【函館記念】先行馬が複勝率42.4%で断然前が有利 東大HCの本命はデビットバローズ

東大ホースメンクラブ

函館記念の脚質別成績(過去10年)

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サマー2000シリーズ2戦目

日曜日、函館競馬場でGⅢ・函館記念が行われる。サマー2000シリーズの2戦目に、巴賞を逃げ切ったホウオウビスケッツや一昨年覇者のハヤヤッコ、昨年の札幌記念2着トップナイフなど16頭が出走予定だ。

20年には馬連配当13万円、3連単343万円を超えた一方、昨年は1、4、2番人気の堅い決着となるなど難解なレース。今年はどのような結果になるだろうか。過去10年のデータから考える。

良馬場だと波乱傾向

函館記念の人気別成績,ⒸSPAIA


<函館記念 人気別成績>
1〜3番人気【6-1-3-20】勝率20.0%/連対率23.3%/複勝率33.3%
4~6番人気【2-1-1-26】勝率6.7%/連対率10.0%/複勝率13.3%
7〜9番人気【1-3-4-22】勝率3.3%/連対率13.3%/複勝率26.7%
10番人気~【1-5-2-61】勝率1.4%/連対率8.7%/複勝率11.6%
→うち良馬場【1-3-2-35】勝率2.4%/連対率9.8%/複勝率14.6%

まず人気別成績からチェックしよう。1~3番人気は6勝と堅実な結果を残しており、過度に嫌う必要はない。しかしここは【2-1-1-2】の距離短縮組が中心で、巴賞組は【1-0-0-6】と振るわない。去年も巴賞を制したアラタが3番人気9着に敗れた。ホウオウビスケッツに立ちはだかる壁となりそうだ。

不調なのが4~6番人気。中位人気が振るわない。この傾向は良馬場だとさらに顕著となり【1-0-0-17】。好走例は18年のエアアンセムのみ。週末晴れ予報の今年は中位人気の評価を下げたい。

7~9番人気は複勝率が高く、2桁人気も2着が5回ある。特に良馬場の年は、2桁人気かつ前走2000m重賞の馬が【1-1-2-4】。半数が馬券に絡んでいる。今年はアウスヴァール、ハヤヤッコ、リカンカブールあたりがここに合致しそう。思い切って大穴まで含めて勝負だ。

先行が複勝率42.4%で前有利

函館記念の脚質別成績,ⒸSPAIA


<函館記念 脚質別成績>
逃げ【2-0-1-8】勝率18.2%/連対率18.2%/複勝率27.3%
先行【5-4-5-19】勝率15.2%/連対率27.3%/複勝率42.4%
差し【2-4-2-54】勝率3.2%/連対率9.7%/複勝率12.9%
追込【0-1-2-47】勝率0.0%/連対率2.0%/複勝率6.0%
マクリ【1-1-0-1】勝率33.3%/連対率66.7%/複勝率66.7%

脚質別成績では逃げが2勝、3番人気以内に限ると【2-0-0-1】。ホウオウビスケッツが引き続き逃げれば有力だ。

先行は複勝率4割超、複勝回収率243%と軸に適している。5番人気以内【4-0-2-6】で、デビットバローズが該当する可能性は高い。また、前走同距離組が【2-1-3-1】と圧倒的で、上がり馬のエンパイアウエスト、前述のアウスヴァールは押さえておきたい。

後方脚質組はやはり苦戦気味。ただしここ3年連続で4角11番手以降の馬が1頭ずつ馬券圏内に入っており、ある意味トレンドではある。好走3頭のうち2頭は前走も重賞で4コーナー10番手以降だった。今年はチャックネイト、ハヤヤッコ、マイネルクリソーラが該当する。チャックネイトとハヤヤッコはGⅠで大敗を喫したが、GⅢなら侮れない。

また、マクリが2連対しているのも特徴。札幌日経オープンや巴賞でマクリの経験があるアケルナルスターには追い風となりそうだ。全体的に低調な巴賞組であるが、今年は上位3頭それぞれに明確な加点材料があり、今年は気にしないで予想したい。

前走の借りを返す

◎デビットバローズ
今年の1月に3勝クラスを突破。このときの2着エーデルブルーメも後にマーメイドS2着としている。昇級戦となった大阪城Sは後に大阪杯4着のステラヴェローチェとタイム差なしの2着と健闘。その後も新潟大賞典4着、巴賞2着とOPクラスでも先行しての善戦が続いている。巴賞はホウオウビスケッツに逃げ切りを許したが、今回は斤量差1.5kgあり、距離延長も歓迎。逆転する材料はそろった。

◯アケルナルスター
ちょうど1年前に函館で3勝クラスをマクリの競馬で突破。札幌日経オープンは今年の宝塚記念勝ち馬ブローザホーンには離されたが2着。その後も3600mのステイヤーズSを除いて掲示板を確保。こちらも斤量面で恵まれた。直近5走のうち3走を洋芝で走り3着を外していないことから、適性は十分と考え2番手とした。

▲ハヤヤッコ
一昨年の当レース覇者。それ以降は勝ち星から遠ざかっているものの、昨年も函館記念は2着からタイム差なしの5着、中日新聞杯も2着と悪くない。8歳になった今年も金鯱賞でプログノーシス、ドゥレッツァら相手に4コーナー10番手から4着まで差し脚を伸ばした。前走の大阪杯は大敗したが、GⅠかつ外を回されたもので度外視可能。58.5kgの重ハンデだが激走してもおかしくない。

以下ホウオウビスケッツ、エンパイアウエスト、アウスヴァールまで印を回す。馬券は◎軸の3連複で勝負する。

▽函館記念予想▽
◎デビットバローズ
◯アケルナルスター
▲ハヤヤッコ
△ホウオウビスケッツ
×エンパイアウエスト
×アウスヴァール

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。


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