【新潟記念】好調の2番人気、連対率50%超えの金子真人HD 新潟の伝統の一戦を「記録」で振り返る

緒方きしん


新潟記念にまつわる「記録」,ⒸSPAIA,ⒸSPAIA

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連対率50%超えの金子真人HD

今週末は新潟競馬場で新潟記念が開催される。1965年に創設された伝統の一戦で、初代覇者にはシンザンのライバルでもあったウメノチカラが輝いている。古くはナスノチグサ、ダイナフェアリー、アイリッシュダンスといった牝馬が、近年ではブラストワンピースやユーキャンスマイル、マイネルファンロンらが勝利している一戦。このレースが来ると夏競馬も一区切りと感じるファンも多いかもしれない。今回は、そんな新潟記念の記録について振り返る(データは1986年以降を参照)。

昨年は1着が3歳馬ノッキングポイント、2着が8歳馬ユーキャンスマイルと、若駒とベテランでの決着となった。前者は木村哲也厩舎×サンデーレーシング、後者は友道康夫厩舎×金子真人ホールディングスという、どちらも競馬ファンにはお馴染みの組み合わせだろう。

オーナー別の当レースの3着内数では、3位が5回のサンデーレーシング、2位が6回の金子真人ホールディングス、1位が10回の社台レースホース。サンデーレーシングは昨年のノッキングポイントが新潟記念における初勝利だった。それまでは、2005、06年ヴィータローザ、2015年ファントムライト、2022年フェーングロッテンと、3着が4回だった。サンデーレーシング所属馬は過去18回(同年複数頭出しも含む)出走しているが、1番人気は2013年ニューダイナスティ(5着)の1度のみ。2016年7番人気ベルーフ、2019年11番人気ブラックスピネルが4着など馬券圏内こそ逃したが、伏兵による善戦が多く、さすがのレース選びと言えるだろう。

3着内数2位の金子真人ホールディングスは過去11度の出走(同年複数頭出しも含む)で2勝、2着4回と半数以上が連対という脅威の数字を記録している。5着も2回あり、掲示板外に敗れたのは3回のみ。また、連対した6回のうち、4回が友道康夫厩舎だが、これはユーキャンスマイルが2019、22、23年と3回連対していたことが大きい。

3着内数1位の社台レースホースは4勝を挙げ、2、3着が各3回。4着4回、5着2回と掲示板内にも多くの馬を送り込んでいる。しかし、勝利は2001年サンプレイス以来遠ざかっており、2着も2014年クランモンタナが最後。近年は2022年にヒートオンビートが5着に食い込んでおり、復権を目指したいところだ。


4番人気は未勝利と大苦戦

近年は1番人気が苦戦している。単勝人気ごとの勝ち馬数を順に並べると、1番人気は7勝で3番人気と並んで期間内では2位タイとなる。1位は8勝を挙げた2番人気で、1番人気を上回る好成績を残している。4位は6勝の5番人気。そして驚くべきことに4番人気は未勝利となっている。6~8番人気が勝ち馬を輩出するなかでの戦績で、気になるところだ。

2番人気で勝利をあげた馬は、1991年のセンゴクヒスイを皮切りにパルブライト、ユメノシルシなどが続く。しかも2019年のユーキャンスマイル以降、2020年ブラヴァス、2023年ノッキングポイントと絶好調。2021年にもクラヴェルが3着に食い込んでおり、抜群の安定感だ。一方の1番人気馬は過去、オフサイドトラップやダイワテキサスといった実力馬が勝利を挙げているものの、2018年ブラストワンピースを最後に馬券圏内に食い込めていない。昨年も1番人気サリエラが7着に敗れている。

期間内未勝利の4番人気は、2006年サンレイジャスパー以来連対がなく、3着も2010年サンライズベガが最後。1~4着と人気以上に走った回数は11回、5着以下に敗れた回数は27回と苦戦が見てとれる。ヤマニンキングリーやマイネルウィルトスといった実力派もそれぞれ10着に敗れている。

今年はどのようなオッズとなり、どのような結果が出るのだろうか。新潟競馬、伝統の一戦にご注目いただきたい。

ライタープロフィール
緒方きしん
競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。

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