【函館記念】チャックネイトやハヤヤッコは消し ハイブリッド式消去法

八木遊

過去10年の函館記念『前走・函館競馬場』かつ『前走上がり2位以内』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週の七夕記念は、キングズパレスとレッドラディエンスの2頭を中心視。3連複16点とワイド1点で勝負した。結果は本命、対抗のワンツー決着。3着のノッキングポイントも押さえていた。惜しむらくは、“ひよって”しまい3連単にしなかったことか。

今週末は函館で2つの重賞が行われる。取り上げるのは、サマー2000シリーズ第2弾の函館記念。フルゲート16頭に20頭が登録しているが、除外対象の4頭も含めて進めていきたい。いつも通り過去10年のデータを用いて、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、当てはまった馬を順番に消していく。

『前走函館競馬場』×『前走上がり2位以内』★0.0%★

まずは前走の競馬場別成績を確認する。目立つのは前走・東京の【5-3-2-20】(複勝率33.3%)。逆に前走・函館は、【1-4-1-51】(同10.5%)と滞在組がさえない。特にその前走で上がり3F2位以内の馬は【0-0-0-14】(同0.0%)と、全馬が馬群に沈んでいた。開催が進んだ最終週とあって、求められる適性も違うということだろう。

前走が函館だった馬は20頭中8頭、全て巴賞に出走していた。このうち前走上がり2位以内だったのは以下の3頭。いずれも後方から差してきたが、アケルナルスターの3着が最高着順だった。今回も同じような競馬なら掲示板が精いっぱいとみる。

【今年の該当馬】
・アケルナルスター
・オニャンコポン
・サンストックトン

『キングマンボ系』×『前走1800~2200m』★4.5%★

2つ目は血統データ。ピックアップしたのはキングカメハメハを筆頭としたキングマンボ系だ。この系統は過去10年で【1-2-1-25】(複勝率13.8%)といまひとつ。特に前走1800~2200mの馬は【0-1-0-21】(同4.5%)と凡走が目立つ。

今年この条件に当てはまったのは以下の6頭。消去済みのオニャンコポンに加えて、除外対象のグリューネグリーン*、2年前の覇者ハヤヤッコなどを消去する。

【今年の該当馬】
・エンパイアウエスト
・グリューネグリーン*
・デビットバローズ
・ハヤヤッコ
・プラチナトレジャー
・(オニャンコポン)

『前走人気<前走着順』×『前走馬体重480kg以上』★5.3%★

3つ目は前走で人気を下回る着順だった馬を取り上げる。過去10年の成績は【3-3-3-61】(複勝率12.9%)とやや苦戦気味。特に馬格のある馬は本レースで凡走が目立った。前走馬体重が480kg以上あった馬は【0-0-2-36】(同5.3%)で、連対馬は1頭もいなかった。

今年この条件に当てはまったのは、以下の8頭。チャックネイト、トップナイフ、リカンカブールらの実績馬もまとめて消去リスト行きとする。

【今年の該当馬】
・アウスヴァール
・グランディア
・チャックネイト
・トップナイフ
・リカンカブール
・(グリューネグリーン*)
・(デビットバローズ)
・(プラチナトレジャー)

『関東馬』×『前走10番人気以下』★6.3%★

4つ目は東西所属別の関東馬をピックアップする。過去10年の成績は【6-3-3-58】(複勝率17.1%)で、【4-7-7-71】(同20.2%)の関西馬と遜色はない。ただし、前走10番人気以下だった関東馬は【1-0-0-15】(同6.3%)。唯一函館記念で好走したのは、7番人気で優勝した22年のハヤヤッコだった。

今年はそのハヤヤッコに加えてエミューが該当。前者はすでに消去されているため、新たに昨年のフラワーC勝ち馬を消去する。

【今年の該当馬】
・エミュー
・(ハヤヤッコ)

『今回距離延長』×『今回6~8枠』★0.0%★

4つの条件を終えて、20頭中14頭を消去した。最後の条件は前走からの距離延長組だ。過去10年の成績は【4-5-3-70】(複勝率14.6%)とやや苦戦傾向。中でも本レースで6~8枠の外目に入った馬は、【0-0-0-26】とすべてが4着以下に沈んでいた。

残っている6頭のうち、この条件に当てはまる可能性があるのは4頭。このうちホウオウビスケッツは前走の巴賞を鮮やかに逃げ切っており、今回も上位人気に推されそう。本馬の取捨は枠順次第としたい。

【今年の該当候補】
・カネフラ*
・キャプテンシー*
・ショウナンバシット*
・ホウオウビスケッツ

全ての条件を終えて、確実に残るのは、サヴォーナとマイネルクリソーラの2頭。実績的にはGⅡで2着2回ある前者が断然上だが、食指が動くのは後者の方。洋芝となる北海道では5戦全てで掲示板を確保しており、前走で同距離の2000mを走っていたのもプラスだ。

不安があるとすれば、今夏の函館で106戦1勝と不振が続く丹内祐次騎手か。ただし、2~3着が多いため、複勝率は悪くない。地元函館の最終日に大どんでん返しを演じられるか。

買い目はマイネルクリソーラの単勝を少々と複勝を厚めに。さらに残った馬へのワイド流しと、馬単の裏表も押さえておく。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2023年8月から長期休養に入っていたが、24年6月に再開。今年はワイドを中心にコツコツ的中を狙う。

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