【中京記念】主軸は機動力ある馬…波乱の使者は「差し」にあり 京大競馬研の本命はエピファニー
京都大学競馬研究会
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近年は3角からの機動力が問われる
7月21日(日)に小倉競馬場で中京記念(GⅢ)が行われる。重賞2勝のエルトンバローズを筆頭に、同舞台の小倉大賞典で好走したエピファニー、ロングラン、リステッド勝ち馬のアルナシーム、セオなど14頭が集まった。
阪神改修の影響で21、22年に続いてまたもや小倉での中京記念となり、しかもサマーマイル2戦目ながら1800mでの施行と、名前と実態が全く合わないレースになっている。当然中京のデータは使えないためデータ集めは難航したが、今回は小倉芝1800mの脚質傾向に注目して予想していく。
過去10年の小倉芝1800m、オープンクラスにおける脚質別成績を調べた。対象レースは22レース。直線が短いぶん、先行馬は【12-7-8-52】の複勝率34.2%と流石に有利だ。しかしここで注意したいのは、3角までは中団以降でも、早めに動いて4角4番手以内につけた馬がデータ上「先行」に含めていることだ。例えば今年の小倉大賞典を勝ったエピファニーも2角7番手だったが、4角4番手まで進出したことから「先行馬」としてカウントした。
昨年は小倉日経OPのカントル、小倉大賞典のヒンドゥタイムズも中団から機動力を生かして勝利している。早めに動ける馬を重視したい。
中団の馬は【3-12-7-87】。頭数が多いため複勝率は20.2%しかないが、2、3着数の合計は先行馬より多く、軽視は禁物だ。しかし先述の先行扱いを受けていない、つまり早めに動ける機動力のなかった馬が突き抜けるケースは少なく、単勝回収率は25%しかない。そもそも、小倉の短い直線で中団から突き抜けるほど強い馬はハンデ戦に出てこない。
ただ、「中団」グループながらカテドラルは2着が3回あり、今年の小倉大賞典2着のロングランも「中団」グループだった。いずれも中穴程度の人気だったため、ヒモは人気薄も手広く買っておきたい。
展開も差し馬有利になりそう 切れ味のある馬集めて波乱に期待
◎エピファニー
今年の小倉大賞典勝ち馬。4走前のチャレンジCも早めに動いて4着と頑張っており、GⅢであれば機動力、実績ともに上位だ。3走前の中山金杯は掛かって大敗したようにスローペースが向かない馬。今回はセルバーグやテーオーシリウスなど逃げ馬も一定数揃って、ハイペース濃厚なのはプラス材料だ。小倉大賞典と同じ乗り方が出来ればここでも勝ち負け可能。当時と比較して斤量が重くなるが、重賞馬になった以上当然の評価で、特に不安材料ではない。
◯ボーデン
去勢明けの前走は内からよく伸びて久しぶりの勝利を収めた。近3走はワンターンしか走っていないため忘れられがちだが、3歳時はスプリングS3着や中京芝2000mで勝利歴があるなど、本来はコーナー4つの方が向いていると考える。前走もイン突きでの勝利と立ち回りが上手く、小倉芝1800mもプラスになるのではないだろうか。逃げ馬の多いメンバー構成で展開は向きそう。斤量も軽く、早めに動けるようならアタマも期待できる1頭だ。
▲カテドラル
小倉芝1800mは重賞4戦で【0-3-0-1】と得意。直線一気しか出来ないため2着止まりになっているが、末脚自体はメンバー中上位のものがある。年齢を重ね勢いこそ欠けるものの、メンバーレベルは過去の小倉で走った時とそこまで変わらないため、抜群の小倉適性で上位進出はある。ここでもヒモに入れておきたい。人気薄でこそ警戒が必要だ。
△ニホンピロキーフ
マイラーズCではGⅠ好走馬2頭に続く3着。2戦2勝の小倉芝1800mに替わるのはプラス材料だ。前走は力んで大敗しているため、今回はさほど位置を取りに行かないと予想する。ハイペースになれば後ろからでも展開が向きそうだ。
×エルトンバローズ
実力本位の先行策で重賞2勝。夏のハンデ戦で100%仕上げは考えにくいことと、逃げ馬が多く展開面の不利があると考えてこの評価。
×ロングラン
小倉大賞典2着。末脚にかける競馬で展開は向きそうだがどこまでやれるか。
馬券はエピファニーとボーデンの単勝、エピファニーから三連複流し10点、ボーデンからワイド5点で勝負する。夏の難しいハンデ戦、たまには波乱の予想もいいだろう。(文:福山)
中京記念 予想印
◎エピファニー
◯ボーデン
▲カテドラル
△ニホンピロキーフ
×エルトンバローズ
×ロングラン
ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。
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