【オールカマー】ステラヴェローチェとサヴォーナは消し ハイブリッド式消去法

八木遊

過去10年のオールカマーの消去データ,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

セントライト記念は1番人気コスモキュランダを軸に、三連複7点で勝負した。結果は上位人気3頭による決着で配当は1070円。ガチガチだったとはいえ、プラス収支だったことを前向きにとらえたい。

今週予想するのは、22日に中山で開催されるオールカマーだ。先週のセントライト記念と同じく、2014年は新潟芝2200mで行われたが、その一戦も含めた過去10年データを対象とする。いつも通り、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、当てはまった馬を順番に消していく。

『前走上がり3位以内』×『キャリア16戦以上』★0.0%★

最初に取り上げるのは、前走上がり3Fタイム。過去10年の同タイム3位以内の成績は【4-3-3-30】(複勝率25.0%)で十分勝負になっている。

ただし、キャリア16戦以上だと【0-0-0-21】(0.0%)とサッパリ。狙うならキャリア15戦以下の馬がベターだ。

今年このデータに当てはまったのは、キャリア17戦目の前走、札幌記念で上がり2位の末脚を使ったステラヴェローチェだけ。

GⅠでも好走歴がある実力馬で、今回も上位人気に推されることは間違いないが、思い切って消去する。

【今年の該当馬】
・ステラヴェローチェ

『非社台系生産』×『前走馬体重500kg以上』★0.0%★

次は生産者に注目した。取り上げるのは過去10年で【3-4-3-58】(複勝率14.7%)の非社台系生産馬だ。

3年前には1~3着を独占したこともあるが、馬券圏内に入った10頭に共通していたのは、前走馬体重が499kg以下だったこと。逆に前走が500kg以上だった馬は【0-0-0-13】(同0.0%)と凡走していた。

今年この条件に該当したのは、サヴォーナとラーグルフの2頭。両馬とも近走は勝ちから見放されており、今回はそろって消去リスト行きとする。

【今年の該当馬】
・サヴォーナ
・ラーグルフ

『前走GⅢ以下』×『前走で人気を上回る着順』★2.9%★

続いては前走クラス別成績から、GⅢ以下を走っていた馬を取り上げる。過去10年の成績は【4-2-4-61】(複勝率14.1%)と低調。特に前走で人気を上回る着順に好走していた馬は【0-1-0-34】(同2.9%)で大苦戦していた。

馬券に絡んだのは19年に3番人気で2着のミッキースワローだけだった。

今年は以下の4頭がこの条件に当てはまった。4連勝中のミクソロジーは、昨年のダイヤモンドSを重賞初出走で勝利。その後は脚部不安で長期休養をとっていた。距離は問題ないが、さすがにブランクが長すぎだろう。

【今年の該当馬】
・アルビージャ
・ナイママ
・ミクソロジー
・リカンカブール

『前走ローカル』×『前走7着以下』★3.4%★

4つ目の消去データは、前走でローカルを走っていた馬を取り上げる。過去10年の成績は【3-3-4-61】(複勝率14.1%)。複勝率は前走中央開催組(同28.8%)を大きく下回っている。

特に前走7着以下だった馬は【0-1-0-28】(同3.4%)。巻き返したのは、21年に5番人気で2着に入ったウインキートスだけだ。

今年は以下の5頭が該当。このうち2頭はすでに消去済みで、新たにアウスヴァール、フェーングロッテン、ロバートソンキーを消去する。

【今年の該当馬】
・アウスヴァール
・(ナイママ)
・フェーングロッテン
・(リカンカブール)
・ロバートソンキー

『前走上がり4位以下』×『今回馬番10番より外』★3.1%★

4つの条件を終えて、登録馬15頭のうち10頭が消えた。最後は再び前走の上がり3ハロン順位を取り上げる。ここでは前走上がり4位以下の馬を対象とする。

今回のデータは枠順と組み合わせるため、14年の新潟開催を除く中山開催の過去10回(13年、15~23年)のデータを用いる。

過去10回で前走上がり4位以下の馬の成績は【5-4-6-73】(複勝率17.0%)とまずまず。ただ馬番10番から外の馬は【1-0-0-31】(同3.1%)と苦戦していた。前走で速い上がりを使えていない馬は、内目の枠がほしいところだ。

残っている5頭のうち、前走上がり4位以下だったのはキラーアビリティ、サリエラ、ヤマニンサンパの3頭。もし2桁馬番を引き当てたときは消去する。

【今年の該当候補】
・キラーアビリティ
・サリエラ
・ヤマニンサンパ

全ての条件を終えて確実に残るのは、ニシノレヴナントとレーベンスティールの2頭。実績的には、1年前のセントライト記念を快勝した後者を本命に推すのが無難だろう。

しかし、中山巧者という点ではニシノレヴナントも負けていない。3走前のグレイトフルSではキングズパレスに競り勝っており、実力は重賞級だ。東京で走った近2走は、スタート直後の不利と出遅れが響いた印象。久々がどうかだが3着内なら十分チャンスはある。

買い目は本命ニシノレヴナントの単複と、ワイド流し。さらにレーベンスティール1着の馬単をニシノレヴナント含む消去を免れた馬に流す。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2023年8月から長期休養に入っていたが、24年6月に再開。今年はワイドを中心にコツコツ的中を狙う。

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