【テレ玉杯オーバルスプリント回顧】スマイルウィがダートグレード初V 矢野貴之騎手「辛抱強く走ってくれました」
三木俊幸
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
ダートグレード競走初制覇
浦和競馬場を舞台に争われたテレ玉杯オーバルスプリント(JpnⅢ・ダ1400m)は、出走7頭中6頭が単勝10倍以下と混戦模様となったなかで、船橋所属のスマイルウィが勝利。通算では重賞7勝目、4度目の挑戦(出走取消した2023年かしわ記念を除く)でダートグレード競走を初制覇した。
当日は夕方からポツポツと雨が降り始め、出走馬がパドックから本馬場へと入場しようかというタイミングで大粒の雨となった。
天気予報の雨雲レーダーをチェックすると降水強度は上から3番目の黄色が表示されるほどの降り方。人馬ともにタフな状況でレースを迎えた。
スマイルウィは大外7番ゲートから好スタートを決めて先行集団に取り付いたが、逃げたのは地元浦和所属のシーサーペント。2番手に出走唯一の3歳馬イーグルノワールが続き、スマイルウィは3番手の外を追走した。
向正面に差しかかり、前半600mのラップは12.0-11.6-12.2(35.8)。そこから12.4と若干ペースが落ち着くかと思われたところで、後方2番手にいたサンライズホークがマクってハナを奪い、様相が一変した。
3角の勝負所では11.8とペースが上がり、スマイルウィは4番手にポジションを下げたが、リズムを崩さず4角では先頭に。そのまま後続を振り切って2着馬に3/4馬身差をつけた。
騎乗した矢野貴之騎手は「少頭数ながら厳しいレースになりましたが、馬が辛抱強く走ってくれました」と振り返った。
2022年3月に重賞に初挑戦して以降、12戦連続で3着以内(出走取消した2023年かしわ記念を除く)と安定していたが、前走のスパーキングサマーCでは2番手追走も直線で失速。勝ち馬から2.6秒離された10着に終わった。
矢野騎手も半信半疑なところがあった、とのことだが「担当の方がここまで持ち上げてくれて感謝しかないです」と語ったように厩舎側の努力も実を結んだ。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
11月に佐賀競馬場で行われるJBCスプリントへの参戦はあるのか、その動向が注目される。
初の1400m戦に挑んだスレイマンは2着まで
2着に入ったのはスレイマン。3走前のアンタレスS、前走のプロキオンSでともに2着と着実に力をつけてきており、単勝1.9倍の1番人気に支持されていた。
レース序盤は4番手のインにつけていたが、向正面では後方2番手までポジションを下げる形。初の1400mに対応しきれなかった感は否めないが、勝負所で鞍上の手が動き始めてからはよく差を詰めたと言っていいだろう。
一度速いペースを経験したことで、次走以降の変わり身に期待したい。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
3着はサンライズホーク。近走は先行できておらず、今回もスタートしてから他馬のスピードにはついていけずに序盤は後方追走となった。
向正面で自らマクっていくという選択自体は間違っていなかったが、800〜1000m区間のラップ11.8の後に13.3と失速していることから、結果的には動くのが早すぎた。
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。
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