6枠11番とやや外枠なのが唯一のマイナス点であり、対抗評価とした。

▲ステラヴェローチェ
長期休養明け直後は大敗だったが、大阪城Sの勝利から激変。GⅠ大阪杯は勝ち馬と0秒1差の4着と健闘。安田記念9着もマイルの第一線級と戦って十分な結果。前走の札幌記念も中団から上がり2位の脚で3着に入った。中山芝2200mは初挑戦だが、これまでコース不問で結果を残しており特に問題ない。レーベンスティールの隣という好枠を引けたのも大きく、上手くマークしながらレースを進めれば一発も考えられそうだ。

以下サリエラ、ヤマニンサンパまで印を回す。馬券は◎軸の3連複で勝負する。

▽オールカマー予想▽
◎レーベンスティール
◯サヴォーナ
▲ステラヴェローチェ
△サリエラ
×ヤマニンサンパ

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。


《関連記事》
【オールカマー】ステラヴェローチェとサヴォーナは消し ハイブリッド式消去法
【オールカマー】「連対なし」該当のレーベンスティールは無印 本命はプラスデータ2つのサヴォーナ
【オールカマー】過去10年のレースデータ

おすすめ記事