【札幌2歳S】ドゥラメンテ産駒が芝1800m戦で単複回収率100%超え 2歳戦を産駒傾向で攻略だ

高橋楓

札幌2歳ステークス出走予定馬の種牡馬成績,ⒸSPAIA

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産駒傾向を分析 ドゥラメンテ産駒が一歩リード

長く競馬をやっていると、イメージ先行になることがよくある。「〇〇の子には距離が長い」や「〇〇の子は晩成だから」といったようにだ。特に2歳戦はデータが少なく、予想が難しい。そこで今回は出走各馬の血統に注目。種牡馬の産駒傾向を分析して、イメージにとらわれない予想をしていく。

まずはじめに、出走予定馬の父の産駒たちが2歳戦の芝レースでどのような成績を残しているかを調べた。集計期間は2019年6月1日から2024年8月18日までとする。

出走予定馬の種牡馬、2歳戦の芝コース勝率ランキング,ⒸSPAIA


<出走予定馬の種牡馬・2歳戦の芝コース勝率ランキング>
ドゥラメンテ【89-72-55-411】勝率14.2%/連対率25.7%/複勝率34.4%
エピファネイア【144-112-111-668】勝率13.9%/連対率24.7%/複勝率35.5%
モーリス【91-83-67-480】勝率12.6%/連対率24.1%/複勝率33.4%
キズナ【111-103-89-620】勝率12.0%/連対率23.2%/複勝率32.8%

勝率順に並べると、トップはドゥラメンテ産駒。今年はこのレースにも出走するアスクシュタインがコスモス賞を制覇している。続くのはエピファネイア産駒。144勝は同条件の全体ランキングでもトップ。2位のディープインパクト産駒の119勝を大きく引き離している。以下、モーリス、キズナが出走回数100回以上で勝率10%以上の成績を残している。そこで今回は上位4頭をより詳しく紐解いていく。

【ランキングトップ4を父に持つ出走予定馬】
・アスクシュタイン(ドゥラメンテ産駒)
・トップオンザヒル(エピファネイア産駒)
・ファイアンクランツ(ドゥラメンテ産駒)
・マジックサンズ(キズナ産駒)
・レーヴドロペラ(モーリス産駒)


芝1800m戦は積極的にドゥラメンテ産駒を狙え

俗にいう「非根幹距離」で行われる札幌2歳S。1800m戦で産駒成績に差はあるのだろうか。前記の種牡馬のなかで、2歳戦の芝1800mを得意とする馬がいるのか調べてみた。集計期間は2019年6月1日から2024年8月18日までとする。

出走予定馬の種牡馬、2歳戦の芝1800m勝率ランキング,ⒸSPAIA


<出走予定馬の種牡馬・2歳戦の芝1800m勝率ランキング>
ドゥラメンテ【36-22-19-115】勝率18.8%/連対率30.2%/複勝率40.1%
キズナ【34-22-22-146】勝率15.2%/連対率25.0%/複勝率34.8%
モーリス【22-18-14-91】勝率15.2%/連対率27.6%/複勝率37.2%
エピファネイア【30-40-35-173】勝率10.8%/連対率25.2%/複勝率37.8%

勝率トップはここでもドゥラメンテ産駒。勝率18.8%(+4.6%)、連対率30.2%(+4.5%)、複勝率40.1%(+5.7%)。2歳戦の芝レース全体から率が5%前後アップしている。他の距離と比べてもこれはトップの数字で単勝回収率118%、複勝回収率108%と非常に優れた回収率を記録している。

他にキズナ産駒やモーリス産駒も3%前後アップしたが、逆にエピファネイア産駒は勝率が3.1%もダウンしていた。


本命はアスクシュタイン 血統と前走内容が優秀

ここまで種牡馬にフォーカスしてきた。ゆえに本命は出走予定馬の種牡馬のなかで、2歳戦の芝コースと芝1800mで勝率トップのドゥラメンテ産駒から指名する。

当初は、ソダシが札幌2歳Sでマークしたレコードを、デビュー戦で0.4秒更新したキングスコールを指名する予定だったが、残念ながらソエで出走を見送ることになった。

そこで本命は同じくドゥラメンテ産駒のアスクシュタインとする。デビュー戦はスローペースとはいえ、終始後続にマークされる息の抜けない展開を逃げ切り。前走のコスモス賞は他馬を寄せ付けない7馬身差の圧勝劇だった。今回も逃げることができれば非常に楽しみな1頭だ。

対抗は芝2歳戦の勝率が2位だったエピファネイア産駒のトップオンザヒル。新馬戦はフラフラする場面もあり、今回はどれだけ若さが改善されたかが試される一戦といえる。

3番手評価はドゥラメンテ産駒のファイアンクランツ。同馬はもう少し先になってからより成長してくる印象があるため少し評価を下げた。

4、5番手はキズナ産駒のマジックサンズ、モーリス産駒のレーヴドロペラとする。実は両産駒は近5年で2歳重賞わずか1勝ずつと低調な成績となっている。そんな中でも4番手はマジックサンズ。同馬は函館の新馬戦を2馬身差で完勝。洋芝経験があることを評価してこちらを上にとる。

◎アスクシュタイン
◯トップオンザヒル
▲ファイアンクランツ
△マジックサンズ
×レーヴドロペラ

《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
サクラローレルの馬体の美しさに魅せられて競馬の世界に惹きこまれる。他に好きな馬はホクトベガ、サイレンススズカ。一口馬主を趣味とし、楽しさを伝える事にも注力している。 競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。

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