【中京記念】前走同距離の先行馬が有利 東大HCの本命は安定した先行力を持つセオ

東大ホースメンクラブ

小倉芝1800mOP以上 先行馬の前走距離別連対率(過去10年)

ⒸSPAIA

再びの小倉芝1800m開催

今週日曜日、小倉競馬場でGⅢ・中京記念が行われる。2年ぶりに小倉芝1800mでの開催となる今年は、昨年覇者セルバーグ、重賞2勝とマイルCS4着の実績馬エルトンバローズ、同条件の小倉大賞典を勝利したエピファニー、2連勝中の上がり馬セオなど14頭がエントリーした。

阪神施行の20年には殿人気のメイケイダイハードが勝利。小倉開催の22年にも10番人気のカテドラルが2着に入るなど夏競馬のハンデ戦らしい重賞レース。今回は過去10年の小倉芝1800mOPクラス以上の22レースを参考に好走データを探っていく。

小倉芝1800mは前有利

小倉芝1800mOPクラスの脚質別成績,ⒸSPAIA


<小倉芝1800mOPクラス以上 脚質別成績>
逃げ【4-1-3-15】勝率17.4%/連対率21.7%/複勝率34.8%
先行【12-7-8-52】勝率15.2%/連対率24.1%/複勝率34.2%
差し【3-12-7-87】勝率2.8%/連対率13.8%/複勝率20.2%
追込【3-1-4-73】勝率3.7%/連対率4.9%/複勝率9.9%
※マクリ【0-1-0-2】勝率0.0%/連対率33.3%/複勝率33.3%

小倉芝1800mは前有利の傾向が見て取れる。「前走逃げた馬」というくくりでも連対率27.6%、特に「前走重賞で逃げた馬」は【2-4-1-8】で連対率40.0%、複回収率264%と優秀だ。今回ハナを取りそうなのはセルバーグかテーオーシリウス。どちらも小倉の重賞で馬券に絡んだ経験があるが、前走が重賞だったセルバーグの方がよりデータに合う。

先行馬は12勝と勝ち馬の半分以上を占め、連対率は逃げた馬よりも高い。カギを握るのは前走距離で今回が距離延長【1-1-2-17】連対率9.5%と振るわず、同距離【3-3-1-12】同31.6%、距離短縮が【8-3-5-23】同28.2%と差は歴然。マイルからの転戦馬より中距離馬有利と考えたい。今回先行しそうな馬だと同距離組がアルナシーム、セオ、ソレイユヴィータ、ワールドリバイバルあたり。距離短縮はニホンピロキーフが該当する。

差しは2着12回で連対率はまずまずだが、先行勢に比べると見劣る。ただし、このような差し不利のデータに反してロングランは、23年小倉大賞典4着、24年2着と結果を出しており、評価を下げる必要はなさそうだ。

最後に追込馬。上位人気なら差してくる可能性もあるといった程度。6番人気以下は【0-1-1-60】と絶望的。今年の追込勢はいずれも人気薄が想定される。軽視の方向でいきたい。

今の充実度なら重賞でも通用

◎セオ
3歳1勝クラスで後の重賞勝ち馬レーベンスティールに勝利。ラジオNIKKEI賞は大敗したが、その後の戦績は【3-1-1-1】着外1回も5着で掲示板を外さない安定感を見せている。都大路Sは距離延長の昇級戦を全く問題にせず先行押し切りで完勝。今回は久しぶりの重賞挑戦となるが、今の充実度なら上位は堅く、三連系の馬券の軸として最適だろう。

◯ロングラン
22年9月のOP入り以降、2000m以上【0-0-0-6】に対して、1800mでは【1-1-0-2】着外2回も5着内で掲示板を外していない。過去5勝はダート含めて全て1800mで挙げている。3走前のディセンバーSで久しぶりに勝利したが、そのときの2着コスタボニータはその後に重賞勝ち。2走前の小倉大賞典は上がり最速タイの末脚で2着に入った。当時同斤量で1着だったエピファニーより今回は1kg軽い。この舞台なら大崩れはない。

▲エルトンバローズ
未勝利から4連勝、1800mの重賞でソングラインやレーベンスティールに勝ち、マイルCSも4着と健闘した。実績面はトップクラス。今年に入ってから大敗続きも、近2走は海外遠征とGⅠであり、GⅢなら侮れない。前走は後方からの競馬となったが本来は先行脚質で、1800m【2-3-0-1】と距離適性も十分だ。ただし今週の小倉は雨予報。今年の3戦いずれも稍重で敗れたことから、渋った馬場が苦手な可能性も考慮して3番手とした。

△アルナシーム
2歳時には朝日杯FS4着。1~3着馬はその後GⅠを勝利するハイレベルレースだった。5歳になってからの直近4走でパワーアップした印象があり、同条件の小倉大賞典では3着セルバーグとハナ差、前走エプソムCは3着とアタマ+アタマ差の5着に粘った。2走前にはセオに0秒2差で負けているが、今回は当時1kg不利だった斤量差がなくなる。展開次第で逆転もある。

以下セルバーグ、エピファニー、ニホンピロキーフまで印を回す。馬券は◎軸、◯以下相手の3連複とする。

▽中京記念予想▽
◎セオ
◯ロングラン
▲エルトンバローズ
△アルナシーム
×セルバーグ
×エピファニー
×ニホンピロキーフ

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。


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