【関屋記念】逃げ馬が好走するレースで前走の再現可能 東大HCの本命はトゥードジボン

東大ホースメンクラブ

関屋記念の主な前走条件別複勝率,ⒸSPAIA

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サマーマイルシリーズ第3戦

今週日曜日、新潟競馬場でGⅢ・関屋記念が行われる。サマーマイルシリーズの第3戦であるこのレースに、米子Sを制して同シリーズ2勝目を狙うトゥードジボンの他、ダービー卿CT勝ち馬パラレルヴィジョン、3勝クラス勝ちが強烈だったジュンブロッサム、NHKマイルC3着の3歳馬ロジリオンなどが登録。フルゲート18頭で争われる。

ワンターンのマイル戦で順当に決まることが多いレースだが、22年には12番人気が2着に粘りこむなど穴馬の激走例もある。果たして今年はどのような決着となるか。過去10年データを参考に馬券のヒントを探っていく。

今年は重賞組以外も考慮が必要

関屋記念の前走クラス別成績,ⒸSPAIA


<関屋記念 前走クラス別成績>
JRA重賞【8-9-8-90】勝率7.0%/連対率14.8%/複勝率21.7%
OP・L【1-1-1-31】勝率2.9%/連対率5.9%/複勝率8.8%
→米子S連対【1-0-1-1】勝率33.3%/連対率33.3%/複勝率66.7%
3勝クラス【1-0-1-7】勝率11.1%/連対率11.1%/複勝率22.2%
→今回3番人気以内【1-0-1-1】勝率33.3%/連対率33.3%/複勝率67.7%

まずは前走クラス別成績を見る。上記に示した通り、前走重賞組が質、量ともにその他を圧倒している。ただ今年は例年と異なり、半分の9頭が重賞以外からの出走となる。そちらの選択肢も検討する必要がある。

重賞組のデータをもう少し掘り下げる。前走GⅠだと【2-2-4-19】複勝率29.6%。安田記念組は【0-2-1-7】で勝利こそないが、21年にはカラテが前走1秒3差13着から本レース2着という好走例がある。今年の安田記念は香港からロマンチックウォリアーも参戦したハイレベルな一戦で、2桁着順だったコレペティトール、パラレルヴィジョンも見直し可能だ。NHKマイルC組は【1-0-2-4】。半数近くが馬券に絡んでおり、ディスペランツァを後押しするデータとなる。GⅠ以外ではエプソムC組が【1-0-2-11】、そこで上がり3F5位以内なら【1-0-2-3】でワールドウインズが該当する。

OP・リステッド組は全体成績として低調だが、今年最多の5頭が該当する米子Sからは【1-0-1-8】。その2着以内馬は【1-0-1-1】と信頼度が高く、トゥードジボンとディオが該当。メイSは【0-1-0-1】で、好走例は22年シュリ(9着→2着)。プレサージュリフトも期待できそうだ。一方、ロジリオンらが該当するパラダイスS組は【0-0-0-7】。17年ロードクエスト(2番人気6着)や18年ショウナンアンセム(4番人気10着)など上位人気も含め全滅しており、軽視が妥当だ。

最後に3勝クラス組。関屋記念で3番人気以内だった馬は【1-0-1-1】と結果を残している。今年のジュンブロッサムも上位人気が想定され、期待できそうだ。

サマーマイル連勝だ

◎トゥードジボン
昨秋の清水Sを勝ってOP入りすると、昇級戦の京都金杯は3着。2~4走前は2桁着順が続いたが、前走米子Sの内容が優秀だった。前後半4F46秒6-44秒9と絶妙なペースを刻み、後続に0秒3差をつけての逃げ切り勝ち。勝ち時計1分31秒5は過去10年の京都芝1600mで2位タイの記録だった。関屋記念は逃げ馬が【2-2-1-5】とよく馬券に絡んでおり、逃げ粘りも再現可能だ。

◯ジュンブロッサム
なんといっても前走の内容が衝撃的だった。ラスト1ハロンが10秒9。走破タイムは米子Sと同じ1分31秒5だったが、インパクトはこちらに軍配が上がる。前述の通り昇級戦でも上位人気に推された馬は結果を出しており、鞍上も本レース過去10年で3勝を挙げている戸崎騎手と不足なし。ただし、水無月Sで2着以下だった馬たちがその後苦戦している点は気がかりだ。

▲サクラトゥジュール
昨年のメイSは後の芝重賞勝ち馬3頭を下して勝利。昨年の関屋記念は上がり最速の脚を見せ6着。年明けの中山金杯は大敗したが、前走の東京新聞杯では1枠を生かして内を突き、残り200mを切ってから伸びて前年覇者ウインカーネリアンを差し切った。直線が長い舞台の方が合っており、リベンジの可能性は十分だ。ただし7歳と高齢である点、前走は枠の利があっての勝利だった点を考慮し、3番手評価とした。

以下パラレルヴィジョン、プレサージュリフト、ディスペランツァまで印を回す。馬券は◎軸の3連複とする。

▽関屋記念予想▽
◎トゥードジボン
◯ジュンブロッサム
▲サクラトゥジュール
△パラレルヴィジョン
×プレサージュリフト
×ディスペランツァ

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。


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