【関屋記念】3歳馬ディスペランツァとロジリオンは消し ハイブリッド式消去法

八木遊

過去10年の関屋記念『中8週以内』かつ『前走6番人気以下』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週のエルムSは最終的に6頭が消去を免れ、そのうちの3頭が3着までに入ったが、本命に指名していたのは8着のナチュラルハイ。同馬の単複と三連複流しの馬券は全て外れたが、最後に押さえで買っていたドゥラエレーデとペイシャエスのワイドが的中した。ただし資金配分が甘く結果はトリガミとなった。

今週は日曜の新潟メイン、関屋記念を取り上げる。いつも通り過去10年のデータから、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、当てはまった馬を順番に消していく。

今年はフルゲート18頭に19頭が登録。5日時点で抽選対象(*)となっているアスクコンナモンダとグランスラムアスクを含めた全19頭を対象に進めていきたい。


『前走から斤量増』×『牡馬』★0.0%★

まずは斤量データを取り上げる。本レースは別定戦だが、前走がハンデ戦という馬も多い。そのため、前走でハンデに恵まれた馬が今回斤量増で出走するパターンも目立つ。

今回斤量増の馬は過去10年で【0-2-0-37】(複勝率5.1%)と、これだけでも消去対象となるが、ハイブリッド式ではもう一つの条件を掛け合わせる。ここでは牡馬を取り上げたい。2着に好走した2頭はどちらも牝馬だった。牡馬に限ると【0-0-0-25】(同0.0%)と3着以内は1頭もいない。

今年は前走ハンデ戦の馬はそこまで多くない。しかし、前走で別定戦の東京新聞杯を斤量57kgで勝利したサクラトゥジュールがこの条件に該当した。今回は1kg増の58kgを背負い、半年ぶりの実戦。重賞を勝ったとはいえ、評価を下げざるを得ない。

【今年の該当馬】
・サクラトゥジュール


『前走から距離延長』×『前走0秒3以上の差で負け』★0.0%★

2つ目は前走で1600m未満の距離を走っていた馬。過去10年の該当馬は20頭だけで【1-0-1-18】(複勝率10.0%)と低調な成績だ。このうち、その前走が0秒3差以上の敗戦だった馬は13頭いたが、全て馬券圏外に消えている。

今年このデータに当てはまったのは、以下の4頭。NHKマイルCで3着に入ったロジリオンは、前走のパラダイスSで古馬の壁に阻まれた。さらにメンバーが強化される今回もそう簡単にはいかないだろう。

【今年の該当馬】
・グランデマーレ
・サンライズロナウド
・ダディーズビビッド
・ロジリオン


『前走から中8週以下』×『前走6番人気以下』★2.0%★

続いてはレース間隔のデータを採用したい。具体的には前走から中8週以下とやや間隔の詰まった馬だ。

過去10年の成績は【7-6-6-79】(複勝率19.4%)と悪くないが、その前走で6番人気以下だった馬は【0-0-1-49】(同2.0%)と好走率は一気に下がる。ちなみに、唯一馬券に絡んだのが昨年3着のラインベックだった。

今年はそのラインベックを含めた総勢7頭がこのデータに当てはまった。もし同馬が2年連続で穴をあけた時は潔く諦めるしかないだろう。

【今年の該当馬】
・オニャンコポン
・グランスラムアスク*
・(グランデマーレ)
・タイムトゥヘヴン
・メイショウシンタケ
・ラインベック
・ワールドウインズ


『非社台系生産』×『3~4歳』★5.9%★

4つ目は生産者別データを取り上げたい。今回は過去10年で【6-6-1-69】(複勝率15.9%)の非社台系生産馬だ。

馬券に絡んだ13頭のうち、実に12頭は5歳以上だった。一方で4歳以下は【1-0-0-16】(同5.9%)と苦戦している。

登録馬19頭のうち、3~4歳馬は3頭だけ。唯一の4歳馬コレペティトールは社台ファームの生産馬なので消去を免れた。

一方、消しとなったのは3歳馬の2頭。最有力候補にも名前が挙がるディスペランツァはここで脱落となった。

【今年の該当馬】
・ディスペランツァ
・(ロジリオン)


『サンデーサイレンス系』×『今回1~2枠』★6.3%★

最後は血統と枠順のデータを掛け合わせたものを取り上げたい。対象は「父がサンデーサイレンス(SS)系」かつ「今回1~2枠」に入った馬だ。

過去10年の成績は【0-0-1-15】(複勝率6.3%)で、唯一馬券に絡んだ20年3着のアンドラステも1番人気を裏切る結果だった。

残っている7頭のうち、父がSS系の馬は以下の5頭。このうちジュンブロッサムやパラレルヴィジョンは上位人気が予想されるが、白帽か黒帽ならバッサリ消去したい。

【今年の該当候補】
・アスクコンナモンダ*
・コレペティトール
・ジュンブロッサム
・トゥードジボン
・パラレルヴィジョン

全ての条件を終えて、確実に残るのはディオとプレサージュリフトの2頭となった。

前者はとにかく堅実で、20戦して掲示板を外したのは2走前のダービー卿CTだけ。ここも間違いなく上位争いに加わってくるだろう。後者は新潟競馬場こそ初参戦となるが、左回りコースでは8戦すべてで掲示板を確保。うち、マイル戦に限定すれば【2-1-2-0】と好成績を残している。

買い目はディオとプレサージュリフトを1~3列目に置き、2、3列目に残った馬(アスクコンナモンダ、コレペティトール、ジュンブロッサム、トゥードジボン、パラレルヴィジョンのうち1~2枠に入らなかった馬)を置いた三連複フォーメーション。最大25点で勝負する。

なお、今週の“保険馬券”は、2頭のワイドをトリガミにならないように押さえておきたい。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2023年8月から長期休養に入っていたが、24年6月に再開。今年はワイドを中心にコツコツ的中を狙う。

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